ドーピング陽性で出場停止から4年。MotoGPから離れたイアンノーネが2024年にSBKのTeam GoElevenからレースに復帰

2023年10月18日(水)21時55分 AUTOSPORT web

 10月18日、スーパーバイク世界選手権(SBK)に参戦しているTeam GoElevenは、2024年にアンドレア・イアンノーネを起用すると発表した。彼は2019年にドーピング検査の陽性反応が出て、4年間のレース出場の資格停止を科されていた。


 イアンノーネはロードレース世界選手権で活躍していたイタリア人ライダーだ。125ccクラス、Moto2クラスを経て、2013年にプラマック・レーシングからMotoGPクラスに昇格。その後はドゥカティ・チーム、チーム・スズキ・エクスター、アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニといったトップチームに在籍しており、優勝や表彰台獲得の経験もある。


 ロードレース世界選手権はドーピング検査を定期的に実施しているが、2019年のMotoGP第18戦マレーシアGPでイアンノーネが受けたドーピング検査でタンパク同化ステロイド(アナボリックステロイド)の陽性反応が出たため、レース参戦資格を2019年12月17日付けで暫定的に停止された。


 イアンノーネ自身はドーピングを否定しており、再検査のためBサンプルを提出。世界ドーピング防止機構(WADA)で再検査が行われたが、こちらもAサンプルと同様に陽性反応が出た。

アプリリアで2019年シーズンのMotoGPを戦うアレイシ・エスパルガロ(左)とアンドレア・イアンノーネ(右)


 翌2020年2月4日にはFIM本部で国際懲罰法廷(CDI)によるヒアリングが行われ、3名のCDI委員とイアンノーネが出席して審理が行われた。4月1日にはCDIがイアンノーネに2019年12月17日(暫定停止処分の発効日)から2021年6月16日の18か月間の出場停止処分を3月31日に下したことが発表された。


 しかし、イアンノーネは第18戦マレーシアGP前にマレーシアで摂取した汚染された肉が原因と述べ、無罪を主張。出場停止処分の決定を無効とする異議申し立てをしたが、WADAは禁止物質の供給源が肉の汚染に起因するという必要な基準を確立できなかったという理由で、4年間の資格停止を要求。2023年12月16日までイアンノーネはレース活動を行うことができなくなった。当然2020年のアプリリアでのシートも失っていた。


 そして4年が経過して2024年にはイアンノーネがレースに復帰。Team GoElevenからSBKに参戦してドゥカティ パニガーレV4 Rを駆ることが決まった。


 契約は2024年シーズンの1年間だが、2025年に契約を延長するオプションが付いている。イアンノーネが初めて同チームのマシンを駆るのは、10月31日と11月1日に行われるスペイン・ヘレスでのテストとなる。


 イアンノーネは「長い間、この瞬間を待っていた。人生をかけてきたトラックにようやく戻ってくることができた」と語った。


「ジジ・ダリーニャ、パオロ・チャバッティ、クラウディオ・ドメニカリ、マルコ・ザンベネデッティ、そしてGoElevenの全員の信頼に感謝している。彼らのサポートによって、子供のころに抱いていた熱意を再発見することができた。この機会を与えてくれたWorldSBKファミリーにも感謝している。とても楽しみだよ」

オーストラリアGPで2位表彰台を獲得したアンドレア・イアンノーネ(チーム・スズキ・エクスター)

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