34歳のベンゼマは歴代2位! バロンドール初受賞の最年長ランキング

2022年10月19日(水)16時9分 サッカーキング

バロンドールを初受賞したベンゼマ [写真]=Getty Images

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 今年の世界最高プレーヤーに選ばれたのは、酸いも甘いも知り尽くしたベテランストライカー、34歳のカリム・ベンゼマだった。

 今月17日、レアル・マドリードのFWカリム・ベンゼマがバロンドール賞に選ばれた。1956年に始まった同賞は、以前はヨーロッパ最高の選手に与えられるアワードだったが、今では世界中の選手が対象になっており、まさに世界最高の選手に与えられる栄えある賞だ。

 ベンゼマは、昨季レアル・マドリードで公式戦46試合に出場して44ゴール。自己最高のシーズンを過ごして、ラ・リーガとチャンピオンズリーグの二冠に大きく貢献。そして、その両方の大会で得点王とMVPに選ばれる離れ業をやってのけ、世界最高の選手に選ばれたのだ。

 何より凄いのは、34歳にして過去最高のシーズンを送ったことだろう。そして「34歳10カ月」でのバロンドール受賞は、同賞において歴代2位となる年長記録だという。まだまだ上がいるということだ。それではバロンドール初受賞の“年長ランキング”を見てみよう。

[写真]=Getty Images

■5位 ファビオ・カンナヴァーロ (33歳2カ月) 2006年受賞



 歴代最高のDFの一人に挙げられるファビオ・カンナヴァーロは、2006年に文句なしの受賞を果たした。イタリア代表の主将として2006年のワールドカップに出場したカンナヴァーロは、自慢の“カテナチオ”を披露。全7試合でわずか2失点(うち1点はオウンゴール)という驚異的な堅守を誇り、決勝でフランスをPK戦の末に退けて母国イタリアに4度目の世界王者タイトルをもたらした。

 守備の中心として君臨したカンナヴァーロは、大会MVPこそフランスのジネディーヌ・ジダンに譲ったが、2位となるシルバーボールを受賞。そして同年のFIFA年間最優秀選手に選出されたのだが、なんとDFが同賞を受賞するのは史上初めての快挙だった!

 そしてバロンドールでも、チームメイトのGKジャンルイジ・ブッフォンを抑えて初受賞することに。DFとしては、フランツ・ベッケンバウアー、マティアス・ザマーに次いで史上3人目の受賞となった。やはり、DFにとって経験は宝なのだろう。「33歳2カ月」での初受賞は歴代5位の記録となっている。

■4位 ルカ・モドリッチ (33歳3カ月) 2018年



 2008年から10年間も続いたリオネル・メッシクリスティアーノ・ロナウドによる“二強”の独占に待ったをかけたのが、クロアチア代表のゲームメイカーだった。MFルカ・モドリッチは、2017−18シーズンにレアル・マドリードでチャンピオンズリーグ3連覇を達成。中盤でゲームをコントロールしてチャンピオンズリーグの年間最優秀MFにも選ばれた。

 そしてクロアチア代表のキャプテンとして出場した2018年のワールドカップでは、並み居る強豪を退けて母国を史上初の決勝進出に導いた。ファイナルではフランスの前に屈したが、モドリッチはエデン・アザールやアントワーヌ・グリーズマンを抑えて大会MVPを受賞。さらに同年のFIFA最優秀選手に選ばれると、バロンドールでもロナウドを抑えて初受賞。メッシとロナウドが5回ずつ受賞していた“二強時代”にようやく歯止めをかけた瞬間でもあった。

 その時のモドリッチの年齢は「33歳3カ月」。今回のランキングでは4位となっている。

■3位 レフ・ヤシン (34歳1カ月) 1963年

 歴代最高のゴールキーパーの呼び声高い旧ソ連の守護神は、偉大な記録を持つ。ディナモ・モスクワ一筋でプレーしたレフ・ヤシンは、5度のリーグ制覇に貢献。代表戦などを含めるとキャリア通算812試合に出場し、150本以上のPKを止めたとされており、このPKストップ数は歴代一の記録とも言われている。

 そして9度もヨーロッパ最優秀GKに選ばれたヤシンは、1963年に偉業を成し遂げる。バロンドールの歴史において、史上初にして今のところ唯一となる、GKでの受賞を果たしたのだ。彼の受賞を大きく後押ししたのが、1963年10月に聖地ウェンブリー・スタジアムで開催された記念試合だった。イングランドサッカー協会の創立100周年を祝う「イングランドvs.世界選抜」の試合に出場したヤシンは、度重なるファインセーブで世界中を驚かせた。黒いユニフォームで好セーブを連発したため「ブラック・スパイダー」と呼ばれたという。

 その試合の活躍もあり、ヤシンは「34歳1カ月」でソ連の選手としては初めてバロンドールに選ばれたのだ。

■2位 カリム・ベンゼマ (34歳10カ月) 2022年



 18日の授賞式でプレゼンターのジネディーヌ・ジダンが封筒を開封して「カリム・ベンゼマ」と発表すると、授賞式の会場となったパリのシャトレ座は「カリム」コールに包まれた。ベンゼマは、フランス人としては1998年のジダン以来となる、歴代5人目のバロンドール受賞者となったのだ。

 “黄金のボール”を受け取ったベンゼマは「年齢は数字に過ぎない」と、34歳10カ月での初受賞を祝った。そして「子供の頃からの夢」と語った上で「今の選手たちは、もっと上の年齢までプレーしている。まだ私には燃えるような情熱がある」と、今後も活躍し続けることを誓った。

■1位 スタンリー・マシューズ (41歳10カ月) 1956年

 ベンゼマの言う通り、確かに選手寿命は延びたかもしれない。しかしスタンリー・マシューズの記録を破る者が出てくるとは考えにくい。“ドリブルの魔術師”と知られるイングランドの偉人は、50歳まで現役でプレーを続けた鉄人でもある。イングランド代表(42歳104日)とイングランドのトップリーグ(50歳5日)の最年長出場記録を持つマシューズは、バロンドールでも最年長記録を持つ。

 マシューズは、1955−56シーズンにブラックプールをクラブ歴代最高成績となるトップリーグ2位に導くと、同年5月にはイングランドとブラジルの初対戦の親善試合にも出場。そして『フランス・フットボール』誌が設立した1956年の第1回バロンドール賞の受賞者となったのだ。その時の年齢が「41歳10か月」。ベンゼマがこの記録に並ぶためには、7年後に再び“黄金ボール”のトロフィーを手にしなければならない…。

■バロンドール初受賞の年長ランキング
1位 スタンリー・マシューズ (41歳10カ月) 1956年受賞
2位 カリム・ベンゼマ (34歳10カ月) 2022年受賞
3位 レフ・ヤシン (34歳1カ月) 1963年受賞
4位 ルカ・モドリッチ (33歳3カ月) 2018年受賞
5位 ファビオ・カンナヴァーロ (33歳2カ月) 2006年受賞
6位 ヨゼフ・マソプスト (31歳10カ月) 1962年受賞
7位 アルフレッド・ディ・ステファノ (31歳8カ月) 1957年受賞
8位 パヴェル・ネドヴェド (31歳3カ月) 2003年受賞
*メッシは2021年に34歳、クリスティアーノ・ロナウドは2017年に32歳で受賞しているが、初受賞ではないためランク外。

(記事/Footmedia)

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