【ドラフト】手術で“3年登板なし”からリーグトップ“防御率0.31”へ 元スーパー中学生の日体大・寺西成騎が吉報待つ

2024年10月23日(水)12時0分 TBS NEWS DIG

今月24日に行われるプロ野球ドラフト会議。日本体育大学の寺西成騎は、3年という長期のリハビリを経てプロ入りを目指す本格派右腕で、各球団の上位指名候補の1人だ。

兄の影響で小学校3年生から野球を始めた寺西。「小学校と中学校時代は上手くいき過ぎていた」と振り返るように、中学3年の時には現在の身長、186cmに到達し、投げては最速141キロを記録。U-15日本代表に選出されて世界一に輝き、”スーパー中学生”とメディアの注目を集めた。「はじめは高卒でプロに行くつもりだった」と話す寺西は、1学年上の奥川恭伸(現ヤクルト)擁する星稜高校に進学し、高校1年生にして甲子園のマウンドを踏むなど高卒でのプロ入りに向けて順調に歩みを進めていた。

そんな寺西の身体に異変があったのは高校2年の夏。「あまりの痛みにキャッチボールも出来ないほどだった。けど試合になるとアドレナリンが出て投げられた」。右肩の痛みの原因は”肩関節唇損傷”。斎藤佑樹さん(元日本ハム)など多くの投手が経験してきた怪我だ。

寺西は高校3年になった4月、「夏の大会には間に合う」という医師の言葉と、春の大会が新型コロナウイルスの影響で中止になったこともあって手術を決断。しかし、結局高校最後の夏の大会で寺西がマウンドに上がることはなかった。その後、日本体育大学に入学するも痛みが出たり消えたりを繰り返しブルペンにも入れない日々が続いたが「気持ちが切れることはなかった」と冷静に振り返る。

その理由は、NPBを経験してきた辻孟彦投手コーチ(元中日)から「1、2年生は投げなくて良い。4年生でピークに持ってきてプロに行こう」と根気強く言われたことで、インナーマッスル等の地道なトレーニングを続けることができたからだ。辻コーチの言葉通り大学3年の春、ついにマウンドに戻った寺西は、丸3年間登板がなかったにも関わらず、首都大学リーグでトップとなる防御率0.31、最多の5勝を挙げてリーグ優勝に貢献した。

卒業後の進路を「プロ一本」に絞る寺西には、既に複数の球団から調査書が届いている。同じ高校の奥川投手との投げ合いも楽しみに待ちたい。

◆寺西成騎(てらにし・なるき)
186cm85kg。右投右打。根上中(石川県能美市)では軟式野球部に所属。侍ジャパンU-15代表に選出されアジア選手権優勝。星稜高校では1学年上に奥川恭伸(現ヤクルト)、山瀬慎之助(現巨人)、同級生に内山壮真(現ヤクルト)。日体大では3年春からリーグ戦に登板し、5勝を挙げ最高殊勲選手と最優秀投手。23年12月、侍ジャパン大学代表候補に選ばれ強化合宿に参加。

TBS NEWS DIG

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