マシンバランスに苦悩を抱える中上貴晶「1秒縮めるために相当な改善が必要」/MotoGP第14戦日本GP初日

2023年9月29日(金)20時19分 AUTOSPORT web

 9月29日、2023年MotoGP第14戦日本GP MotoGPクラス初日のプラクティスが栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は18番手となり、予選Q1からのアタックとなる。


 金曜日から開始する走行に先駆けて、木曜日にはプレスカンファレンスが行われた。そこに出席した中上は「体調は去年よりずっといいと思います。今週末は本当に重要な週末になると思うので、競争力を発揮できるように頑張りたいです」と語っていた。


 中上がこう語る理由は、直近2回の日本GPは怪我を抱えながらの参加となっていたが、2023年は万全に近い状態で挑めるからだ。中上とって母国GPということもあるが、より一層の闘志を燃やしているとともに、嬉しさを感じているようだ。そんな中上は、大勢のファンが見守るなかで、約1年ぶりに走りを披露した。

中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2023MotoGP第14戦日本GP 初日


 午前に行われたフリー走行1回目、午後のプラクティスでは序盤に上位に食い込む走りを見せたが、両セッションで終始タイムが拮抗し、順位が目まぐるしく入れ替わる。そんななか、中上は徐々にポジションを下げてしまい、さらになかなかタイムを更新できずにいた。FP1は1セットのみのタイヤを使用して16周をこなすも、トップから1.142秒差の19番手とやや厳しい走り出しとなった。


 午後のプラクティスでは、中上が後に「トップが恐ろしいタイムを出していた」と語るほどに上位勢のタイムが上昇。終盤には1分43秒台に突入し、コースレコードを6年ぶりに更新するライダーも現れた。中上もラストアタックで1分44秒928まで自己ベストを縮めたが、1分44秒台の壁を越えることはできなかった。

中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2023MotoGP第14戦日本GP 初日


「午前のセッションから、特にブレーキングでのバイクバランスがなかなかとれませんでした。(ブレーキングで)バイクも止められないですし、自分の思い通りの姿勢でブレーキングに入っていけず、コーナーにも通常のバイクバランスで自信を持って入っていけていません」


「そこが大きなタイムロスに繋がって、安定して走れていないですし、セッションを通してもずっと同じような症状を抱えているので、かなり乗りにくいです」


 今シーズン苦戦が続いている中でも、今大会はダイレクトQ2進出を目標にしていた中上にとって「結構がっかりです」と肩を落としてしまう初日となった。苦戦を強いられている原因は、ここ数戦で課題となっていた「マシンバランス」だと語った。


 ブレーキングが鍵を握るもてぎだが、ブレーキング時にマシンのバランスが取れない上に安定性が低いという。そのため「グリップも本当は良いのですが、今はリヤのグリップよりも、車体の姿勢自体があまりにも取れていないので、まずはそこから煮詰めて改善していく方向です」と中上。


「今両方ともやってしまうと少し先が読めないので、まずは1番大きな問題を明日の朝までにアイデアを出して、予選までに仕様の違う2台を準備する必要があると思っています」

中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2023MotoGP第14戦日本GP 初日


 また、予選に向けては「Q2に進出するには1分43秒あたりが必要になってくるので、ざっくり1秒ほど上げなければならないと思っています。1分43秒台に入ればいいところには行くと思いますが、ここからの1秒は大きなステップなので、相当改善していかないといけません」とセッション終了後に振り返った。


 苦戦や課題はまだ多いように見受けられるが、母国GPに意欲を見せる中上は、引き続き課題の改善に挑みながらセットアップを煮詰めていく。そんな中上が予選ではQ2進出と、スプリントでは巻き返しを図ってくれることに期待したい。

中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2023MotoGP第14戦日本GP 初日
中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2023MotoGP第14戦日本GP 初日

AUTOSPORT web

「MotoGP」をもっと詳しく

「MotoGP」のニュース

「MotoGP」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ