BTCC:フォルクスワーゲンを走らせるTeam HARDが2021年から新型クプラにスイッチ

2020年9月12日(土)14時0分 AUTOSPORT web

 BTCCイギリス・ツーリングカー選手権に参戦するTeam HARDは、ここまで長年にわたり走らせてきたフォルクスワーゲンCCでの参戦を終了し、2021年シーズンからスペイン・セアトの高性能車部門CUPRA(クプラ)とジョイントすることを発表。TCR規定で成功を収めている新型レオンのNGTC規定モデルを開発し、2台体制を敷くとアナウンスした。


 トニー・ギリアム率いるTeam HARDは、2013年からフォルクスワーゲンのDセグメントサルーンを投入してBTCCを戦ってきたが、長らく4台体制で戦ってきたマシンの戦闘力不足に苦しんでいることを明かしており、2019年中から「新たなマニュファクチャラーとの参戦を模索している」と語っていた。


 それでも2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で変則的なシーズンとなったこともあり、エースのジャック・ゴフ、オリー・ブラウン、そしてF1王者ルイス・ハミルトンの実弟ニコラスの3台でフォルクスワーゲンCCを継続。残る1台、カール・ボードレーのマシンをWest Surry Racingから購入したBMW125i Mスポーツとし、FFとFRの両駆動方式を走らせる体制を採っていた。


 一方、ブランドとしては久々のBTCC復帰となるセアトは、世界戦でも活躍したS2000規定時代のレオンを皮切りに、初のディーゼル・ツーリングカーとなったTDIと、ガソリン・ディーゼルの双方ともにファクトリープログラムでの参戦を続けてきた。


 今回、Team HARDは公式なサポートを受けない独立系プログラムでの参戦となるが、ギリアム代表は「彼らと再び、BTCCに新たな章の幕開けを宣言できることをうれしく思う」と抱負を語った。


「まずその前に、フォルクスワーゲンCCとは複数のシーズンにわたって数多くの成功を収めてきた。しかし(2022年からの導入が予定される)ハイブリッド時代の到来を見据えたとき、新たな挑戦を始める時期が来たと感じたんだ」

2013年からフォルクスワーゲンCCを走らせてきたTeam HARDだが、ついにマシンスイッチを決断した
TCR規定ツーリングカーとして2020年からデリバリーが開始された『クプラ・レオン・コンペティションTCR』。NGTC規定ベース車も同型車種となる


「新たな車種選定に向けて我々も多くの研究とリサーチを行ってきたが、現行クプラ・レオンの形状と寸法は、NGTC規定にマッチするものだと確信している。時間は迫っており、ここからハードワークが求められるが、新車をいち早く理解し、最初から競争力のある状態に仕上げたい。2021年の開幕からそれが実現できると信じている」


 BTCCのオーガナイズを担当するTOCA代表のアラン・ゴウは、NGTC規定に新たなマニュファクチャラーが加わることを「喜んでいる」と、歓迎の意を示した。


「我々のシリーズに新たなブランドが名を連ねるのは、いつだって素晴らしいことだ。我々のNGTC規定により参戦可能車種はバラエティに富み、ほかに類を見ない多様性を実現してきた。ここに新型クプラ・レオンが加わることは、その正当性をさらに証明するニュースとなるだろう」と続けるゴウ。


「このTeam HARDの新プロジェクトは、シリーズ随一の人気チームがさらに上を目指すための助けになるだろう。フォルクスワーゲンCCがすでにグリッド上でも最古の車種であることは明白だが、トニーと彼のチームがその潜在能力を引き出し、ここまで戦ってきたことは称賛に値する」


 同時にチームは2013年のデビューイヤーにフォルクスワーゲンCCをドライブしたトム・オンスロウ-コールを、オリー・ブラウンに代わって起用すると発表。コールは続くスラクストン、シルバーストン、クロフトの3戦でかつての愛機のステアリングを握ることとなった。


「BTCCに戻り、Team HARDの古い友人たちと再開できることを喜んでいる。チームがシーズンの終わりにCCを廃止すると発表したタイミングで、こうして電話をもらえたことに縁を感じた。このマシンの最初と最後を担えることも光栄だし、全力を尽くして戦いたい」

2020年からチームに加入したニコラス・ハミルトンだが、直近2戦はエントリーを見合わせている
2013年のデビューイヤーにフォルクスワーゲンCCをドライブしたトム・オンスロウ-コールが3戦限定でチームに復帰

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