球団OBが今季の日本ハムドラフトを総括 戦力となるのに「数年かかるかも」と 指摘された選手とは

2023年10月31日(火)6時0分 ココカラネクスト

日本ハムで実績を積み上げてきた上沢。そんな右腕に対する米メディアの評価は?(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 現役時代は日本ハムのエースとして活躍、引退後はプロ野球解説者を務める岩本勉氏が10月27日に自身のYouTubeチャンネル「岩本勉チャンネル」を更新。同26日に開催されたドラフト会議における日本ハムの獲得選手について考察した。

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 今年のドラフト会議で日本ハムは、支配下契約5名、育成契約3名の計8名の選手を獲得した。(以下参照)

1位 細野 晴希投手(東洋大)
2位 進藤 勇也捕手(上武大)
3位 宮崎 一樹外野手(山梨学院大)
4位 明瀬 諒介内野手(鹿児島城西高)
5位 星野 ひので外野手(前橋工業高)
育成1位 濵田 泰希内野手(京都国際高)
育成2位 平田 大樹外野手(瀬田工業高)
育成3位 加藤 大和投手(帝京大学可児高)

 注目のドラフト1位だが、初手で日本ハムは西舘勇陽投手(中央大)を選択。

 だが、巨人と競合の末に抽選を外し、獲得とはならなかった。

 続く西舘の”外れ1位”には、高校生ナンバーワン投手と言われた前田悠伍投手(大阪桐蔭高)を選択。

 この前田の指名について、岩本氏は少し驚いたと明かした。

 というのも、今オフ、日本ハムは、ポスティングシステムによるメジャーリーグ移籍を目指す上沢直之投手と国内FA権を獲得した加藤貴之投手の、左右の先発2枚看板が”同時放出”の危機を迎えている。

 そのため、周囲からは、即戦力投手の獲得が第一と見られてきた。

 そういった状況の中で、第一に即戦力としての働きが期待される西館の指名は、順当ともいえた。

 だが、続く前田は、全国で一、二を争う強豪校で1年生ながらベンチ入りを果たし、センバツ優勝など甲子園での活躍があったほか、U-18W杯で優勝へ貢献する投球をみせるなど高校生ナンバーワンの呼び声があるとはいえ、即戦力としての働きを期待できるかは未知数。

 これについて岩本氏は、「会議の中で前田投手を獲得したいという意見が強かったんだと思う。欲しい選手は欲しい」とした上で、十分な将来性を加味した上での指名だったのではと自身の見解を示した。

 しかし、この前田も、楽天・ソフトバンクとの競合の末、獲得とはならず。

 結果的に日本ハムは3度目の正直でロッテとの競合を制し、ドラフト1位指名で細野の交渉権獲得を果たした。

 最速158キロを記録した“剛速球左腕“の細野は、今春の東都リーグで最高殊勲選手、最優秀投手、最優秀防御率、ベストナインの投手4冠に輝くなど、注目を集めた。

 実際に細野の投球映像を見たという岩本氏は「ダイナミックやね」と表現。粗削りとした上で「もしかしたら(一軍の舞台には)数年かかるかも」という見解を示した。プロでは同じ左腕で西武からメジャーに渡った菊池雄星(現ブルージェイズ)を彷彿とさせるとしながらも、細野に関しては課題に制球難も指摘されている。岩本氏も伸びしろは十分とした上で、日本ハムの育成手腕に期待を託した。

 また細野に続く2位には上武大のキャッチャー・進藤、そして3位には山梨学院大の外野手・宮崎を獲得した。

 今季の日本ハムでは、正捕手をめぐって昨オフにオリックスからFA移籍してきた伏見寅威を筆頭に、中日から移籍してきた強打の捕手、アリエル・マルティネス、中日からトレードで加入した郡司裕也などがしのぎをけずった。外野手枠でも松本剛や万波中正らが存在感を示したものの、両ポジションとも、岩本氏いわく「伸び悩み」の選手が多くいると見る。進藤・宮崎の加入は、既存の若手・中堅選手たちに大きな刺激を与える存在になると、チーム全体の底上げにも期待した。

 果たして、今年獲得した8名の選手から、未来のチームを背負うスター選手は現れるのだろうか。今後の各選手の成長曲線も楽しみにしたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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