WRC第12戦ラリーGB:ハリケーンの余波残る2日目、トヨタのタナクが首位浮上。ミークも総合3番手

2019年10月5日(土)11時35分 AUTOSPORT web

 2019年のWRC世界ラリー選手権第12戦ラリーGBは10月4日、SS2〜10が行われ、最後のステージでクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)を交わしたオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合首位に浮上した。総合2番手はセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)、総合3番手はミークで、首位タナクからミークまでは3.6秒差となっている。


 イギリス・ウェールズを舞台に争われているラリーGB。競技2日目となる4日(金)はハリケーン“ロレンソ”の影響で前日夜から強い雨が降り続いたため、路面がぬかるむ難しい状況で争われた。


 前日の3日(木)に行われたSS1で総合首位につけたミークは、ステージ優勝こそ飾らなかったもののSS2〜3ではステージ2位に食い込むなど終始安定したペースで、一時は総合2番手に対し9.2秒のギャップを築いてみせた。


 しかし、そのミークを上回る速さをみせたのがタナクだった。前日のSS1を総合8番手で終えたタナクは、SS2〜3でステージ最速タイムを刻んで総合3番手へ浮上して上位争いに加わる。


 その後ひとつポジションを落とす場面もあったほか、ナイトステージのSS9では配線トラブルでライトポッドが点灯しなくなるアクシデントにも見舞われたが、そのSS9で最速となりミークに0.6秒差まで迫ると、続くSS10でもトップタイム。3.4秒リードで総合首位に浮上した。


「(SS9でのトラブルは)かなりストレスが溜まるものだった」とタナク。


「配線にダメージがあり、SS9でライトにトラブルが出てしまったんだ。SS10へ向かうリエゾン(移動区間)で修理をする必要があった。なんとか解消できてよかったよ」

過去6年の間にラリーGBで5勝を挙げているセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)
ラリーGBがホームイベントとなるクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)は競技終盤まで総合首位を走る力走を見せた


 総合2番手は午後の走行で大きくペースを上げたオジエがつけ、この日唯一のミスはヘアピンでのオーバーシュートだけだったミークが総合3番手で走行を終えた。首位タナクと総合2番手オジエは3.4秒差、オジエと総合3番手ミークは0.2秒差と、この3台は僅差の争いとなっている。

ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)


 総合4番手はティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)で首位とは8.4秒差、直近のライバルであるミークとは4.8秒差だ。


 残るトヨタの1台、ラトバラはSS5終了時点で総合3番手につける走りをみせていたが、SS7にあるクレスト(丘)を越えた着地で体勢が乱れると、左リヤからコース脇の斜面に激突。激しいクラッシュを起こしてしまった。


 ドライバーとコドライバーのミーカ・アンティラに大きな怪我はなかったものの、クラッシュの衝撃はロールケージにまで及んでおり、走行続行は叶わず。ラトバラは大会リタイアを余儀なくされた。

コース脇の溝にはまり、デイリタイアを余儀なくされたエサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)


 またSS6ではエサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)がコース脇の溝に捕まり身動きが取れなくなりデイリタイア。こちらは競技3日目には復帰する予定だ。


 下位クラスのWRC2プロではヤン・コペッキー(シュコダ・ファビアR5)がクラス首位/総合10番手につけたほか、WRC2ではスポット参戦のペター・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)がクラス2番手/総合14番手につけている。


 コペッキーやソルベルグと同じく、R5車両でエントリーしている勝田貴元(フォード・フィエスタR5)はパンクやスピンなどのトラブルに見舞われながらも総合18番手で走行を終えた。


 2019年のWRC第12戦ラリーGB、競技3日目となる5日(土)はSS11〜17までが行われる。

テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)


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