【コラム】スパレッティ監督がもたらした復活劇…首位インテル、強さの理由は“一丸”

2017年12月6日(水)19時5分 サッカーキング

セリエAで首位に立つインテル [写真]=LightRocket via Getty Images

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 インテルがついにセリエAで首位に立った。2016年1月、当時のロベルト・マンチーニ政権時以来、実に23カ月ぶりとなる。また、第15節を終えて勝ち点39というのもマンチーニ監督が率いていた2006−07シーズンと同じ数字で、いかに今シーズンのインテルが素晴らしいかが分かる。ちなみに06−07シーズンはインテルがスクデットを獲得した年だ。昨シーズンと比べてみると、その差がはっきり分かる。1年前は11位で勝ち点は21と18ポイントも開きがあった。

 首位だったナポリがユヴェントスに負けた翌3日のキエーヴォ戦は、インテルの力が本物であると証明した。イヴァン・ペリシッチのトリプレッタ(3得点)、そして守備陣からはミラン・シュクリニアルのヘディングゴール、さらにネッロ・アズーロの“原動力”マウロ・イカルディもしっかりと得点を記録。5−0と大勝で、首位を祝った。イカルディはインテルで161試合94得点とクラブ歴代最多得点記録の10位に。同じ94得点のマリオ・コルソ氏は502試合と考えると、イカルディの得点力の方が完全に上だ。9位のエルマノ・アエビ氏は106得点となっており、今のイカルディのペースであれば今シーズン中にアエビ氏の記録に並ぶか、または追い抜くことも可能だ。ちなみに8位は123得点のクリスティアン・ヴィエリ氏となっている。イカルディは15試合で16得点と絶好調で、今シーズンもチーロ・インモービレ(ラツィオ)らとセリエA得点王争いを引っ張っている。

 ルチアーノ・スパレッティ監督がインテルを見事に生まれ変わらせた。終盤に失点するパターンを繰り返し、ピッチ上で自信を持てない選手たちがいる昨シーズンまでのインテルの姿はない。サイドバックや3列目は完全に選手が固定されているわけではないが、同監督はそんなプレーヤーたちにもモチベーションを与え、精神的にも一丸となり「自分たちでインテルを作り上げる」という強い気持ちを持たせることに成功した。キエーヴォ戦で先発したアンドレア・ラノッキアは「監督は全員に同じ態度で接してくれる。彼には兄弟の優先順位がない。監督にとって、どの選手も同じインテルの選手なんだ」と、ファミリーに例えてスパレッティ監督の公平さに感謝した。そして「長い間、このクラブにいるが、こんなに結束しているのは今まで見たことがない」と、チームが一丸となったパワーを実感している。

 日本代表の長友佑都に代わり、ここ3試合コンスタントに出場しているダビデ・サントンもスパレッティ監督の力で“復活”した選手だ。キエーヴェ戦ではペリシッチの先制点をアシスト。19歳の時、ジョゼ・モウリーニョ監督から「第2のパオロ・マルディーニ」と絶賛されたサントンも、インテルに戻ってきてからはなかなかプレーする機会がなかった。しかしながら、ここに来て再び調子を取り戻してきている。長友とサントンについてはまた別の機会にコラムで取り上げることにして、次節は9日にイタリア・ダービーだ。負けなしのインテルに対し、常勝軍団のユーヴェがどう戦うのか。上位争いがますます面白くなってきた。

文=赤星敬子

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