WTCR第5戦チェコに地元実力者がワイルドカード参戦。ヤン・マグヌッセンも世界戦昇格に興味

2021年10月1日(金)14時33分 AUTOSPORT web

 10月8〜10日の週末にチェコ共和国のアウトドローモ・モストで初開催されるWTCR世界ツーリングカー・カップ第5戦に向け、2017年のFIA ETCC(FIAヨーロピアン・ツーリングカー・カップ)タイトル獲得経験者でもある地元の実力派ドライバー、ペトル・フリンのワイルドカード枠参戦が発表された。フリン自身、地元初開催のWTCRイベントを見逃すことは「考えられないことだった」と意気込みを語っている。


 また、現在は2年目のTCRデンマーク・シリーズに参戦してタイトル争いを繰り広げる元F1ドライバーのヤン・マグヌッセンも、将来的な世界戦への昇格を「熱望している」と、WTCR参戦に向けた野心を明かしている。


 TCR規定で争われた2017年のETCCで年間3勝を挙げ、最終戦チェコを制してカップ戦タイトルを獲得しているフリンは、不動産企業のVEXTA DOMYを含む多くの商業パートナーの支援を受け、ワイルドカード枠から地元開催の世界戦にエントリーすることを決めた。


 そのため、週末に有効ポイントを獲得する資格がなく、10kgの補正ウエイトを搭載した状態でグリッドに並ぶこととなるが、ホームトラックでWTCRに戻る機会は「私にとって絶対に見逃すことのできないものだった」としている。


「アジア圏でのCOVID-19の状況によりWTCRのカレンダーが変更され、モストで代替イベントの1戦が開催されることに気付いたとき、ワイルドカードとしてその場に立つためにすぐに準備を開始したんだ」と明かした現在44歳のフリン。


 今回、グッドイヤーを装着したクプラ・レオン・コンペティションTCRをドライブするフリンだが、普段はモストから80kmほど離れた街を拠点としている。しかし、2020年10月にこちらもワイルドカードとして出場したWTCRレース・オブ・スロバキア以来、国際レベルでのレースを経験していない。


「僕にはグッドイヤータイヤの経験がほとんどない。そしてハンガロリンク戦の後、クプラの補正重量が増えることもわかっているよ」と、不安要素を並べるフリン。


「それに加えて、ワイルドカード枠として追加のバラストを課せられることもね。それでもこうしてWTCRイベントに参加できることをすべての友人やサポーターに感謝したい。日曜の夜にモストを離れる時は、成功を収めるためすべての努力を費やしたと実感できるようにしたいね」


 2018年のWTCRスロバキアでは、旧型のクプラ・レオンTCRをドライブして最終レース3で5位入賞を果たすなど、印象的な活躍も演じた。同じく昨季のスロバキアでは、国際大会で2年間のブランクがあったにも関わらず、レース2で週末最高の11位、レース3で同14位フィニッシュとしていた。

地元の実力派ドライバー、ペトル・フリンが10月8〜10日の週末にチェコ共和国のアウトドローモ・モストで初開催されるWTCR世界ツーリングカー・カップ第5戦にエントリーする
「こうしてWTCRイベントに参加できることをすべての友人やサポーターに感謝したい」と語った現在44歳のフリン
不慮の事故もありながら、現在TCRデンマークで6勝を挙げているヤン・マグヌッセン


■「タルキーニやモンテイロのように、WTCRに参加してタイトル争いをしたいと思っている」とマグヌッセン


 一方、F1で活躍したのちル・マン24時間や北米のIMSAを筆頭に、スポーツカー耐久シーンで活躍を演じてきたヤン・マグヌッセンは、現在2年目のシーズンを戦う地元TCRデンマークでのキャリアを活用し、将来的にWTCRでのスイッチに向け「そのスキルを試すことには、当然の熱意を持っている」との希望を語っている。


 TCRデンマークではLMレーシングに所属し、若手有望株のニコライ・シルベストとともに今季からクプラ・レオン・コンペティションTCRを走らせているマグヌッセンだが、現在48歳の大ベテランはここまで2戦を欠場しながらも、すでに6勝を挙げる強さを発揮している。


 グローバルにカスタマー活動を統括するクプラ・レーシングの最新ニュースレターに対し、4回のル・マン24時間クラス優勝を経験するマグヌッセンは、次のように語っている。


「F1を経験するガブリエレ(ガブリエル・タルキーニ)やティアゴ(・モンテイロ)のように、WTCRに参加してタイトル争いをしたいと思っているんだ。だが今のところのターゲットは、ここ(TCRデンマーク)でタイトルを獲得することになる。僕自身はそれを手に入れることに、完全に集中しているところだよ」


 その他、WTCRに参戦するトップチームの知見が活用された成果として、8月末から9月初旬に中国・成都で開催された『2021チェンドゥ・モーターショー(CDMS)』では、地元ブランドのリンク&コーがWTCRドライバーとチームの成功を祝うロードゴーイングモデル『リンク&コー03+シアンエディション』をラウンチしている。


 同モデルはチームの連覇と2020年のヤン・エルラシェールによる史上最年少のドライバーズタイトル獲得を記念したもので、シアン・レーシング・リンク&コーのオーナー兼創設者クリスチャン・ダールによれば「専用デザインホイールリム、アケボノ製ブレーキ、ミシュランのパイロットスポーツ4Sタイヤ、調整可能なビルシュタインダンパーとカーボンファイバーフロントスプリッター、そしてこちらも調整可能なリアウィングを備えたTCR直系モデルで、出力面でも265HP/380Nmまで増強されている」という。


 この『リンク&コー03+シアンエディション』は、同ブランドで『03』が最多量販モデルとして受け入れられている、中国市場のみでの展開が計画されている。

現在はLM Racing(LMレーシング)に所属するが、彼らとともにCUPRA Leon Competición TCRでのステップアップとなるか
『2021 Chengdu Motor Show(チェンドゥ・モーターショー/CDMS)』でラウンチされた『Lynk&Co 03+ CyanEdition』
アケボノ製ブレーキ、ミシュランのパイロットスポーツ4Sタイヤ、調整可能なビルシュタイン製ダンパーなどを装備する

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