神戸が“狙い通り”の快勝！　酒井高徳「チームとして共通理解を持っていた」

　明治安田生命J1リーグの第29節が29日に行われ、首位のヴィッセルが神戸が敵地で2位の横浜F・マリノスと対戦。勝ち点1差という状況で迎えた“天王山”を2−0で制し、その差を「4」に広げた。

　試合後、リーグ屈指の攻撃陣を誇る横浜FMを無得点に抑えた神戸のDF酒井高徳は、そのパフォーマンスについて触れられると、「一人で守ったというより、チームで守ったと言える」とコメント。自身のサイドからチャンスを作らせなかったことについては、「なるべく早め早めに対処することで作らせないように意識していた。それは、（高い）ラインと前線の選手の限定によってうまく守れたのかなと思います」と続け、チーム全体の功績であることを強調した。

　また、「後半の最後の方は低くなってしまったけど、前半から高い位置にラインをとってマリノスの前線の選手をオフサイドポジションに持っていくことを意識した。それが（前線の選手の）ストレスになると思ったし、それによって限定できることも多いので、そういった試合展開にもっていこうということは、勇気を持って話していた。前半はそれがうまくできたことで中盤、前線でボールをとりにいくことができたと思っている」と述べ、高いライン設定を勝因の一つに挙げた。

　そして、得点にも結びついたサイドからのクロスについても言及。酒井は「相手の両サイドバックのところで空中戦で勝てたり、数的優位を作れるというのはチームとして共通理解を持っていたし、得点シーンもそうですけど、折り返せる場面が多かったので、今日はファーかなというのは意識していた」と、狙い通りの形だったことも明かした。

　J1リーグも残り5試合となるなかでの貴重な勝利となったが、勝ち点4差となったことについては「あまり気にしていない」としつつ、「勝てたのは大事なことだと思っている」と主張。さらに「5試合残っていて、どんなことも起こり得る状況には変わりない」と語り、「自分たちはひとつ一つ勝っていくことを常に口にしてきた。それを残り5試合やり続けることが自分たちにとって良い結果を残す確率を上げる最良の策だと思っている」との見解を示した。

　前節のセレッソ大阪戦を含め、上位陣相手に結果を残していることで「自信はついている」とも述べ、「そこを出し惜しみせず、残りの5試合をしっかり戦っていきたい」と気を引き締めた。

　なお、ここから天皇杯や代表戦の期間に入るため、神戸の次戦は、10月21日に行われる鹿島アントラーズ戦となっている。