阿部巨人、復活への道 大型補強はもう古い?地道な育成こそ名門復活への近道といわれる理由

2023年10月12日(木)11時50分 ココカラネクスト

V奪回への使命が課せられた阿部新監督(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 3年連続でリーグ優勝を逸し、2年連続4位でクライマックス・シリーズ進出を逃した巨人。夏場以降、巨人軍は常勝であってほしいと願うファンからの悲痛なコメントが、ニュースサイトのコメント欄やSNS上にあふれました。

 しかし令和の時代、果たしてプロ野球で「常勝軍団」の建設は可能なのでしょうか。

【動画】強力なアメリカ打線を手玉に!「正気の沙汰ではない」と言わしめた戸郷翔征のピッチング

 「否」と断言するのは、プロ野球取材歴20年を誇るスポーツ紙デスクです。

「無理ですよ(笑)。セ・リーグ2連覇を成し遂げたヤクルトが今季、最下位争いを演じているのがその証明。巨人ファンは常に優勝してほしいと思いますが、制度的な問題もあって、各チームの戦力は均等になりつつあるんです」

「制度的な問題」とは、いったい何でしょうか。

 前述のデスクはこう続けます。

「一つはドラフトから逆指名がなくなったこと。新監督就任が有力な阿部慎之助さんや前監督の高橋由伸さん、二軍監督の二岡智宏さんに絶対エースだった上原浩治さん、内海哲也さん…一時代を築いた選手はみんな逆指名で入団した選手です。当時は巨人ブランドの威光は強く、待遇面でもダントツ。アマチュアのスター選手はみんな巨人のユニホームを着ることに憧れた。今の選手はそれよりも『風通しの良さ』や『出場機会の多さ』を求めるとも言います。一般学生の就活もそうですから、しょうがないですよね」

 もう一つの理由はメジャーリーグ挑戦が身近になり、一流選手の目標が「FAでの巨人移籍」から「メジャー挑戦」に移行したことです。

「かつては引退後の肩書きで『元巨人』にブランド力がありました。講演の謝礼が倍近く違うとも言われたものです。しかし令和の現在、選手たちは『元メジャーリーガー』のブランドにさらなる価値を見いだしている。『巨人にFAで移籍してガッツリ稼ぎ、引退後もウハウハ』が終着駅ではなくなってしまった。水面下のFA争奪戦で巨人が敗れる例も増えてきました。大型補強は思うようにいかなくなったんです」(前述のデスク)だからこそ、ドラフトで獲得した選手をしっかりと育成することが、チーム強化への『近道』とも言えるわけです。

「FAで獲得した選手は生え抜きよりもいい待遇を得る。すると『なんであいつが』とチームの雰囲気は悪くなる。人間だからしょうがない(笑)。もう乱獲はやめて、地道にドラフトでいい選手を取り、育てるしかないでしょう。近年、巨人のドラフトは上手いですからね。今年も門脇誠がレギュラーになった。ファンも生え抜きの選手の方が思い入れを持ちやすいし、コツコツやっていくしかないんじゃないかな」(前述のデスク)育成の重要さを最も知るのが、二軍監督も務めた阿部新監督であることは間違いありません。

 ならばファンも長期的な視野でその手腕が発揮されることを「待つ」ことも必要と言えるでしょう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

ココカラネクスト

「巨人」をもっと詳しく

「巨人」のニュース

「巨人」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ