表彰台獲得も喜びきれないクアルタラロ。最終ラップの攻防で「弱点がはっきりとわかった」/第13戦インドGP

2023年9月26日(火)8時0分 AUTOSPORT web

 ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)はMotoGP初開催のインドGP決勝レースで3位表彰台を獲得した。ただ、クアルタラロが浮かべた表情は、歓喜ばかりではないように見えた。最終ラップで2位争いを演じたとき、クアルタラロは「自分たちの弱点」が明確にわかったという。


 インドGPのクアルタラロのハイライトは最終ラップに訪れた。7番グリッドからスタートしたクアルタラロは1周目に5番手に浮上し、6周目にマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)、14周目にフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が転倒したことによって3番手にポジションアップした。


 最終ラップに入ったとき、2番手のホルヘ・マルティン(プリーマ・プラマック・レーシング)とは1.5秒近くのギャップがあったが、マルティンが4コーナーではらんだすきにクアルタラロがマルティンの前に出た。しかし、マルティンが5コーナーの立ち上がりでクアルタラロを抜き去る。クアルタラロは最後までマルティンを追いかけ、勝負を仕掛けようとする瞬間もあったが、マルティンへのオーバーテイクは果たされなかった。


 なお、マルティンはレース中にレーシングスーツのファスナーが開くハプニングがあったのに加え、残り8周あたりからは脱水症状によって集中力が切れかけていたという。最終ラップのブレーキングミスも、体調が原因だった。


 3位でフィニッシュラインを迎えたとき、クアルタラロは左手をさっと上げるゼスチャーをした。それはアメリカズGPぶりに3位表彰台を獲得した喜びというよりも、どちらかといえばネガティブな感情──いらだちのような──を表現したものに見えた。確かに、あと少しで今季自己ベストリザルトの2位を獲得できたかもしれないのだから、その悔しさだろうともとれる。ただ、クアルタラロは決勝レース後の会見で、こう語っていたのだ。


「最終ラップ、僕たちの弱点がどこなのかはっきりとわかったよ。だから特にその部分について取り組まなくちゃいけない。来年、前進できるといいんだけどね。僕たちはペースを維持することはできるんだけど、本当の意味で戦うことができないんだ」


 また、MotoGP.comのインタビューに対して、最終ラップのマルティンとのバトルについて、こうも述べていた。


「彼(マルティン)が僕を5コーナーから6コーナーでオーバーテイクしたとき、僕のタイヤの左側はほんとにひどい状態だった。何もできなかった。10コーナーでは入っていくときのグリップもブレーキも本当にひどかった。全然止められないんだ。3位でフィニッシュしたけど、このサーキットのどこでタイムをすごくロスしているのか、僕たちははっきりわかっている。加速、トップスピード、そしてグリップだ。彼らと戦うために、頑張って取り組まないといけないんだ」


 クアルタラロは、最終ラップにバトルを演じたマルティンが駆るドゥカティ デスモセディチGP23が自分たちとは対照的に「グリップがあってロケットのようだった」とも表現した。


 つまりクアルタラロは、現状のヤマハYZR-M1でドゥカティとコース上で「勝負する」ことは難しいと考えている。クアルタラロにとってインドGPの3位は、苦戦が続く今季のなかで2度目の表彰台という好結果だったが、同時にはっきりとした現状の課題が突きつけられる結果になった、ともいえるのかもしれない。

アメリカズGP以来の表彰台獲得となったクアルタラロ

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