全日本ラリー第8戦:新井敏弘が最終SSで大逆転。「心臓に良くない展開」を制し今季3勝目

2017年10月16日(月)14時35分 AUTOSPORT web

 JRC全日本ラリー選手権は10月14〜15日、第8戦『第45回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2017』が行われ、新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が2017年シーズン3勝目を飾った。


 6月の第5戦モントレー in 嬬恋以来のターマック(舗装路)ラリーとなるハイランドマスターズは、今年で45回目の開催を迎える伝統の一戦。岐阜県高山市を中心に11本のSSが設定され、走行距離は82.45km、総走行距離は372.41kmで争われる。

セレモニアルスタートでの新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)


 デイ1で速さを見せたのは、第4戦若狭ラリーで悲願の初優勝を飾った福永修/齊田美早子(ミツビシ・ランサーエボリューションX)。SS1 Atagasu 1をトップタイムで駆け抜けると、SS3、4で連続トップタイムを記録し、初日を総合1番手で終えた。


 ランキングトップの勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)は安定した走りで福永を猛追。3.7秒差の総合2番手につける。


 一方、新井はSS1のスタート直後にいきなり左フロントタイヤをパンクさせてしまい、後方からの追い上げを強いられる苦しい展開となる。初日はトップから48.7秒差の総合5番手で終えた。


 デイ2は最終SS前のSS10で波乱が起きる。


 順調にトップを快走し、今季2勝目が確実と思われていた福永がステージ4km地点でコースオフし、サスペンションにダメージを負う。そのためペースダウンを強いられ、総合4位でラリーを終えた。


 総合2番手につけ、そのままフィニッシュすればシリーズチャンピオン決定となる勝田も、福永と同じコーナーでコースオフ。総合8位フィニッシュとなり、JN6クラスシリーズチャンピオン決定は次戦に持ち越されることに。

2年連続チャンピオン決定は次戦に持ち越しとなった勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)


 上位2台の脱落により、首位には奴田原文雄/佐藤忠宜(ミツビシ・ランサーエボリューションX)が浮上。その4.7秒後方の総合2番手には、SS6〜10すべてでベストタイムを叩き出している新井が迫っていた。


 そして迎えた最終SS、新井は奴田原を8.7秒上回るトップタイムをマークし逆転に成功。今季3勝目を飾った。


 第7戦ラリー北海道に続き2連勝となった新井は、「心臓に良くない展開でしたが(笑)、うれしい勝利ですね。今日の2ループ目のSS9とSS10では、かなり路面に砂利が出ていました」と語る。

全日本ラリー第8戦、表彰式の様子


 勝田とのチャンピオン争いに踏みとどまったことについては、「今シーズン3勝目で、最終戦までタイトル争いに残ることができて、ホッとしています」としている。


 総合2位に奴田原、総合3位は昨年のハイランドマスターズ覇者である鎌田卓麻/市野諮(スバルWRX STI)が獲得した。

3位表彰台獲得に「予想外の結果ですが、表彰台はうれしいです」と鎌田


 そのほかのクラス、JN4クラスは香川秀樹/澤田耕一(ホンダ・シビックタイプR)が優勝。クラス3位でラリーを終えた曽根崇仁/桝谷知彦(トヨタ86)は、最終戦を前にクラスチャンピオンを獲得。JN1クラスは伊藤隆晃/大高徹也(日産ノートNISMO S)が今季初優勝。クラス2位につけた須藤浩志/新井正和(スズキ・スイフトスポーツ)がクラスチャンピオンを獲得している。


 JN5クラスは川名賢/保井隆宏(シトロエンDS3 R3-MAX)が初日のタイヤパンクを乗り越え逆転優勝、JN3クラスは天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)が今シーズン負けなしの8勝目、JN2クラスは明治慎太郎/北田稔(トヨタ86)が優勝となった。


 JRC第9戦新城ラリーは11月3〜5日に開催。いよいよシリーズ最終戦を迎える。


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