田嶋会長、34年W杯開催はサウジ支援の経緯説明 日本立候補「不可能」の理由とは?

2023年10月19日(木)18時25分 サッカーキング

30年、34年のW杯について説明する田嶋会長

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 日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長は19日、2030年に開催されるワールドカップがモロッコ、スペイン、ポルトガルの共催および100周年記念大会としてウルグアイ、アルゼンチン、パラグアイの3カ国で1試合ずつ開催されることで調整されていること、2034年にアジアもしくはオセアニアで開催となるワールドカップにサウジアラビアが単独開催を表明したことについて言及した。

 田嶋会長は、①2030年大会を3カ国で共催で開催すること。②100周年記念大会として南米3カ国で試合を開催すること。③2034年大会をアジア、オセアニアで開催し、2023年内に立候補の意思を表明、2024年7月初めまでにBID BOOKを提出する。の3点をセットで議論して決定することが国際サッカー連盟(FIFA)から提示され、日本としては2カ月ほどで開催の立候補意思を表明するには、「私自身2002年、2022年のワールドカップ招致に関わってきましたが、とても2カ月は不可能」として、断念したと話した。

 セットで議論していくということは「急速だった」(宮本恒靖専務理事)ようだが、断念の大きな理由として、ワールドカップ出場国が48カ国に拡大したことを受け、スタジアムの基準が変わったことがあるという。34年大会に向けて求められているのは、「8万人以上収容のスタジアムが1会場以上、6万人以上収容が2会場以上、4万人以上収容が11会場以上必要で、新たな基準としてすべてに屋根がついていることもある」とのことで、自治体や政府が短期間で決議をして、立候補ができる状態まで持っていくことは、日本という国においては不可能と判断したとこのことだ。

 サウジアラビアをサポートする意思については、19日の理事会で正式決議し、同日中にアジアサッカー連盟(AFC)とサウジアラビアサッカー連盟に送付予定。サウジアラビア支援に回ったことは、「オーストラリアとインドネシアが共同開催でやろうとしていましたが、インドネシアが降りたことで、『AFCとして一つにまとまりましょう』ということになりました。(10月7日、8日にウズベキスタンで開催されたAFCの会合で)宮本専務理事から、日本でのワールドカップ開催の意思をちゃんと言ってもらった上で、でもアジアの連帯、結束のために、今はサウジアラビアを、と言ってくれました」と、会議で日本の立場をしっかりと表明した上で、バックアップすることを決めたとした。

 JFAは『2005年宣言』で2050年までにワールドカップを自国で開催することを目指すとしているが、大会規模は拡大の一途を辿っており、スタジアムなどを整えるには早い段階での気運の醸成も必要になる。自身は会長を退任するため、「次の決定の場にはいない」とした上で、「いろいろな可能性を探る必要がある」と共催の可能性も含めて準備を進め、「今回サウジアラビアのサポートに回ることで、それ(ワールドカップ開催)を狙う近道になると判断した」と、立ち回り含めての判断となったようだ。

 サウジアラビアは今夏にスター選手や逸材と言われる選手たちを軒並み獲得。そして34年のワールドカップ招致立候補と話を進めているが、田嶋会長は私見として、「カタールのワールドカップ成功がかなり意識させていると感じています。冬のアジア競技大会開催も手を挙げていて、何でもできると自負しているし、それが実現可能な国だとも思っている」と、経済力を背景にした攻勢があるとし、FIFAやAFCに対してのアプローチも強まっているとしている。

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