WEC富士:トヨタ、TS050最後の母国レースへ。中嶋一貴「全力で表彰台の中央を狙う」

2019年10月1日(火)12時22分 AUTOSPORT web

 WEC世界耐久選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racingは10月4〜6日、富士スピードウェイで開催される2019/2020年第2戦富士6時間レースに、2台のトヨタTS050ハイブリッドを投入し4年連続となる総合優勝を目指す。


 2012年にスタートした現行シリーズで8シーズン目を迎えた今季、WEC唯一の日本ラウンドである富士戦が初めてシーズン序盤の第2戦として行われこととなった。


 そのWEC富士が母国凱旋レースとなるトヨタは、開幕戦シルバーストンと同様にマイク・コンウェイ/小林可夢偉/ホセ-マリア・ロペス組の7号車と、セバスチャン・ブエミ中嶋一貴/ブレンドン・ハートレー組8号車の2台体制を敷き、昨シーズンから続く連勝を『6』に伸ばすとともに、地元富士での4連覇を狙う。


 しかしトヨタには今回、前戦ワン・ツー・フィニッシュを飾ったことで受けるハンディキャップがのしかかる。


 これは今シーズンから導入された“サクセス・ハンディキャップ”によるもので、具体的には第1戦シルバーストンでのポール・トゥ・ウインによってランキング1位となった7号車に、1周あたり最大1.4秒のハンデが課せられる。また、ランキング2位につける8号車もラップあたり1秒相当のハンデ受けることが決定済みだ。


 TOYOTA GAZOO Racing WECチーム代表の村田久武代表は、このハンディキャップシステムに加え、ライバルのノンハイブリッドLMP1カーに対して車両重量と燃料使用の面でハンデが課されている従来のEoT(イクイバレンス・オブ・テクノロジー=技術の均衡)も重なることから2016年以来、富士では無敗を誇るトヨタTS050ハイブリッドをしても「以前にも増して激しく競いあうレース」になると予想している。

2018年のWEC富士は雨絡みのレースとなった。今季も台風18号の接近が予想されているが……


「多くの母国のファンの皆さまが見守るなか、富士スピードウェイでレースをするのを毎年楽しみにしています」とコメントした村田代表。


「特に、今年はTS050ハイブリッドの日本での最後のレースとなりますので感慨もひとしおです。また、LMP1クラスに今回の富士で初めてサクセス・ハンディキャップが導入されます。そのためご来場いただける方々には、以前にも増して激しく競いあうレースをお見せできると思います」


「ここ富士からほど近いトヨタ東富士研究所のエンジニアたちも多く訪れます。日曜日のワン・ツー勝利を目指し、チーム一丸となって全力で戦います」


 開幕2連勝を狙う7号車の可夢偉も「日本のWECファンの皆さまに富士でお会いできるのが楽しみです」と語り、ハンディキャップを課されることで「いつも以上に厳しい戦いになると思いますが、ベストを尽くして勝利を目指します」と続けた。


 また、富士で過去3勝を挙げている8号車の一貴は「2度目のル・マン勝利と世界チャンピオンを祝ってくれるトヨタ関係者やファンの皆さまと会えるのが楽しみです。その応援を受けて、全力で表彰台の中央を狙います」と抱負を述べている。


 年に一度、ル・マンの猛者たちが“耐久の富士”に集結するWEC富士は10月4日(金)に走行開始となり同日、2回のフリープラクティスが実施される。翌5日は3回目のプラクティスと公式予選が行われ、6日(日)の決勝は11時に6時間レースのスタートが切られる予定だ。


 そんなWEC第2戦富士6時間レースに臨む、TOYOTA GAZOO Racing各ドライバーのプレビューコメントは以下のとおりだ。


●小林可夢偉(7号車)


「また日本のWECファンの皆さまに富士でお会いできるのが楽しみです。ここ数年は日本でもレースをしてきましたから、富士スピードウェイでの経験を多く積んでいますし、好きなサーキットのひとつでもあります」


「ただ、非常に長いストレートと、後半のタイトなレイアウトは、一筋縄では行きません。そして、今大会ではサクセス・ハンディキャップも課されるために、いつも以上に厳しい戦いになると思いますが、ベストを尽くして勝利を目指します。


●マイク・コンウェイ(7号車)


「富士に行くのは本当に楽しみだよ。我々のホームレースだからというだけでなく、これまでに何度も成功を収めてきたコースだからね」


「ハイブリッド・パワートレインを開発してくれた東富士のスタッフに会えるのもうれしいし、いつも最高の歓迎が待っているんだ」


「もちろん、僕たちはシルバーストンでの開幕戦勝利からの連勝を狙っているし、これがTS050ハイブリッドにとって最後の母国レースだということも分かっているから、ファンの皆にとっても格別な週末になってくれることを願っている」


●ホセ・マリア・ロペス(7号車)


「富士は我々にとってル・マンに次いで重要なレースだ。TOYOTA GAZOO Racingのドライバーとして日本でレースするのは、毎回素晴らしい経験になっている。ホームレースということだけではなく、日本のファンの皆からいつも熱狂的な歓迎を受けるんだ」


「LMP1クラスでの戦いは、新たなサクセス・ハンディキャップが用いられる初めてのレースという意味でも注目すべきものになるだろう」


「そして僕たちはとても大きなハンディを受けてレースを戦うことになる。接戦になると思いますが、全力で挑むだけだよ」

WEC“シーズン8”開幕戦シルバーストンを制し、富士で開幕2連勝を狙う7号車トヨタTS050ハイブリッド


●中嶋一貴(8号車)


「富士は私にとって、もちろんチームにとっても常に特別なレースです。私自身、WECで初勝利を挙げた2012年の富士のことは忘れられませんし、その後もチームとともに、母国のファンの皆さまの前で多くの勝利を重ねて来ました」


「2度目のル・マン勝利と世界チャンピオンを祝ってくれるトヨタ関係者やファンの皆さまと会えるのも楽しみです。その応援を受けて、全力で表彰台の中央を狙います」


●セバスチャン・ブエミ(8号車)


「これまで僕たちはホームレースの富士で好成績を残しているので、大きな期待が寄せられていることは分かっているよ。我々は何度も勝ってきたが、僕自身で言えば、富士では最後に勝ってから長い時間が経ってしまっているので、TS050ハイブリッド 8号車とともに有終の美を飾りたいと思っている」


「開幕戦シルバーストンでは7号車が強かったですが、それにより課されるハンディウェイトが富士でどれだけ影響するのか見る必要がある。僕たちもハンディキャップを受けることとなるけれど、それでも充分に速いと期待していますし、勝利を目指しベストを尽くして戦うつもりだ」


●ブレンドン・ハートレー(8号車)


「トヨタのホームレースであり、個人的にも良い思い出の多い富士に行くのが本当に楽しみだよ! 日本の食べ物や文化も大好きなんだ」


「富士のコースも好きだし、パドックなどでファンの皆と会えることも楽しみですし、いつも良い思い出ばかりだ」


「富士のコースは多くの特徴を持ち、他にない個性的なレイアウトだね。特に入り組んだコーナーを持つ最終セクターは独特だ。伝統的なコースレイアウトを持つコースでドライバーは皆、大好きだと思うよ」


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