18年ぶりリーグ制覇の阪神、球界OBが考えるMVPは？

シーズンを通して４番を守った大山。打線の軸としてチームを支え続けた(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

　阪神は９月14日、甲子園球場で巨人に4-3で勝利し、今シーズンのセ・リーグ優勝を決めた。9月に入り11連勝、２位の広島に13ゲーム差を付けての圧倒的な戴冠劇だ。2005年以来18年ぶり、2リーグ制以降では6回目となるリーグ制覇を果たした阪神では、毎試合様々な選手が躍動しているが、あえてMVPを挙げるのであれば誰になるのか。

【動画】大一番で４番の仕事！優勝を決めた巨人戦、均衡を破る犠牲フライを放った大山悠輔から笑顔がこぼれた場面

　現役時代にヤクルトで守備の名手として活躍した宮本慎也氏がYouTubeチャンネル『野球いっかん！』に出演。14日に公開された動画内で阪神の快進撃を支えたMVPについて「甲乙つけがたい。村上（頌樹）であったり、近本（光司）っていう人もいるし」と悩みながらも、「僕の好みで言うと大山（悠輔）です」と語った。

　宮本氏は「（クリーンアップを）今、佐藤が打ってますけど、打てない時期も結構あって３番も固定されないっていうことを考えたら、大山は（1年間）安定していた」という。前後を打つ打者が固定されない中、4番として出場を続け、近本、中野拓夢という出塁率の高い1、2番をホームまで返す役割を一貫して全うしていた点を評価した。

　大山は怪我をすることなく今シーズン全試合に出場している。身体が丈夫なだけではなく、波が少ないことも大山の魅力と言って良い。月間別の打率を見ると、4月（.301）、5月（.294）、6月（.259）、7月（.257）、8月（.337）、9月（.139）とここ最近調子を落としているが、9月を除けば.250を下回ったことはない。活躍が計算しやすく、岡田彰布監督としても最も使いやすい選手の一人だったと思われる。

　また、今シーズンの大山がひと味違うところは四球の多さだ。現在88四球を奪っているが、大山のキャリアの中では最多。2022年シーズンは59四球、28本塁打を放った2020年シーズンは41四球だったことを考えると、いかにいやらしさが増したのかがわかる。実際、出塁率はリーグ2位の.395をマークしており、ポイントゲッターだけではなくチャンスメーカーとしてもチームに貢献してきた。

　大山は打率.288、14本塁打、67打点と打撃3部門でいずれもトップ5には入っていない。それでも、4番として出場を続けてきた大山は間違いなく、チームを支えてきた立役者と言える。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]