F1ラスベガスGP初日の対応をめぐり、リバティ・メディアなどに対する集団訴訟に発展。補償の“商品券”も問題視

2023年11月21日(火)12時12分 AUTOSPORT web

 アメリカ・ラスベガスの法律事務所は、F1第22戦ラスベガスGPがフリー走行1回目を終了し、その後3万5000人のファンをサーキットから退出させたことを受け、同レースを相手取って集団訴訟を起こした。


 ラスベガスGPの木曜日、フリー走行1回目のセッションは開始からわずか9分後に中断された。カルロス・サインツ(フェラーリ)のマシンが緩んだウォーターバルブカバーに当たり、重大な損傷を負ったためだ。セッションはその後中止され、ラスベガスGPのメンテナンスクルーは、コース上にあるすべてのウォーターバルブカバーとマンホールの確認を行った。

2023年F1第22戦ラスベガスGPフリー走行1回目 赤旗中断後、マンホールの蓋の確認作業が行われていた 


 フリー走行2回目は現地時間で午前0時に開始される予定だったが、コース点検を完了するために同セッションのスタートは午前2時半まで延期された。一方、コースで仕事をしていた労働組合に所属する警備スタッフは、FP2が始まる前に勤務を終えた。セッション中にコースの公共エリアの警備や物流をサポートする人員がいなくなったため、すべてのグランドスタンドを含む公共エリアを閉鎖し、観客を帰宅させることが決定された。


 この補償として、木曜遅くから金曜にかけての1日券所有者には、F1敷地内のグッズショップで使用できる200ドル(約2万9836円)の商品券が配られた。F1とラスベガスGP主催者は、この24時間に状況を説明する複数のプレスリリースを発表したが、ファンに対し正式な謝罪を行うまでには至っていない。


 土曜日、ラスベガスを拠点とする『ディモプロス法律事務所』と共同弁護を行う『JKリーガル&コンサルティング』は、木曜フリー走行のチケットを購入した3万5000人のファンを代表して、ネバダ地方裁判所に訴訟を起こしたと発表した。訴訟を起こされて被告となったのは、F1ハイネケン・シルバー・ラスベガス・グランプリとして事業を行っているリバティ・メディア・コーポレーションと、『TAB Constractors, Inc.』だ。訴訟では、被告らによる契約違反、過失、不正取引があったと主張されている。


「(その補償には)多くの問題がある」とスティーブ・ディモプロスは土曜日に『Reuters』に語った。


「(200ドルの商品券が)十分な払い戻しではないことは明らかだ。おそらく多くのファンはそれすら望んでおらず、返金を求めている」


「市外から訪れるために、多額の航空運賃とホテル代を払った人々はどうなのかといった問題もある」

2023年F1第22戦ラスベガスGP フリー走行2回目は無観客で行われた

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