防炎性能が向上した新しいグローブをF1トルコGPでテスト。グロージャンの事故後に改善点を調査

2021年10月15日(金)13時36分 AUTOSPORT web

 2020年F1第15戦バーレーンGPをテレビで見た人、もしくは後でテレビやインターネットでリプレイを見た人は、“ロマン・グロージャンの奇跡”のことを決して忘れないだろう。


 グロージャンは決勝レースの1周目に他車と接触後、バリアに激突した。マシンは真っ二つになって爆発炎上し、アームコのバリアを引き裂いた。グロージャンはバリアに激突して最大で67Gの衝撃を受けた瞬間から、炎を上げるマシンから脱出するまでに27秒かかった。


「僕は左右を見たが、左側に火が見えた」とグロージャンは振り返った。「だから『OK、ここで待っているような時間はないな』と言った」


 奇跡的なことに、グロージャンが唯一負った深刻な怪我は、手の火傷だけだった。

2020年F1第15戦バーレーンGP 炎上したマシンから脱出し、救急車に乗るロマン・グロージャン(ハース)


 FIAはこの事故について、何を学ぶことができ、また何を改善できるか調査を開始した。ひとつ明らかなことは、グローブだった。


「ロマンのインシデントによって、この分野について直ちに取り組みを始めた。これが改善できる領域であることをすぐに我々は特定したと思う」とFIAのF1レースディレクターを務めるマイケル・マシは語った。


 第16戦トルコGPの週末には、5人のドライバーが新しく改良された耐火グローブを試用した。


「ドライバーからの最初のフィードバックは、『そうだね、とても良いよ』というものだった。一部のブランドについてはいくらかの微調整が必要な要素があるが、克服できないようなことではない」


 またマシによれば、防炎特性はすでに証明されており、あとはドライバーのつけ心地の問題にすぎないという。マクラーレンのダニエル・リカルドは、新しいグローブを試したドライバーのうちのひとりだった。


「グローブを使ったけれど、違いには気づかなかった」とリカルドは語った。「僕は装備について細かいことにはこだわらないけれど、僕には何の問題もなかったよ。欠点がないものが追加されるのは素晴らしいね」

2021年F1第16戦トルコGP ダニエル・リカルド(マクラーレン)

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