「あのひと振りで流れが傾いた」甲子園初戦で痛恨の黒星を喫した阪神 球界OBは同点被弾をポイントと指摘

2023年11月1日(水)12時18分 ココカラネクスト

頓宮の一発がオリックスに流れを持ってきたと佐藤氏はいう(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 10月31日、日本シリーズ第3戦が甲子園球場で行われ、オリックスが阪神を5-4で下し、オリックスが対戦成績を2勝1敗とした。中盤までに5点を奪ったオリックスが最後は1点差で逃げ切った。阪神は先発の伊藤将司が4失点、打線も好機であと1本が出ず、本拠地初戦を落とした。

【動画】頓宮裕真が会心の同点ソロホームラン!日本シリーズ第1号で流れを呼び込んだシーンの映像

 2回、阪神は大山悠輔、ノイジーが安打で出塁すると、併殺崩れの間に大山が還り先制。しかし、4回のオリックスの攻撃でこの日、「4番・ファースト」で出場した頓宮裕真が伊藤のストレートをとらえ、バックスクリーン横へのソロホームランで同点に追いつく。

 さらにオリックスは5回に先頭の紅林弘太郎、若月健矢が連打で無死ランナー1・3塁とすると、廣岡大志の内野ゴロの間に1点が入り逆転に成功する。その後もバント処理時での伊藤のエラーでランナーが進み、宗佑磨の長打が飛び出し、この回に一挙4点を加えた。

 オリックス先発の東晃平は阪神打線を5回を1失点でしのぎ救援陣に繋いでいる。3番手の山岡泰輔が3点を奪われるも、宇田川優希、平野佳寿がリードを守り、追いすがる阪神を振り切った。

 大声援の中、阪神も最後まで逆転のチャンスを作るなど、9年ぶりとなる日本シリーズの本拠地初戦は好ゲームが繰り広げられている。しかし、2戦目に敗れている阪神は、満を持して送り込んだ伊藤がオリックス打線につかまったことが誤算だった。かつて、指導者として阪神のペナント制覇にも貢献した球界OBからも、失点の場面での投球に対するコメントが寄せられている。

 阪神の2003年リーグ優勝時に投手コーチを務めた佐藤義則氏がYouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』を11月1日に更新した。その中で佐藤氏はゲーム展開を振り返りながら、伊藤が頓宮に同点ホームランを浴びたピッチングについて言及している。

 カウント2−0から、2球連続で空振りさせた後ストレートを打たれ、ホームランになった場面に佐藤氏は「2ストライクと追い込んでからのホームラン。何で空振りしているか。頓宮は真っすぐのタイミングで1・2・3で振っているから」と説明。

 2ボールから伊藤が投じたツーシームの2球に対し、泳ぐようなスイングでの空振りが続いた後、ほぼ同じコースに143㎞の直球を投げ込むも、スタンドに運ばれている。

「2球とも同じ所への同じボールを空振りしている。その次の球は(バッテリーが)裏をかいたのか真っすぐを投げ、それをしっかり振られホームランになった。頓宮の真っすぐを待つ気持ちが勝っていた」と佐藤氏は打者を称えるコメントも述べた後、「頓宮は変化球を打つ気はなかった。空振りのスイングをみて、“真っすぐ待ち”であることを感じて欲しかった」と指摘。「あのひと振りでオリックスに流れが傾いた」とターニングポイントとなるホームランだったと語っている。

 また、阪神にとって5回に喫した3失点も大きかったと佐藤氏は振り返っている他、オリックスには「見にみえないファインプレーもあった」として、2回のゴンザレス、6回の宗佑磨とそれぞれ大量点を防ぐことに繋がる内野ゴロへの対応を挙げていた。

  阪神は先制しながらも本塁打を浴び同点、さらに守備でのミスも絡んで追加点を奪われるなど、本拠地での勢いに乗りきることが出来ずに終わった。黒星が先行し迎える4戦目、シーズンでの戦いを選手全員で表現することが出来るか。この連敗をきっかけにここからもう一度、仕切り直しとなる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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