WRC:トヨタ、ラリーGBで逆転優勝逃すも2台が表彰台。チームランキングでのリード拡大

2018年10月8日(月)11時30分 AUTOSPORT web

 10月7日に行われたWRC世界ラリー選手権第11戦ラリーGB。このイベントに3台のトヨタ・ヤリスWRCを投入したTOYOTA GAZOO Racing WRTは、ヤリ-マティ・ラトバラが総合2位、エサペッカ・ラッピが総合3位とダブルポディウムを獲得する結果となった。


 ラリーGB競技最終日のデイ4はウェールズ北部の森林地帯で3SS、同じく北部スランディドノの海岸沿いを舞台に2SSの計5SSで争われた。このうちスランディドノが舞台のステージはグラベル(未舗装路)ではなく、ターマック(舗装路)で争われた。


 前日、総合首位のセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)と4.4秒差の総合2番手につけていたラトバラは、デイ4最初のステージであるSS19でステージ2位に入り、ギャップを1.7秒に短縮。続くSS20ではステージ優勝を飾り、3.6秒リードでトップに浮上した。

ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)


 しかし、続くSS21〜23ではオジエが連続でトップタイムを刻んで逆転。最終的にラトバラは10.6秒差の総合2位でラリーを終えた。


 総合3番手でスタートしたラッピはSS19でトップタイムを記録するなど活躍し、総合4位と35.3秒差の総合3位を獲得。ラリー・フィンランドから続くチームのダブルポディウム獲得に貢献した。


 前日、ラジエータートラブルでデイリタイアしたオット・タナクはメカニックの手によりマシンが修復されたためデイ4に出走。ステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージのSS20ではステージ2位に入り、ドライバーズランキングで貴重な4ポイントを持ち帰った。最終リザルトは総合19位だった。


 ラトバラとラッピが揃って表彰台を獲得したことで、トヨタはマニュファクチャラーズランキングでのリードをさらに拡大。ランキング2位のヒュンダイとの差を20ポイントとしている。


 ドライバーズランキングでは、タナクが3位に後退したものの、トップのティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)とは21ポイント差。シリーズ残り2戦での逆転戴冠に望みをつないだ。


■「今回に関してはオジエのほうが一枚上手だったようだ」とトミ・マキネン


 チーム代表のトミ・マキネンは「今日、ヤリ-マティ(ラトバラ)は素晴らしい戦いをし、力を出し切って走った。ただし、今回に関してはオジエの方が一枚上手だったようだ」とラトバラとオジエを賞賛している。


「それでも、我々の2台のクルーたちがまたしても表彰台に立てたのはとてもうれしく、マニュファクチャラーズランキングにおいても大きなプラスとなった」


「もちろん土曜日のオット(タナク)のトラブルは残念だし、ドライバーズタイトルの獲得が少し難しくなったのは否めない。しかし、まだ大量得点の可能性はあるし、オットは現在最強のドライバーだから、状況が大きく変わる可能性はある」


「最終戦ラリー・オーストラリアまで、チャンスは十分にあると思っているよ」

エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)
エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)


 ラトバラは「最初の2本のステージは良い結果だったが、その後勢いを失ってしまった。もしかしたら、タイヤ選択を誤ったのかもしれない」とコメント。ラッピは「チームにとって重要なポイントを獲得することができてうれしく思う」と語っている。


 またタナクは「ドライバーズタイトル争いはまだ続いているが、状況はかなり厳しくなった。決して簡単ではないが、最後まで諦めることなくタイトルに挑み続ける」と逆転戴冠へ意気込んだ。


 WRC第12戦はスペイン・サロウを中心に10月25〜28日に開催されるラリー・カタルーニャ(ラリー・デ・エスパーニャ)。この大会はシリーズで唯一グラベルとターマックの両コンディションが混在するミックスサーフェスで争われる1戦だ。

ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)


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