自信と不安は「100対100」予選トップのSUBARU BRZ、“リヤ改善”の成果と浮上した新課題【第5戦GT300予選】

2021年9月11日(土)20時53分 AUTOSPORT web

 第5戦SUGOの予選でもその速さを遺憾なく発揮し、下馬評どおり今季3度目のポールポジションを獲得したSUBARU BRZ R&D SPORT。だが、前戦鈴鹿でも顕著に見られた決勝でのラップペースの落ちを課題としている陣営だけに、予選トップを喜ぶというよりは、決勝に向けて気を引き締めている。


 今季、新型車両に改められたSUBARU BRZは、空力面の改良を受けたことなどから、これまでになかった“一発の速さ”を手に入れた。しかし決勝でのロングランペースにおいては、リヤタイヤのドロップという症状に悩まされるようにもなっている。チームとしてはタイヤをうまく使えるようにすべく、ここ数戦車両側のセットアップで試行錯誤を続けてきているが、ポールポジションからスタートした第3戦鈴鹿では、スタート後わずか数周でリヤタイヤのグリップダウンが始まってしまった。


 SUGO戦の予選後、Q2を担当しポールポジションを獲得した山内英輝に「決勝に向けた、自信と不安の割合は?」と訊ねてみると、こう即答した。


「100対100ですね」


 その“自信”の部分について理由を聞くと、鈴鹿のあと、SUGO前に行なわれたオートポリスでのテストの成果を山内は挙げる。


「雨のテストでしたが、進むべき方向性は見えました。今日、それを取り込んで公式練習でロングランをしましたが、成果は感じています。ただ、まだ足りないかもしれないので、決勝に向けてはもっとそれを進めていくつもりです」


 ロングランでは、懸念であるリヤのドロップ症状は「正直、出ている」という。BRZ陣営としては確かに改善の手応えは得ているのだが、周囲のマシンのラップペースと比べると足りていない、と山内は現状を分析する。


「自分らのペースは悪くないんですが、ヨコハマ勢、とくに56号車(リアライズ日産自動車大学校 GT-R)とかが異常に速いんですよ。そういった周りと比較すると、まだ足りていない状況だと思います」


「ヨコハマ勢は、予選からの(決勝ラップタイムの)落ち幅が少なくなっているので、すごく良くなったんだろうなと思っています」


「僕らは今年、一発が出るようにはなったぶん、その落ち幅は広くなってしまいました。その傾向は、すごく感じています」


 SUGOの予選での計測3〜4周程度のアタックでは、「いいフィーリング」だと山内は語る。それを持続させるための取り組みはある程度、今日一日で見えてきたようだが、同時に“新たな課題”も出現しているようだ。


「リヤを良くしていくと、今度は最終コーナーでアンダーステアになるんですよね。そうするとフロントタイヤも酷使することになってくるので、それぞれをどうリカバーしながら、前後バランスを出していくのか、そこの駆け引きが難しいです」


 まさにあちらを立てればこちらが立たず。空力の先鋭化等により“GT500化”したとも言える新型BRZへの試行錯誤は、いまだ続いている。自信と不安が入り混じるなか、明日の決勝ではそのひとつの“答え”が、なんらかの形になって現れることだろう。

2021スーパーGT第5戦SUGO SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)

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