巨人・戸郷翔征 菅野の穴埋める!来季2ケタ貯金だ「僕がやらなかったら、来年の優勝はない」

2024年12月3日(火)5時0分 スポーツ報知

シーズン中、菅野(右)を追いかけるようにダッシュする戸郷

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 巨人の戸郷翔征投手(24)が2日、海外フリーエージェント(FA)権を行使してメジャー移籍を目指す菅野の穴を埋め、エースの称号とも言える自身初の2ケタ貯金を果たすことを誓った。「菅野さんの穴っていうのは大きい。それを分けるんじゃなくて僕がやらなかったら多分、来年の優勝はない」と心境を吐露。オフは以前から取り組んでいるボルダリングで指先を強化し、絶対的エースへと上り詰める。

 背番号18から受け継がれたエースとしての心得を、戸郷は継承する覚悟を示した。今季15勝(3敗)を挙げた大エース・菅野が海外FA権を行使してメジャーに挑戦する。来季はその穴を埋め、今季成し遂げられなかった日本一をつかむ。「菅野さんの穴っていうのは大きい。僕はまだ貯金を10個つくったことがないですし、菅野さんみたいに12個もつくる、そこの難しさはあります。ただ、それを分けるんじゃなくて僕がやらなかったら、来年の優勝はないと思う。気持ちも入りますし、それだけの成績を僕が出せれば他の子たちが楽になるから。責任感も増えるけど、自信はあります」と、あえて自分に大きなプレッシャーをかけた。

 エースの称号とも言える高いレベルでの2ケタ貯金。平成以降で2ケタ貯金を達成したのは10人で計17度(斎藤雅4度、上原3度、菅野3度)ある。直近3度(19年山口、20、24年菅野)は、いずれもリーグVに直結している。戸郷は今季4つ、最多でも7つ(23年12勝5敗)しか貯金をつくったことがない。海を渡る先輩の姿に「自分の夢を追いかけてほしいけど、あんまりいない想像ができていない」と語る一方で「ここまで一緒にいて、いろいろと教えてもらった。寂しい気持ちももちろんありますけど、引き継いでいかないといけない」。エースとして突き抜けた数字を残し、チームを引っ張るという覚悟も継承していく。

 貯金を増やすためにも、異種トレーニングでさらなる強化を目指す。東京五輪のスポーツクライミング女子複合銅メダリストの野口啓代さんをテレビで見て「筋肉がすごいなって。体をしっかり使えて、もっと安定するためにいいと思った。けがをしないところにも生きると思う」と2年前のオフからボルダリングを行っている。体全体の筋肉を使えるだけでなく「指先が使えて感覚がすごい良くなる。指の筋力も上がるし、フォークの精度を高めるためにもいい」と語る。「今季はフォークもムラがあった」という右腕。フォークの安定、さらに1年間しっかりと投げ切る体の筋肉を鍛えるためにも、例年以上に力を入れて取り組む予定だ。

 今季は主にエース級が並ぶ金曜日を任され、援護が少ない中、一発の重みや粘り切ることの大事さを改めて感じた。「今年みたいに防御率が1点台で、ここから負けの数がなくなれば、おのずと勝ち星も増える。その形は今年見えたので、それはすごい楽しみだなって思う」。苦しい時こそ粘り勝つ絶対的エースへ—。さらなる進化を遂げる。(水上 智恵)

 ◆今季の戸郷 自身初の開幕投手を務めた3月29日の阪神戦(東京D)で6回無失点で初勝利。前半戦はエース級がそろう金曜日に主に登板。5月24日の阪神戦(甲子園)では自身初、プロ野球89人目、101度目のノーヒットノーランを達成した。後半戦も8月8日の広島戦(東京D)、同14日の阪神戦(東京D)で2戦連続の完封勝利を挙げるなど躍動し、26登板で12勝8敗、防御率1.95。

スポーツ報知

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