トヨタ、2年ぶりのホームイベントで今季8勝目を狙う「ヤリスWRCはきっと強さを示してくれる」とラトバラ

2021年9月25日(土)7時15分 AUTOSPORT web

 WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRT。彼らが迎える2021年シーズンの次戦第10戦フィンランドは、北欧フィンランドに本拠を置くチームにとって“ホームイベント”となる。


 昨年の開催中止を経て2019年以来、2年ぶりの開催となる今季の『ラリー・フィンランド』は、本来であれば夏に行なわれる予定だった。しかし、有観客でのイベント開催を実現するため10月1〜3日へと日程が変更されている。


 このラリー・フィンランドにTOYOTA GAZOO Racing WRTは、ドライバー選手権をリードするセバスチャン・オジエ(トヨタ・ヤリスWRC)と同ランキング2位のエルフィン・エバンス(トヨタ・ヤリスWRC)、そして前戦ギリシャで通算2勝目を挙げたカッレ・ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC)の3名で挑み、シーズン8勝目を目指していく。また、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムからは、アーロン・ジョンストンを新しいコドライバーに迎える勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)も参戦予定だ。


 ドライバー選手権では現在、オジエがエバンスに44ポイント差をつけて首位に立っている。前戦アクロポリス・ラリー・ギリシャを“フルポイント・マーク”で制したロバンペラは、エバンスと7点差のランキング4位だ。


 例年と同様にユバスキュラにサービスパークを構えるラリー・フィンランドにおいて、ヤリスWRCはデビューシーズンの2017年から負け知らず。その最初の勝利をマークしたエサペッカ・ラッピも今回、プライベーターチームから参戦しトヨタ・ヤリスWRCをドライブする。


 一方、ワークスチームの3人はいずれもヤリスWRCでのフィンランド戦は初めてとなる。今年のラリー・フィンランドは前述のとおり開催時期が秋となるため、例年よりも気温が低くなる可能性が高く、降雨によって路面が湿ったりぬかるんだりすることも予想される。そのためデータが豊富にあるホームイベントではあるものの、新たなるチャレンジとなる。


 コンパクトなフォーマットが採用された今年の大会は、10月1日(金)に開幕。午前中にシェイクダウンがおこなれた後、午後から競技がスタートし初日はナイトステージを含む6本のSSを走行する。翌2日(土)は5本のステージで合計9SSを戦い、最終日の3日(日)はふたつのステージを各2本ずつ走行するスケジュールとなっている。19本のSSの合計距離は287.11km、リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は1059.64kmだ。

TOYOTA GAZOO Racing WRTの(左から)エルフィン・エバンス、ヤリ-マティ・ラトバラ代表、セバスチャン・オジエ


■母国ラウンドに挑むロバンペラ「ホームラリーは他とは違い、自分にとって特別な存在」


「ラリー・フィンランドは運転が楽しいと感じられるラリーのひとつだ」と語るのは、自身8度目のタイトル獲得に向けて順調に駒を進めるオジエ。


 しかし彼は、「ただし、1年のこの時期の開催となる今回については、これまでとは違うチャレンジになるだろうし、少し難しくなるかもしれない」とすきを見せない。


 ドライバー選手権で2番手につけるエバンスは、今年3年ぶりの出場になるという。


「僕は2019年の大会を欠場しているので、今回は3年ぶりの出場となるんだ。だから、フィンランドのステージをふたたび走れることをうれしく思う」とエバンス。


「この時期は、天候の違いやナイトステージの導入など、新しいチャレンジがいくつかあるので、きっと面白い戦いになるだろう」


 母国凱旋ラリーとなるロバンペラは、「WRカーでラリー・フィンランドのステージを走るのは、自分のキャリアにおいて最高にクールな出来事のひとつになるだろう」と語った。
 
「やはり、ホームラリーは他とは違うし、ラリー・フィンランドは自分にとって特別な存在なんだ。本当に素晴らしく、雰囲気もとてもいいイベントだと思うよ」


 同じくホームラリーを迎えるチームのボス、ヤリ-マティ・ラトバラ代表は、「私自身のホームイベントであるラリー・フィンランドに、今年チームを率いて臨むのは、もちろんこれまでとは違う感覚だ」とコメント。


「フィンランドは素晴らしい雰囲気のラリーですので、とても楽しみにしている。このラリーが10月に開催されたことは過去に例がない。路面のグリップは例年よりも低いだろうし、天気が悪ければさらに滑りやすくなると思う」


「また、ラリー・フィンランドでは1990年代以降行われていなかった、暗闇の中でのナイトステージも興味深い試みだ」


「我々のクルマはフィンランドの道で開発されてきたので、今回もきっと強さを示してくれると思うが、チャンピオンシップにとって重要な局面において油断は禁物だ。カッレ(・ロバンペラ)にとってはホームイベントだし、最近の2回の優勝がきっと追い風になるだろう。もちろん、カッレだけでなく我々のチームの全ドライバーが上位争いをできると思っている」



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