不発悔やむS広島RのFW髙橋美夕紀、「ブレない」ストライカーの決意

2023年11月24日(金)18時21分 サッカーキング

S広島RのFW髙橋美夕紀 [写真]=WE LEAGUE

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 サンフレッチェ広島レジーナは23日、WEリーグ第3節でちふれASエルフェン埼玉をホームに迎え、0−2で敗れた。WEリーグカップ女王として初のホームゲームには過去最多の2,227人が入ったが、サポーターに勝利を届けられず、リーグ開幕2連敗を喫した。

 試合終了直後、決定機を逃したFW髙橋美夕紀はピッチで悔しそうにうつむいていた。「立ち上がりから決定的なシュートが3本あったのに、そこで決めきれなかったのが敗因。本当に反省している」。ストライカーは敗戦の責任を一身に背負っていた。

 最初の決定的なシーンはキックオフ後すぐに訪れた。開始2分、髙橋は相手のクリアミスを奪ってペナルティエリアに抜け出すと、GKと1対1になったが、シュートは好セーブに阻まれた。直後の3分にはDF近賀ゆかりのロングパスを受けてエリア右から思い切り良くシュート。12分には右サイドからループシュートで相手ゴールを脅かし、スタンドを沸かせた。

 開始12分でシュート3本。髙橋は普段からシュート意識が高いが、今節はいつも以上に気合が入っていた。「(前節の)AC長野パルセイロ・レディース戦は全然シュートを打てなかったし、打つ場面がなかったので、自分でシュートを打つことでリズムを作っていく気持ちでやっていた。試合の入りからガンガンいけたので、そこは良かったところとして次につなげたい」

 相手は5バックで自陣に引いて守ってきたが、S広島Rは試合の立ち上がりからチャンスを作った。1つのゴールが試合の流れを変えてもおかしくなかった展開。だからこそ、最前線で戦う髙橋は誰よりも責任を感じていた。

「試合の入りから相手を押し込めた状態の中で、自分はシュートも打てていた。それを決めていたら、今日は負ける試合じゃなかったと思う。(相手に)引かれてもシュートを打つチャンスは作れていたし、そこはこれまでやってきている部分なので、あとは決め切るというところを自分が責任を持ってやっていかないといけない」

 S広島Rは主導権を握って攻め続けたが、相手の固い守備や粘り強さに苦戦し、攻撃も単調になっていった。後半はS広島Rのミスが目立ち、相手に流れを許して2失点。髙橋も前半の序盤以降はシュートを打てず、「自分もボールを引き出せなくなった。一人ひとりの距離が遠くなった時にピッチ内でどう修正できるかが大事だと思う」と振り返った。

「相手が修正してくる中で、自分たちは外で回すばかりだった。そこでクロスまでいけたら良かったけど、そうじゃない時にもっと自分がボールを引き出せたなと思う。後ろにもっと『ボールをちょうだい』って言うのもそうだし、孤立していてもボールをもらって一対一だったら仕掛けたいから、もっとボールを引き出す動きを増やしていくのが反省点です」

 ストライカーとして悔しいホーム開幕戦となった。だが、次の試合は中2日でやってくる。「落ち込んでも次が来るのは決まっている。下を向くのではなく、今日のことをうまく糧にしていかないといけない。次に勝つことだけを考えて、今日の悔しさは1回忘れて次につなげていきたい」と切り替えて前を向く。

 次節は26日に大宮アルディージャVENTUSとのアウェイゲームに臨む。髙橋にとっては古巣との対決だ。「まずは目の前の試合に絶対に勝たないといけないので、気持ちで体を動かして戦う」と気合を入れ直し、「決め切れずにチームに迷惑をかけたので、次はその分を取り返すつもりでゴールを決めたい」と意気込む。

 決定機を逃した悔しさを晴らすのはゴールしかない。「(シュートを)外してはいるけど、打ち続けていきたい。最後は気持ちだと思うのでブレずにやっていく」。勝利に導くゴールを決めるために、髙橋は挫けずシュートを打ち続ける。紫のストライカーの決意は固い。

取材・文=湊昂大

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