今年こそ地元で優勝! トヨタ、WRC復帰2年目のラリージャパンで2023シーズン9勝目を狙う

2023年11月11日(土)7時30分 AUTOSPORT web

 WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)は、11月16〜19日に愛知県豊田市の豊田スタジアムを拠点に開催される2023年シーズン第13戦『ラリージャパン』に、トヨタGRヤリス・ラリー1の4台体制でエントリーしている。


 最高峰クラスでシリーズ共通仕様のハイブリッドシステムを搭載するラリー1カーを駆るのは、前戦セントラル・ヨーロピアン・ラリーで2年連続となるシリーズチャンピオン獲得を決めたカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組、同ペアとタイトルを争ったエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組、通算8回ワールドチャンピオンに輝いたセバスチャン・オジエと、2022年のラリージャパンからオジエとコンビを組むヴァンサン・ランデ、そしてTGR WRCチャレンジプログラムによる出場となる勝田貴元/アーロン・ジョンストンの計4組だ。


 なお、勝田組もほかのペアと同様にTGR-WRTからの参戦となるが、マニュファクチャラーズポイントの対象となる車両が規定により1チーム3台までとなっているため、これに含まれない非ワークスノミネートとなっている。


■最終戦を前に各タイトルは決定済み。残すはジャパンでの勝利


 ヤリ-マティ・ラトバラが率いるトヨタチームは今シーズン、3年連続となる“三冠”を達成。前述のとおり第12戦セントラル・ヨーロピアン・ラリーで、ロバンペラ/ハルットゥネン組がドライバー選手権とコドライバー選手権の両タイトルを獲得し、それ以前にマニュファクチャラーズタイトルも手中に収めている。このため日本でのシーズン最終戦では、選手権争いはランキング2位以下の順位を確定させる戦いとなる。


 しかしTGR-WRTにはまだ達成できていないことがる。それは昨年果たすことができなかったトヨタの“ホームラリー”での優勝だ。本州初開催となった2022年のラリージャパンでTGR-WRT陣営は相次ぐアクシデントやトラブルに見舞われ、最終的にTGR-WRTネクストジェネレーションからの参戦となった勝田が最上位の総合3位となり、母国ラリーで表彰台を獲得した。


 あれから1年、愛知・岐阜での行われるターマック(舗装路)イベントは2年目を迎え、ラリーの拠点となる豊田スタジアムに競技場内に特設コースが造られるなどパワーアップ。SSの数は前年から3つ増えて全22本となり、距離は304.12kmに。リエゾン(ロードセクションとも言う移動区間)を含めた総走行距離は958.95kmとなっている。

2022年WRC第13戦ラリージャパンの様子


■タイトル争いが決した今、選手たちは自由にラリーを戦い優勝を目指すことが可能


 豊田スタジアムで行われるステージも含めスーパーSSの本数が倍増している今大会だが、大部分のステージは2022年と同様に山岳地域で実施される。ラリージャパンのコースの特徴は、ツイスティなコーナーが連続し非常にテクニカルであること。一方で道幅が広く緩やかな中高速コーナーが続くセクションもあるため、選手たちはスピードとリズムの変化にうまく対応する必要がある。


 また、この時期の山間部は早朝の気温が低いため、とくに午前中のステージではタイヤをうまく発熱させないとグリップを得るのが難しい。昨年のように雨が降った場合はなおさらだ。


 ラリーは11月16日(木)から走行開始となり、鞍ヶ池公園でのシェイクダウンと豊田スタジアム内でのセレモニアルスタートに続いて、同地でのスーパーSS(SS1)で競技がスタートする。翌日から本格的なラリーが開始され、イセガミズ・トンネル(SS2/5)、イナブ・ダム(SS3/6)、ステージ後半区間が変更となっているシタラ・タウン(SS4/7)という3つのステージを各2回走行したのち、豊田スタジアムで2度目のスーパーSS(SS8)が行われる。


 18日(土)のデイ3はヌカタ・フォレスト(SS9/13)、レイク・ミカワコ(SS10/14)、オカザキ・シティSSS(SS11/12)、シンシロ・シティ(SS15)、トヨタ・スタジアムSSS3(SS16)という5ステージで計8本のSSが実施される。このうち、シンシロ・シティと一日の最後のスーパーSSは1回のみの走行だ。


 競技最終日、日曜のデイ4はアサヒ・コウゲン(SS17/22)、エナ・シティ(SS18/20)、ネノウエ・コウゲン(SS19/21)を各2回走る。アサヒ・コウゲンでの最終ステージは、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスポイントが付与される“パワーステージ”に指定されている。


 この4日間の戦いに先駆け、チーム代表であるラトバラはTGR-WRTのドライバー全員が優勝に向けて強い意欲を見せていると語った。


「いよいよチームは素晴らしいシーズンのフィナーレを迎える。3つのすべてのタイトルを獲得した今、残された明確な目標は、我々にとってふたつあるホームイベント(チームの拠点があるフィンランドと、トヨタのお膝元である日本)のうちのひとつ、ラリージャパンで優勝することだ」


「昨年、日本のファンの前で(勝田)貴元を表彰台に立たせることができたのはとても素晴らしいことだったが、貴元だけでなく全員が優勝に強い意欲を見せている。今年もまた4人のドライバー全員が出場するが、彼らはもうチャンピオンシップのことをまったく気にする必要がないため、自由にラリーを戦い優勝を目指すことができる」


「ターマックでのラリーは2戦連続となるが、日本の道は前戦セントラル・ヨーロピアン・ラリーとはまったく違うので簡単ではない。また、規則によってラリー前にテストをする機会がないため、クルマのセットアップを日本の道に合うように最適化する必要がある」

4台体制でトヨタの“ホームラリー”に臨むTOYOTA GAZOO Racing WRTのGRヤリス・ラリー1

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