【ACL準決勝展望】イニエスタが万全ではない神戸…“無失点”が勝利の条件か
2020年12月12日(土)19時0分 サッカーキング
蔚山現代の攻撃陣の層の厚さは今大会ナンバーワン
12月13日に行われるAFCチャンピオンズリーグ東地区の準決勝は、ヴィッセル神戸と蔚山現代の対戦になった。神戸は準々決勝の水原三星戦に続く、2試合連続での“日韓対決”。中2日で選手がどこまで回復できているかが一つのポイントになりそうだ。
準々決勝の神戸と蔚山現代は、対照的な勝ち上がりとなった。2012年大会以来2度目のACL制覇を目指す蔚山現代は、ともに無敗でここまで勝ち上がってきた中国の北京国安と対戦。激しい攻防が続くなか、21分にブラジル人FWジュニオール・ネグランが自ら得たPKのチャンスを決めて先制に成功すると、42分には再びネグランが強烈なミドルシュートで追加点を挙げ、2−0で快勝した。
1998年から2年間、神戸でプレーした元韓国代表キム・ドフン監督が指揮を執るチームは今大会、グループステージを含む8試合で19得点と、圧倒的な攻撃力で準決勝まで駒を進めてきた。ネグランに加え、元韓国代表MFユン・ビッカラムと195センチのノルウェー人FWビヨルン・ヨハンセンの3人が、4ゴールを挙げている。攻撃陣の層の厚さは今大会ナンバーワンと言っていいだろう。
イニエスタはベンチスタートか
一方の神戸は、準々決勝で水原三星と戦った。今大会3度目の対戦という難しさがあるなかで、開始早々の7分に失点。水原三星の激しいプレッシングに苦戦を強いられた。
しかし、38分に水原三星のDFキム・テファンがレッドカードで退場になると、そこで得たフリーキックのチャンスを古橋 亨梧が沈めて同点に。その後は数的優位となったものの延長に入っても追加点が奪えず、結局、PK戦で7−6という辛勝となった。
ラウンド16で負傷したアンドレス・イニエスタがほぼ欠場(113分から出場)だったとはいえ、1人少ない水原三星から追加点が奪えなかった点は、準決勝を戦ううえで、やや不安が残る。山口 蛍も「(1人少なくなり)守りを固めてきた相手から、どうやって点を取るかという課題が残った」と話している。
だが、一発勝負の決勝トーナメントで最優先されるのは、内容ではなく勝利という結果。そういう意味では、水原三星戦はポジティブに捉えるべきだろう。むしろ、古橋が「チームが一つになって戦えている」と話すように、準々決勝の勝利でチームの結束は強まったと言えるかもしれない。
ただ、水原三星戦を見る限り、準決勝の蔚山現代戦もイニエスタはベンチスタートが予想される。絶対的な司令塔がいないなかで、神戸が勝つ近道は失点を抑えること。8試合でわずか5失点の蔚山現代からゴールを量産することは難しいため、できるだけ“無失点”の時間を長く保ち、“一発”を狙いたい。
幸い、神戸には今大会3ゴールの古橋やドウグラスといった、個で局面を打開できるストライカーがいる。ベンチには藤本 憲明や田中 順也といった個性の違うFWもいる。蔚山現代をできるだけ長く無失点に抑えられれば、必ず勝機は訪れるに違いない。
文=白井邦彦
12月13日に行われるAFCチャンピオンズリーグ東地区の準決勝は、ヴィッセル神戸と蔚山現代の対戦になった。神戸は準々決勝の水原三星戦に続く、2試合連続での“日韓対決”。中2日で選手がどこまで回復できているかが一つのポイントになりそうだ。
準々決勝の神戸と蔚山現代は、対照的な勝ち上がりとなった。2012年大会以来2度目のACL制覇を目指す蔚山現代は、ともに無敗でここまで勝ち上がってきた中国の北京国安と対戦。激しい攻防が続くなか、21分にブラジル人FWジュニオール・ネグランが自ら得たPKのチャンスを決めて先制に成功すると、42分には再びネグランが強烈なミドルシュートで追加点を挙げ、2−0で快勝した。
1998年から2年間、神戸でプレーした元韓国代表キム・ドフン監督が指揮を執るチームは今大会、グループステージを含む8試合で19得点と、圧倒的な攻撃力で準決勝まで駒を進めてきた。ネグランに加え、元韓国代表MFユン・ビッカラムと195センチのノルウェー人FWビヨルン・ヨハンセンの3人が、4ゴールを挙げている。攻撃陣の層の厚さは今大会ナンバーワンと言っていいだろう。
イニエスタはベンチスタートか
一方の神戸は、準々決勝で水原三星と戦った。今大会3度目の対戦という難しさがあるなかで、開始早々の7分に失点。水原三星の激しいプレッシングに苦戦を強いられた。
しかし、38分に水原三星のDFキム・テファンがレッドカードで退場になると、そこで得たフリーキックのチャンスを古橋 亨梧が沈めて同点に。その後は数的優位となったものの延長に入っても追加点が奪えず、結局、PK戦で7−6という辛勝となった。
ラウンド16で負傷したアンドレス・イニエスタがほぼ欠場(113分から出場)だったとはいえ、1人少ない水原三星から追加点が奪えなかった点は、準決勝を戦ううえで、やや不安が残る。山口 蛍も「(1人少なくなり)守りを固めてきた相手から、どうやって点を取るかという課題が残った」と話している。
だが、一発勝負の決勝トーナメントで最優先されるのは、内容ではなく勝利という結果。そういう意味では、水原三星戦はポジティブに捉えるべきだろう。むしろ、古橋が「チームが一つになって戦えている」と話すように、準々決勝の勝利でチームの結束は強まったと言えるかもしれない。
ただ、水原三星戦を見る限り、準決勝の蔚山現代戦もイニエスタはベンチスタートが予想される。絶対的な司令塔がいないなかで、神戸が勝つ近道は失点を抑えること。8試合でわずか5失点の蔚山現代からゴールを量産することは難しいため、できるだけ“無失点”の時間を長く保ち、“一発”を狙いたい。
幸い、神戸には今大会3ゴールの古橋やドウグラスといった、個で局面を打開できるストライカーがいる。ベンチには藤本 憲明や田中 順也といった個性の違うFWもいる。蔚山現代をできるだけ長く無失点に抑えられれば、必ず勝機は訪れるに違いない。
文=白井邦彦