WRC:勝田貴元、高難度のラリーGBを初挑戦で完走。「来年機会があれば先を読んだ戦いができる」

2019年10月7日(月)18時34分 AUTOSPORT web

 トヨタの若手ラリードライバー育成プログラム『TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラム』に参加している勝田貴元(フォード・フィエスタR5)が、10月3〜6日に行われたWRC世界ラリー選手権第12戦ラリーGBに参戦。自身初のラリーGB挑戦となったが、シリーズ屈指の高難度イベントを総合14位で完走を果たした。


 イギリス・ウェールズを舞台に争われるラリーGBは、グラベル(未舗装路)を舞台に争われる1戦だが、この時期のウェールズは天候が不安定で雨も多く、降雨があると路面はぬかるんでいく。


 水を含んで泥状となった路面は滑りやすく、また雨量によってグリップレベルも変化するため、ドライバーにはコーナーごとにグリップレベルを見極めながらの走行が求められる。そのほか霧やナイトステージの暗闇なども、ドライバーを苦しめる要素だ。


 勝田がラリーGBに参戦するのは今年が初めてだが、コドライバーであるダニエル・バリットはエルフィン・エバンスと組んでいた2017年にラリーGBで総合優勝した経験があり、今回はそのバリットの経験が活きたという。


 勝田はラリーGBでできる限り多くの経験を積むためにリスクを避けたアプローチでステージに臨んだが、いくつかのステージではワークスチームが争うWRC2プロや、プライベーターが集うWRC2に匹敵売るようなパフォーマンスをみせた。


 その結果、勝田は総合14位、R5車両のなかでは6位に入る戦いぶりでラリーGBデビュー戦を終えた。


「ラリーGB初出場だった自分にとって、本当にタフな週末でした。すべてが初めての経験でしたので、コンディションに合ったドライビングを見つけなくてはなりませんでした」とラリーを終えた勝田。


「また、毎日がとても長く、集中力を切らさないようにするのは大変でした。簡単なラリーではありませんでしたが、とても楽しめたのも事実です。泥が多く滑りやすい路面ではドリフト走行が有効で、それは自分にとって新しい発見でした」


「この難しいラリーを走りきり、フルに経験を積むことが唯一の目標でしたので、それを実現できたのは非常にポジティブです。今回多くのことを学びましたので、もし来年再び出場する機会があったとしたら、先を読んだ戦いができると思います」


 プログラムのインストラクターを務めるヤルッコ・ミエッティネンも「この難しく特徴のあるラリーで、将来に向けた学びを得るために参戦した。大きなリスクを冒すことなく、高いスピードを保って走り切る事が目標だったが、タカ(勝田貴元)とダン(ダニエル・バリット)は事前に決めた戦略通りに安定した走りを続け、完璧に仕事を遂行した」とふたりの戦いぶりを評価している。


 勝田が挑む次の1戦は10月25〜27日に行われるWRC第13戦スペイン(ラリー・カタルーニャ)だ。シリーズで唯一、大会期間中にグラベルとターマック(舗装路)の両コンディションで争われる1戦で、勝田はトヨタ・ヤリスWRCをドライブする。


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