ダニエル・エレナがWRCからの引退を発表。ローブとともにシリーズ9連覇達成の名コドライバー

2021年12月1日(水)12時27分 AUTOSPORT web

 WRC世界ラリー選手権の歴史において、もっとも成功したコドライバーであるダニエル・エレナが、自身のキャリアに終止符を打つことを表明した。これによりセバスチャン・ローブとエレナのパートナーシップはラリーレイドでの別れに続き、WRCでも終わりを迎えることとなった。


 ソーシャルメディア上で行われたこの発表は、1998年に始まった彼らのパートナーシップに終止符を打つものだ。ローブとエレナの名コンビは180回に上るWRC出場のなかで79回の優勝と119回の表彰台獲得、そして2004年から2012年にかけて達成された“前人未到”のシリーズ9連覇を成し遂げている。


 無敵を誇ったシトロエン時代を過ごした後、彼らは一度WRCから退いたが、その後ヒュンダイ・モータースポーツから複数回のスポット参戦を果たし、そのプログラムも2020年シーズン末をもって終了した。


 ふたりは同時期にラリーレイド・カテゴリーに挑み2017年のダカールラリーで総合2位、2019年は総合3位となり2度の表彰台を獲得してみせた。しかし、リタイアに終わった2021年大会の終了後、所属するBRX(バーレーン・レイド・エクストリーム)と提携するプロドライブの意向もあり、この競技でのコンビは解消されることとなった


 今回の発表はそれに続きWRCでのパートナーシップ解消を意味するものだ。


 彼らは今年、フランスの国内選手権でふたたびラリーに出場したが、エレナは家族との時間を過ごすときが来たことを認めている。


「僕はページをめくっている。他のことに集中したいんだ」と語ったエレナ。


「来年には50歳になるため、同時にふたつのことに集中することはできない。僕にとってレースの準備をするモチベーションはなんだろうか? それは大きな情熱も持つ男から来ていた」


「僕たちはそれについてすべて話し合った。我々は“大きな男の子”であり、友情は変わらない。僕たちはクルマの中でも外でも友人だからね」


 長年にわたりエレナと行動をともにしてきたローブは、Mスポーツ・フォードの新型WRCマシン『フォード・プーマ・ラリー1』をテストしており、“ハイブリッド時代”を迎える2022年にWRCへ復帰する可能性があると囁かれている。彼は復帰の可能性がエレナとの会話を意味することを認めた。


「我々は一緒に決断を下した。僕たちがそれについて議論したのは、将来的にはいつくかのラリーに参加することになるだろうが、その際に必ずしも一緒に参加するとは限らないからだ」


「ダニエル(・エレナ)は家族や子供たち、彼のショップで過ごす時間が増えることだろう」

2018年WRC第12戦スペインで同コンビ最後の優勝を飾ったセバスチャン・ローブとダニエル・エレナ

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