WEC:8号車トヨタ、ライバルを圧倒する走りで2連勝。2位入賞のポルシェが戴冠確定

2017年11月5日(日)19時6分 AUTOSPORT web

 WEC世界耐久選手権第8戦上海は11月5日、6時間の決勝レースが行われ、TOYOTA GAZOO Racingの8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ中嶋一貴/アンソニー・デビッドソン)が総合優勝を飾った。総合2位につけた2号車ポルシェ919ハイブリッド(ティモ・ベルンハルト/アール・バンバー/ブレンドン・ハートレー)が最終戦バーレーンを残して2017年のドライバーズタイトルを確定させている。


 全9戦で争われる2017年のWEC第8戦目。戦いの舞台となる上海国際サーキットは、大きく回り込むコーナーが複数存在することからタイヤに厳しいコースとして知られる。
 
 そんな上海で4日(土)に行われた予選では、走行初日のフリープラクティス1回目からすべてのセッションでトップタイムを記録している7号車トヨタTS050ハイブリッドがポールポジションを獲得。迎えた5日(日)決勝は映画俳優のジャッキー・チェン氏によるグリーンフラッグ振動でフォーメーションラップが開始された。
 
 スタート直後、アール・バンバー駆る2号車ポルシェが8号車トヨタのブエミを交わして3番手に浮上するも、およそ4分後にブエミが再逆転に成功する。グリッド順位に戻したブエミはスタートから22分、アール・バンバー駆る2番手の1号車ポルシェも交わし、トヨタがレース序盤にワン・ツーを築いた。
 
 しかし、わずか5分後、トップを走る7号車トヨタのホセ-マリア・ロペスがG-ドライブ・レーシングの26号車オレカ07・ギブソンと接触、スピンを喫して3番手に後退。8号車トヨタが新たなリーダーとなっていく。
 
 スタートから30分を過ぎた頃、7号車トヨタの猛追を受けていた2番手の1号車ポルシェが電気系トラブルによりスローダウン。順位を4番手に落とすとともに、1分以上のタイムを失うこととなってしまった。
 
 8号車と7号車がふたたびワン・ツー体制を築いたトヨタはその後、5分間のフルコースイエローが導入されたレース序盤からLMP2やLM-GTEアマクラスの接触が相次いだ中盤へと展開が移っていくなかで、ピットストラテジーの差で度々順位を入れ替えながらも2台揃って安定したペースを重ね、3、4番手に後退したポルシェ勢を徐々に引き離していく。

8号車トヨタTS050ハイブリッド
電気系トラブルで遅れを取った1号車ポルシェ919ハイブリッド


 レース終盤には3番手の2号車ポルシェを周回遅れにして盤石の態勢を築いたかにみえたトヨタ勢だったが、チェッカーまで残り40分を切ったタイミングでほころびが生じる。


 総合首位を走行していた7号車トヨタが13コーナーでLM-GTEプロクラスの91号車ポルシェ911 RSRをイン側からオーバーテイクしようとしたところ、2台は側面同士激しく衝突させてしまう。
 
 ロペス駆る7号車トヨタは自力でピットまで戻ってきたものの、左リヤの足回りを損傷させた影響でガレージでの修復作業を余儀なくされてしまった。このアクシデントによってLMP1クラスの順位は首位8号車トヨタ、2番手2号車ポルシェ、以下1号車ポルシェ、7号車ポルシェと変化。最終的にこの順位は変わらず各車がチェッカー受けたことで8号車トヨタが前戦富士に続く2連勝、今季通算4勝目を飾っている。
 
 なお、チャンピオンシップ争いでは、ランキングトップの2号車ポルシェが3位以内でフィニッシュすれば最終戦を前に王者が決まる状況のなかで2位となったため、ベルンハルト/バンバー/ハートレー組のドライバーズタイトルが確定した。マニュファクチャラーズタイトルの決定は最終戦に持ち越されている。
 
 レース中盤から終盤にかけて多くの接近戦が繰り広げられたLMP2クラスは、ポールスタートのヴァイヨン・レベリオン、31号車オレカ07・ギブソン(ジュリアン・キャナル/ブルーノ・セナ/ニコラス・プロスト)が今季3勝目を飾り、クラス3位に入った僚友13号車オレカとともにダブル・ポディウムを獲得した。
 
 クラス2位はシグナテック・アルピーヌ・マットムートの36号車オレカ07・ギブソン。ランキングトップで母国ラウンドを迎えたジャッキー・チェン・DCレーシングは終盤の表彰台争いに破れクラス4位となると同時に、ランキングトップの座も31号車オレカに譲っている。

今季3勝目を飾り、1ポイント差でランキングトップに浮上した31号車オレカ07・ギブソン/ヴァイヨン・レベリオン
WEC上海スタートシーン。7号車トヨタTS050がPPからホールショットを決めた。


 LMP2と同様に多くの接近戦を展開したLM-GTEプロクラスでは、フォード・チップ・ガナッシ・チームUKの67号車フォードGT(ハリー・ティンクネル/アンディ・プリオール)が開幕戦シルバーストン以来の2勝目をマーク。ポルシェGTチームの91号車ポルシェ911 RSRがクラス2位、AFコルセの51号車フェラーリ488 GTEが同3位に続いた。
 
 LM-GTEアマクラスではアストンマーチン・レーシングの98号車アストンマーチン・バンテージ(ポール・ダラ-ラナ/ペドロ・ラミー/マティアス・ラウダ)がポール・トゥ・ウインを達成している。
 
 澤圭太を擁するクリアウォーター・レーシングの61号車フェラーリ488 GTEは、3番手で迎えたセカンドスティントの序盤、スタートから1時間20分を迎える直前に1コーナーで3台が絡むアクシデントに巻き込まれポジションダウン。マシンの修復作業を行なったことでクラストップから6周遅れのクラス4位での完走となった。
 
 WEC次戦、最終戦バーレーン6時間は2週間後の11月16〜18日に行われる。




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