全日本JSB1000、7年ぶりに新チャンピオン誕生へ。王者候補は6人

2017年11月1日(水)12時40分 AUTOSPORT web

 11月4〜5日、鈴鹿サーキットで2017 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第9戦『第49回 MFJグランプリ スーパーバイクレース in鈴鹿』が開催される。全日本ロードレース選手権の最終戦となるこの一戦。混迷を極めるJSB1000のクラスのタイトル争いが、ついに鈴鹿で決する。


 まず注目したいのがチャンピオン争い。現在、自力でチャンピオン獲得が可能なのはランキングトップの津田拓也(ヨシムラスズキMOTUL)、ランキング2位の高橋 巧(MuSASHi RT ハルク・プロ ホンダ)、ランキング3位の渡辺一馬(カワサキ・チームグリーン)の3人だ。


 どのライダーがチャンピオンとなっても初のJSB1000クラスでのタイトル獲得。さらに、JSB1000クラスにおいて新チャンピオンの誕生は、2010年の秋吉耕佑(現au&テルル・Kohara RT)以来実に7年ぶりとなる。


 2010年、2011年は秋吉が連覇、そして2008年、2009年、2012〜2016年と7度ものタイトルを獲得した中須賀克行(現ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム)が長く王者として君臨していた最高峰クラス。ついに2017年、新チャンピオンが誕生する。


 現在のランキングトップである津田は、2017年シーズン6回の表彰台を獲得し、155ポイントでランキングリーダーとして最終戦を迎える。今年はアレックス・リンスの代役として、MotoGPデビューも果たした津田。2017年シーズンでJSB1000クラス参戦は5年目となる。悲願の戴冠となるだろうか。


 一方、同じく悲願の初タイトルに十分な望みを残しているのが高橋である。高橋と津田の差は僅かに6ポイント。高橋は今季の序盤で2勝を挙げているほか、スーパーバイク世界選手権(SBK)にもスポット参戦した。新たな経験を積んだ高橋が、最終戦でどのようなレースを見せるか。


 さらに、チームを移籍して1年目となる渡辺一馬の躍進にも期待がかかる。2017年からチームもバイクも変わり、渡辺にとって心機一転の年となったであろう今季だが、堅実にポイントを稼ぎトップの津田とは11ポイント差。2レースともに優勝すれば自力でのチャンピオン獲得が可能だ。


 全日本ロードレース選手権最終戦となるMFJグランプリでは、JSB1000クラスは2レースの開催。レース1は8周で超スプリントレース、レース2は20周で通常のスプリントレースとなる。周回数の異なる2レースに、それぞれどのような戦略で挑むのかがポイントのひとつだと言えるだろう。


 最終戦にはボーナスポイント3が加算されるため、両レースとも制すれば最大で56ポイントを獲得することができる。チャンピオンシップの大逆転も十分に可能なのだ。計算上で考えれば、第8戦岡山終了時点のランキングで6位につける濱原颯道(ヨシムラスズキMOTUL)までにチャンスがあることになる。


 レースではなにが起こるかまったくわからない。2016年シーズン最終戦のST600クラスでは、それまで16ポイント差でランキング6位につけていた榎戸育寛(モトバム・ホンダ)が大逆転勝利でタイトルを手にしたこともある。


 現在ランキング4位の藤田拓哉(ヤマルーブ・レーシング・チーム)、ランキング5位の野左根航汰(ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム #5)、ランキング6位の濱原も、上位陣になにかあればタイトルを手にする可能性はある。


 さらに、後半戦に入って第7戦オートポリス、第8戦岡山で連勝し、調子を取り戻しつつある中須賀の存在も大きい。中須賀が本来の実力を発揮し上位争いを展開すれば、レース、そしてチャンピオンシップの行方はさらに混迷を極めるだろう。


 また一方で、エントリーリストにも注目したい。最終戦には、伊藤真一、柳川明、アラン・テシェの出場が決定した。伊藤は2017年の鈴鹿8時間耐久ロードレースにチームSuPドリーム・ホンダからの参戦。チームSuPドリーム・ホンダはホンダへパーツを供給するサプライヤー16社が結集して立ち上げたチームで、今回の全日本ロードレース選手権最終戦も同チームからの出場となる。


 また、2017年シーズンにカワサキ・チームグリーンのコーチ兼ライダーとして活躍する柳川、TSRホンダで2016年世界耐久選手権(EWC)ルマン24時間レースにおいて3位表彰台を獲得したアラン・テシェらにより、レースはさらなる盛り上がりを見せるだろう。


 ついに2017年チャンピオンが決定する全日本ロードレース選手権最終戦。開催クラスは最高峰クラスであるJSB1000を含めた全クラスだ。J-GP2クラスを除き各クラスともチャンピオン決定を鈴鹿に持ち越しており、熱戦が繰り広げられることは間違いない。今季最後のレースは、11月4日に予選、11月5日に決勝が行われる。


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