「花の2区」は豪華メンバー…平林清澄・篠原倖太朗・黒田朝日の“3強エース対決”が箱根路で実現か
2024年12月30日(月)14時30分 読売新聞
2区にエントリーされた(左から)駒沢大・篠原倖太朗、東京国際大・リチャード・エティーリ、国学院大・平林清澄
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)の区間エントリーが29日に行われた。当日変更のルールがあるためにまだ確定メンバーではないが、往路最長区間の「花の2区」はその名にふさわしく、各校のエースが集結した豪華メンバーとなりそうだ。
優勝争いの予想を引っ張る「3強」では、10月の出雲駅伝のアンカー勝負で競り合った国学院大の平林清澄(4年)、駒沢大の篠原倖太朗(4年)がエントリ—された。前回大会の2区区間賞、青山学院大・黒田朝日(3年)は補欠に回ったが、原晋監督が2区起用を公言していることから当日変更で出走する可能性が高く、エース対決が実現しそうだ。さらにハーフマラソンの日本学生記録保持者、リチャード・エティーリ(東京国際大2年)など留学生5人に、予選会日本人トップの吉田礼志(中央学院大4年)ら実力者もエントリーされた。
2区(23・1キロ)は鶴見中継所を出発して、13キロ付近から難所の権太坂を上り、最後の3キロでアップ、ダウン、アップしながら高低差40メートルを上る「戸塚の壁」と呼ばれる急坂が待ち受ける。
リチャード・エティーリに吉田礼志など…実力者がエントリー
選手たちはハーフマラソンよりも長い区間を走る。第101回大会エントリーリストにおける各選手のハーフマラソン公認最高記録を見ると、区間エントリーされた21人のうち、62分を切る選手が9人。
2月の香川丸亀国際ハーフマラソンで59分32秒の日本学生最高記録を出したエティーリを筆頭に、篠原倖太朗(1時間00分11秒)、予選会個人トップのシャドラック・キップケメイ(日本大2年、1時間00分16秒)、吉田礼志(1時間00分31秒)、ジェームス・ムトゥク(山梨学院大3年、1時間00分46秒)と続く。
23年世界ユニバーシティー大会のハーフマラソン4位で、3度目の2区にエントリーされた吉田は、前回は区間14位に終わっており、「区間賞を取って勢いづけたい」と雪辱を誓う。山梨学院大は、もう一人の留学生で、前回2区9位のブライアン・キビエゴ(2年)が補欠に回った。
出雲、全日本はいずれも4位で、「3強」を追う創価大は、前回2区5位のスティーブン・ムチーニ(2年)と61分台の記録を持つ吉田響(4年)がともに補欠に回った。吉田は山登りに実績があるが、“ゲームチェンジャー”の役回りを期待する榎木和貴監督は「別の区間でタイムを稼がせる」という選択肢も残す。
このほか、前回2区4位の早稲田大・山口智規(3年)、中央大・溜池一太(3年)、東洋大・梅崎蓮(4年)ら各校期待のランナーに、11月の上尾シティハーフマラソンでU20(20歳未満)日本最高記録を更新して優勝した大東文化大・棟方一楽(2年)など勢いのある選手もエントリー。前回4位の東洋大は酒井俊幸監督が「ロードのエースで、ハーフの距離ではほとんどブレーキをすることがない」と梅崎に太鼓判を押す。
競り合いになれば区間記録の更新にも期待が…
2区の区間記録は第97回大会でイエゴン・ビンセント(東京国際大)が出した1時間5分49秒、日本人の最高は96回大会で相沢晃(東洋大)の1時間5分57秒。前回100回大会で青山学院大の黒田朝日は区間賞の1時間6分7秒、国学院大の平林清澄は区間3位の1時間6分26秒で走った。東京国際大は100回大会出場を逃したため、2年生のエティーリは初の箱根駅伝での2区エントリー。駒沢大の篠原倖太朗は過去、3区と1区で出場している。当日の天候や競り合いなどのレース展開次第では、1時間5分台への期待も膨らむ。
大会ルールで当日の選手変更が可能で、往路、復路とも当日朝のレース開始時刻の1時間10分前にメンバー変更を受け付ける。変更は正選手と補欠選手の入れ替えだけで、正選手間での区間変更はできない。交代は往路、復路合わせて6人までで、1日では4人が上限となる。留学生のエントリーは2人以内で、実際に出場できるのは1人まで。(デジタル編集部)