国学院大・平林 箱根初V&3冠目指す 前田監督の「大号泣を見られるように」
2024年12月14日(土)4時45分 スポーツニッポン
来年1月2、3日の第101回東京箱根間往復大学駅伝で初優勝と3冠を目指す国学院大が13日、都内の渋谷キャンパスで壮行会を実施。マラソン学生記録保持者の平林清澄主将(4年)は、00年の駒大初優勝時の主将でもある前田康弘監督(46)を“男泣き”させると宣言した。また2年ぶり9度目の制覇を目指す駒大はオンラインで取材会を実施し、エース佐藤圭汰(3年)が前回大会のリベンジを誓った。
今冬一番の冷え込みとなった東京にあって、平林の心は熱くたぎっていた。4年連続の、自身にとっては最後の壮行会。壇上から見下ろす人だかりは、明らかに過去最大だった。「ここまで集まっていただいて…」。高ぶる感情のままに、堂々と宣言してみせた。
「残すは箱根だけ。個人的に前田監督の男泣きを見て(国学院大に入学した)と話しているが、今年こそ大号泣を見られるように、全力で頑張ります」
20年1月の箱根駅伝で国学院大は過去最高の総合3位となり、前田監督は泣いた。福井・美方高出身の平林が前田監督と初めて面会したのは、2年生エースとして活躍していた同年2月。その場で「前田さんの涙を見て、僕は国学院に決めています」と告げた。3月には駒大も見学する予定だったが、コロナのため中止に。今でも同大の大八木総監督は「俺が口説いたら駒沢だった」と地団駄を踏むが、約5年前から前田監督を“男”にすることを決めていた。
来年3月の卒業後も引き続き平林を指導する前田監督も「(発言を)今でも覚えている。会うべくして会った、出会うべくして出会った選手」と運命の人を強調する。今年度は主将を務める愛弟子に、あえて寮長兼任を勧めたのも指揮官。私生活でもストイックな平林が総勢約60人の部員に寮生活や食事面でも手本を示した影響は絶大で、出雲、全日本での2冠につながった。
過去3年の箱根は9区2位、2区7位、2区3位で区間賞はなし。3年連続エース区間の2区、あるいは山上りの5区での出走が有力視される平林だが、「自分が勝ちに貢献できる区間なら。6区以外は準備はできている」と私情はない。来年1月3日の大手町で、大号泣の前田監督を胴上げする——。残り20日、そのためだけに一日一日を過ごす。