低迷のアヤックス、ミスリンタットFDと契約解消…香川真司や伊藤洋輝らを発掘した敏腕スカウト

　アヤックスは24日、同クラブのフットボールディレクター職（FD）に就くスヴェン・ミスリンタット氏との契約を解消したことを発表した。

　1972年11月5日生まれのミスリンタット氏は現在50歳。これまでに、ドルトムントやアーセナルのスカウト部門に在籍した同氏は、ロベルト・レヴァンドフスキ（現：バルセロナ）やウスマン・デンベレ（現：パリ・サンジェルマン）、香川真司（現：セレッソ大阪）らを発掘。その慧眼は“ダイヤモンド・アイ”と称されるほどで、2019年4月から2022年11月までスポーツディレクター職を務めたシュトゥットガルトでも、遠藤航（現：リヴァプール）や伊藤洋輝といった後にチームの核となる選手を続々獲得していた。

　そんなミスリンタット氏は今年5月、アヤックスのフットボールディレクター職に就任。今夏の移籍市場では、ユリエン・ティンバーやエドソン・アルバレスら主力選手売却で得た資金を元に、ヨシップ・シュタロやボルナ・ソサらを新戦力として迎え入れた。オランダメディア『NOS』によると、今夏に獲得した12選手の移籍金総額は1億1000万ユーロ（約173億7000万円）とのことだ。

　しかし、エールディヴィジ第5節終了時点（アヤックスは1試合未消化）で1勝2分1敗とやや低調な滑り出しになると、24日に行われた第6節フェイエノールト戦では、前半終了時点でまさかの0−3に。本拠地『ヨハン・クライフ・アレナ』で行われたオランダ屈指の名門対決“デ・クラシケル”での失態は、アヤックスのウルトラス（応援団体）の暴徒化という最悪の事態にまで発展。これに伴い、試合は中断となっている。

　そして試合中断後に、アヤックスはミスリンタットSDとの契約解消を発表。クラブ公式サイトは「組織内で幅広い支持を得られなかったことが、この決断の背景にある」とし、またヤン・ファン・ハルスト暫定CEO（最高責任者）も「これまで何度も幅広い支持回復を試みたが、望ましい結果にはつながらなかった。これは不本意な結果によるものでもあり、クラブ内外の動揺にもつながっている」と成績不振による支持率低下が理由であることを明かしている。