F1 Topic:ロシアGPで下されたチームオーダーに対するボッタスの疑念

2018年10月3日(水)7時0分 AUTOSPORT web

 F1第16戦ロシアGPのレース後、メルセデスのルイス・ハミルトンより先にパルクフェルメに到着したバルテリ・ボッタスは、チームメイトが帰ってくるのを待っていた。それはハミルトンを祝福するためではなく、あることを確認したかったからだ。それは、自分に出されたチームオーダーの理由が本当かどうかということだ。


 今回、ロシアGPでメルセデスが発動したチームオーダーは、ピットストップ直後に3番手に下がったハミルトンが、2番手のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)をオーバーテイクした際に、タイヤに負担をかけたために左リヤタイヤにブリスターが発生したことが大きな理由となっていた。


 ハミルトンにオーバーテイクされたものの、ピッタリと背後に迫るベッテルを見て、メルセデスはハミルトンのブリスターがひどくなることを最も心配していた。そこでハミルトンをボッタスの前に出し、チームメイトにブロック役を担ってもらい、ハミルトンには自分のペースで走ってもらうことで、ブリスターの悪化を抑えようとした。そして、そのことをチーフレースストラテジストのジェームス・バレスからボッタスに直接、無線で伝えられた。


「バルテリ、ルイスのタイヤにブリスターができて、最後まで持たない可能性が出てきた。状況を理解してほしい」


 だから、ボッタスはレース後、ハミルトンがパルクフェルメに帰ってくるのを待ち、『1位』の位置にハミルトンがマシンを停めるや否やハミルトンの左リヤタイヤをのぞきに行った。そして、ボッタスはブリスターを確認した。


 その後、マシンを降りたハミルトンが駆け寄り、肩を叩かれるもののボッタスの顔に笑顔は戻らなかった。なぜなら、ボッタスにはもうひとつの疑念があったからだ。それは、なぜチームが最後にもう一度、ポジションを入れ替えなかったのかということだ。


「どちらが前でもコンストラクターズポイントは43点で変わりない。だから、僕はポジションを戻すことを期待していた」


 しかし、メルセデスはブリスターを抱えたハミルトンが最後まで走りきれるとわかった後も、ポジションを戻すことはしなかった。


「ルイスはタイトル争いをしていて、僕はしていない」(ボッタス)

2018年F1第16戦ロシアGP チームオーダーにより2位となったバルテリ・ボッタス


 そのとき、初めてボッタスは悟った。チームオーダーが出された本当の理由を。だから、FIA会見の後にメルセデスのホスピタリティハウスで行われたチームの会見に出てきたボッタスは、吹っ切れた表情でこう言った。


「もう、すべては終わったことだ。来年、頑張るよ」


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