YS横浜、松本珠奈コーチとの契約満了を発表「優しく見守って下さり本当にありがとうございました」

　Y．S．C．C．横浜は8日、松本珠奈アスレティックパフォーマンスコーチとの契約満了に伴い、2023シーズンの契約を更新しないことを発表した。

　現在37歳の松本コーチは、ドイツのブレーメン出身。同国やアメリカでフィットネストレーナー、パーソナルトレーナーなどの資格を取得し、独1部ヴェルダー・ブレーメンの陸上部、右代啓祐（日本記録保持者十種目競技）、駅伝JR東日本など、バレーボール、陸上、バスケットボール、サッカーなど多くのプロ・アマ競技選手のアスレティックパフォーマンスコーチとして活躍してきた。

　2020年シーズンからYS横浜のアスレティックパフォーマンスコーチに就任。就任当時の登録名は「松本瞬」だったが、今年1月に自身のTwitter（Shunismus）でMtFトランスジェンダーを公表し、今季から登録名を「松本珠奈」に変更していた。

　松本コーチは発表に際し、YS横浜のクラブ公式サイトを通じて次のようにコメントした。

「YSファミリーの皆様。いつも温かい応援ありがとうございます。私は今シーズン限りで退任することになりました」

「3年前にサッカー経験の少ない私にユウキ（シュタルフ悠紀リヒャルト現AC長野パルセイロ監督）が声をかけてくれ、新たな取り組みにも前向きな吉野代表はじめクラブ、現場スタッフ、選手には本当に感謝しています」

「コロナ直前での就任、無観客の中でのデビュー、トレーニングの工夫等通常でない流れの中、常に全力で進みました。結果を思うように出せない悔しさに悩まされながら、常に監督が求めていることを意識して、任務に取り掛かりました。仕事をしながら、選手・スタッフとドイツ語でコミュニケーションをとることができとても助かりました」

「このクラブに呼んでくれたユウキが去年クラブを去った時も残る決意をしました。監督も変わり今シーズンに挑みましたが、満足な結果を出す事が出来なかったのは心残りです。今週のホーム最終戦での声だし応援を経験できることを楽しみにしています」

「今年の改名及びカミングアウトでショックや驚かせた方もいたと思いますが、それでも優しく見守って下さり、いつも支えて下さったスポンサー企業、サポーター、クラブ、ボランティアスタッフの皆さん本当にありがとうございました」

「いつも熱い応援、気さくに声をかけてくれた、サポーターの皆様ありがとうございました。無観客でのデビューだったからこそ本当にサポーターの皆様の応援がどれだけ有難い事なのか分かりました。今後も応援よろしくお願い致します。3年間の経験は私の財産です。本当にありがとうございました」

　YS横浜は12日の明治安田生命J3リーグ第33節ガイナーレ鳥取戦がホーム最終戦。20日に敵地での最終節いわきFC戦を予定している。