侍ジャパンのアジア連覇で見えた”ショート不足”問題の解決策 2人の若き侍の台頭で懸念解消へ

2023年11月22日(水)5時30分 ココカラネクスト

門脇と小園は今後の侍ジャパンメンバーにも割って入ってくるかもしれない(C)Getty Images

 11月19日、「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」の決勝が行われ、日本が韓国を4-3で下して連覇を達成した。決勝戦は序盤に2点を先制される苦しい展開だったが、5回に牧秀悟のソロホームランで空気は一転する。6回に先頭の万波中正が二塁打を放ち、続く門脇誠が送りバントを決め、佐藤輝明の犠牲フライで同点に追いつく。1ヒットで1点をもぎ取る日本らしい得点パターンを見せた。

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 それ以降は両者無得点となり、10回延長タイブレークに突入。無死一、二塁の状況で吉村貢司郎が先頭のキム・ドヨンを併殺打に打ち取るが、ユン・ドンヒにセンターに運ばれて勝ち越しを許してしまう。

 その裏の攻撃で無得点なら敗戦が決まる危機的状況のなか、井端弘和監督は今大会打率.455と絶好調の森下翔太に代えて古賀悠斗を代打として起用。プレッシャーがかかる場面で古賀は見事に初球でバントを成功させ、同点、さらにはサヨナラのシチュエーションを演出。イケイケムードの侍ジャパンは牧が申告敬遠で歩かされ、坂倉将吾が犠牲フライを打って同点。そして、門脇が三遊間を割ってサヨナラ勝ちを収めた。

 井端監督の初陣となった今大会は、日本野球の強さを改めて感じさせたが、それだけではなく大きな収穫を得た大会となった。

 今シリーズで特に躍動した選手に、小園海斗とMVPを受賞した門脇の2人のショートが挙げられるだろう。小園はショートとして全4試合に出場しており、いずれの試合でもヒットを放つなど打率.412とチームを牽引。セカンドとして出場した門脇も全4試合でヒットを打って打率.400と好成績。シーズン後半から打撃の状態を上げていたが、今シリーズでもパフォーマンスの高さを発揮した。小園と門脇が侍ジャパンとして頼もしいプレーを見せた意味は大きい。

 現在、侍ジャパンのレギュラーショートは源田壮亮である。源田は現在30歳で次回のWBCが開催される3年後には33歳。34歳の坂本勇人が今季、ショートからサードへのコンバートしたことを考えると、3年後に侍ジャパンのショートとして戦えるのか不安がないとは言えない。

 また、WBCでショートのバックアップとして選出されていた中野拓夢は、今季からセカンドにコンバートしており、今後の侍ジャパンにおけるショート不足が懸念されていた。そんな中で小園と門脇が結果を残した姿を見ると、そうした不安は杞憂だったようにも感じる。

 今回、門脇はセカンドで出場したが、“A代表”を選出した場合には牧がセカンドとして出場する可能性が高い。小園と門脇、さらには左手第4指手根中手関節炎のために代表入りを辞退した紅林弘太郎もおり、若い選手の侍ジャパンでのレギュラーが過熱するかもしれない。そうなってくれば、しばらくは侍ジャパンのショートは安泰と言って良いだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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