HPDがHRC USへの組織変更完了を発表。F1のパワーユニット開発とサポートにも参加へ

　12月19日、アメリカでホンダ／アキュラブランドのモータースポーツ活動を担ってきたホンダ・パフォーマンス・デベロップメント（HPD）が正式に名称を変更し、ホンダ・レーシング・コーポレーションUSA（HRC US）となった。今回の組織変更にともない、HRC USは日本のHRCと連携しながら、グローバルなモータースポーツ活動に携わっていく。

　HPDは1993年、インディカー活動を担うモータースポーツ専門の組織としてアメリカン・ホンダ・モーターによって設立され、インディカー／CART、IMSA、さらにバハ・オフロード、ツーリングカーレース、フォーミュラ・リージョナル・アメリカズなどさまざまなモータースポーツ活動を担ってきた。

　一方、HRCは1982年にホンダの二輪活動を担う組織として生まれ、2022年からは四輪活動も含めたホンダのモータースポーツ活動を担う組織として統合された。2023年9月にはすでに2024年からHPDが『HRC US』として名称を変更することが明らかにされていたが、2024年シーズンスタートに先立つ12月19日、名称が正式に変更された。

　この組織変更にともない、HRC USは今後日本のHRCとひとつのグローバルな組織として活動を行い、それぞれがもつ専門知識とリソースを組み合わせ、ホンダの世界的なモータースポーツ活動を担っていくことになる。なお今回は新たに発表された内容として、HRC USでF1のパワーユニット開発プログラムへの参加、レースサポートも行うことが明らかにされた。

「HRC USのチーム、そして私はこの次なるレースアドベンチャーに踏み出すことに興奮しているよ」と語ったのは、これまでHPDの社長を務め、HRC USのプレジデントに就任したデビッド・ソルターズ。

「ホンダのレースの伝説は特筆すべきものがある。私は栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われた『ホンダレーシングサンクスデー』から戻ったばかりだが、MotoGP、F1、インディカー、モトクロス、ダカールラリー、トライアル、ツーリングカー、そしてスーパーGTと、すべて高いレベルで、パドック中に存在するワールドチャンピオンたちによってデモンストレーションが行われたんだ」

「それができるのはホンダだけだ。我々は自分自身に挑戦を続け、二輪、四輪のすべての頂点で素晴らしいホンダのファンたちを楽しませていきたい。ホンダのクールなクルマ、バイクの文化と最先端の技術、優れた車両と、そして我々と素晴らしい人々がひとつになり、ひとつのグローバルなHRCを作ることができるのを誇りに思っている」

「これはまさに“パワー・オブ・ドリームス”であり、我々は夢に向かってレースをすることができる」

　1月25〜28日に開催されるIMSA開幕のデイトナ24時間では、アキュラARX-06にHRCのロゴがつけられ、2024年にインディカーシリーズやさまざまなシリーズで、HPDのロゴからHRCのロゴへの切替が行われていく。