岩佐歩夢、ポイント獲得ならず。レースは30分以上の赤旗を挟む荒れ模様に【FIA F2第14戦 レース1】

2022年11月19日(土)22時39分 AUTOSPORT web

 11月19日、2022年FIA F2第14戦ヤス・マリーナのスプリントレース(決勝レース1)がアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開催され、レッドブル育成のリアム・ローソン(カーリン)が今季4勝目を飾った。ホンダ&レッドブル育成の岩佐歩夢(ダムス)は13位でポイント獲得ならず。佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)は19位でチェッカーとなった。


 2022年シーズンのFIA F2は本大会で最終戦を迎えた。ランキング9位で迎えた岩佐は、今大会終了時点でシリーズランキング4位以上に浮上できれば、スーパーライセンス発行に伴うポイント条件クリアが可能という状況。そんななか、岩佐は予選で最速タイムをマークし、フィーチャーレース(決勝レース2)のポールポジションを獲得。スプリントレース(決勝レース1)は10番手からスタートすることとなった。


 第14戦の決勝レース1のグリッドは、18日に行われた予選トップ10のリバースグリッドで決定され、予選で10番手タイムを記録したリチャード・フェルシュフォー(トライデント)がポールシッターとなった。フロントロウ2番グリッドにはレッドブル育成のローソンが並んだ。


 セカンドロウ3番グリッドにアムーリ・コルデール(ファン・アメルスフォールト・レーシング)、4番グリッドにレッドブル育成のデニス・ハウガー(プレマ・レーシング)。5番グリッドにウイリアムズ育成のローガン・サージェント(カーリン)、6番グリッドにアルピーヌ育成のジャック・ドゥーハン(ビルトゥジ・レーシング)が続いた。


 現地時間16時20分(日本時間21時20分)から行われたフォーメーションラップを経て、気温29度、路面温度39度。西陽が差し込むなか、23周の決勝レース1はスタートを迎えた。


 上位勢は順位変動なくターン1を通過。しかしターン2に差し掛かったところ、後方で大きなアクシデントが発生する。


 12番手スタートのユアン・ダルバラ(プレマ・レーシング)と13番手スタートのエンツォ・フィッティパルディ(チャロウズ・レーシング・システム)が絡み、2台は勢いそのままタイヤバリアにクラッシュ。ふたりとも自力で車両を降りたが、タイヤバリアの損傷が激しく、これで1周目に赤旗が掲示されレースは一時中断となる。


 大勢のコースマーシャルの懸命なバリア修復作業を経て、赤旗導入から約32分後の現地時間16時57分、日没も迫るなかレースは3周目よりローリングスタートで再開された。


 なお、トップ4はスタートから変わらず。5番手に今季王者のフェリペ・ドルゴヴィッチ(MPモータースポーツ)、6番手サージェント、7番手ドゥーハン、8番手ロイ・ニッサニー(ダムス)、9番手テオ・プルシェール(ARTグランプリ)、10番手マーカス・アームストロング(ハイテックGP)、そして岩佐は1ポジション落とし、11番手からレース再開を迎えた。


 ローリングスタートということで、リスタート直後は順位の変動はなく進む。しかし、4周目に差し掛かると、早めにタイヤのウォームアップ(熱入れ)を済ませた車両がペースアップ。そんななか、岩佐は4周目のターン6でフレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)にかわされ12番手に後退する。


 6周目よりDRSが使用可能となると、岩佐はユーリ・ビップス(ハイテックGP)にもかわされ13番手に後退。岩佐はポイント圏内から大きく離れてしまったが、7周目にはトップ集団と遜色ない1分39秒台までペースを上げる。


 10周目、ヤス・マリーナ最大のオーバーテイクポイントのターン6でローソンがフェルシュフォーをオーバーテイクし、トップに浮上する。一方、2番手に下がったフェルシュフォーの背後にはコルデールが急接近。さらに4番手のハウガーまでが5秒以内という数珠繋ぎとなるなか、レースは後半に突入した。


 徐々に各車のギャップが開くなか、5番手ドルゴヴィッチがハウガーに接近。17周目のターン8でハウガーを攻略し、4番手に浮上する。


 一方、ローソンはフェルシュフォーとのギャップを約2秒まで広げ、19周目に突入。一方、2番手フェルシュフォー、3番手コルデールが1分41秒台までペースダウン。そんななか、終盤も1分39秒〜41秒前半をキープするドルゴヴィッチが2台に接近。


 コルデールのDRS圏内に入ったドルゴヴィッチは21周目のターン5で、ブレーキをロックしたコルデールをかわし3位に浮上。2022年シーズン王者の貫禄を見せつけた。


 23周目、ローソンが7.9秒の圧倒的なリードを築いてトップチェッカーを受け、今季4勝目を飾った。また、ローソンはファステストラップの1ポイントも獲得している。2位にフェルシュフォー、3位にドルゴヴィッチが続いた。


 岩佐は13位でポイント獲得ならず。また、佐藤は一時16番手までポジションを上げるも、22周目に起きたファン-マヌエル・コレア(ファン・アメルスフォールト・レーシング)との接触で後退。19位でチェッカーとなった。


 続く、FIA F2第14戦ヤス・マリーナのフィーチャーレース(決勝レース2)は20日の日本時間18時00分(現地時間13時00分)から行われ、岩佐はポールポジションから、佐藤は22番手からそれぞれスタートを迎える。日本勢ふたりの2022年シーズンの集大成となる走りに期待したい。


■FIA F2第14戦ヤス・マリーナ スプリントレース(決勝レース1)暫定結果





































































































































































Pos.No.DriverTeamTime/Gap
15L.ローソンカーリン23Laps
220R.フェルシュフォートライデント7.943
311F.ドルゴヴィッチMPモータースポーツ8.803
41D.ハウガープレマ・レーシング14.937
525A.コルデールファン・アメルスフォールト・レーシング15.449
66L.サージェントカーリン15.938
73J.ドゥーハンビルトゥジ・レーシング16.501
816R.ニッサニーダムス17.313
910T.プルシェールARTグランプリ17.579
107M.アームストロングハイテックGP17.968
119F.ベスティARTグランプリ19.213
128J.ビップスハイテックGP22.031
1317岩佐歩夢ダムス24.162
1412C.ノバラックMPモータースポーツ27.095
1524J.コレアファン・アメルスフォールト・レーシング33.164
1621Z.マロニートライデント33.860
1714O.コルドウェルカンポス・レーシング34.034
1815R.ボシュングカンポス・レーシング36.430
194佐藤万璃音ビルトゥジ・レーシング58.710
2023T.カルデロンチャロウズ・レーシング・システム1’14.890
2J.ダルバラプレマ・レーシングDNF
22E.フィッティパルディチャロウズ・レーシング・システムDNF


ファステストラップ:リアム・ローソン(カーリン) 1分39秒292/7周目 191.471km/h

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