再浮上したF1リバースグリッド案にFIA会長とベッテルが反対を表明

2020年9月19日(土)13時36分 AUTOSPORT web

 FIA会長のジャン・トッドは、F1にリバースグリッドシステムを導入することには反対の立場だ。しかし大半のチームが支持するのであれば、そのコンセプトに異議を唱えることはしないという。


 COVID-19パンデミックによりF1は大幅なカレンダー変更を強いられた。その際、一部レースでは従来の予選の代わりにリバースグリッドを採用したスプリントレースを開催するという案が議題に上がったが、メルセデスとレーシングポイントの反対により全会一致の合意が得られず、最終的には却下された。


 しかし2021年の規則変更に組み込むことは可能であり、リバースグリッド制の導入を強く望むF1のスポーツ担当マネージングディレクター、ロス・ブラウンは、今後も積極的に検討していくと述べている。ブラウンは、波乱の展開となったイタリアGPが、リバースグリッド制に利点があることを証明していると主張した。


「残念ながらその案を進めることはできなかった。しかし今でも我々とFIAは、このコンセプトに今後数カ月をかけて取り組み、来年に向けてチームと話し合いをしたいと思っている」とブラウンはイタリアGPの後で語った。

2020年F1第9戦トスカーナGP決勝スタートシーン

 FIA会長であるトッドは、モンツァでアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが予想外の勝利を挙げたことを喜んではいるものの、コース上でのスリルを人為的に後押しする仕掛けを導入することに、あまり熱心ではない。


「予想外の出来事はスポーツの本質だ」とトッドは『Auto Motor und Sport』に語った。


「だが私はF2とF3で用いられているリバースグリッドが好きではない。あれは私にとってはレースではない。人工的に緊迫感を与えてもうまくいかない」


「私は反対票を投じるだろう。しかし大多数が賛成するのなら受け入れる」


 メルセデスF1チーム代表のトト・ウォルフもリバースグリッドには反対の立場であり、F1は「最高のドライバーとマシンが勝つ実力主義の世界であるべきだ」と主張している。


 フェラーリのセバスチャン・ベッテルも強く反対している。リバースグリッド制を導入するなら、激しい競争を実現するための規則を思いつかなかったと認めることになると、ベッテルは主張する。


「もしその方向へ推し進めるというのなら、それは競争の場をより接戦にし、コース上でより優れたレースを行うためのレギュレーションとツールの作成に失敗したことの証明になってしまう」とベッテルは語った。

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