シャンパン感覚で飲んでみる? 話題の「スパークリング日本酒」4種類を飲み比べてみた

2020年1月2日(木)10時50分 食楽web


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「日本酒」とひとことで言っても、その種類はさまざま。なかでも最近注目なのが、「スパークリング日本酒」です。スパークリング日本酒はシュワシュワとした口当たりの日本酒で、2016年には発泡日本酒を製造する酒蔵各社により「awa酒協会」が設立されるなど、日本酒の新たな可能性を感じさせるお酒なんです。

 今回は、虎ノ門にある『日本の酒情報館』にお邪魔して、注目のスパークリング日本酒4種類を飲む比べてみました。日本酒好きな人はもちろん、これから日本酒を飲んでみたいと考えている日本酒ビギナーにもおすすめです。

世界に認められた「八鹿スパークリング Niji」

「八鹿スパークリング Niji」は、大分県の八鹿酒造が手掛けた純米酒のスパークリングです。酵母が行きた状態のままの酒を瓶詰めし、低温で半年間、蔵で発酵させています。こうすることで炭酸ガスを閉じ込める「瓶内二次発酵方式」をとっているそうです。


「八鹿スパークリング Niji」は、約4〜8℃のよく冷やした状態で飲むのがオススメ

 このスパークリング日本酒は、フランスで開催される日本酒のコンクール「KURA MASTER2019」でスパークリングsoft部門においてプラチナ賞を受賞。さらに、「インターナショナル・ワイン・チャレンジ2019」のスパークリングの部でゴールドメダルとトロフィーを受賞するなど、海外での評価も高いのが特徴です。

 7年の月日を費やして2017年に登場したこのお酒は、「スパークリング日本酒=甘口」というイメージをいい意味で覆す味わいとなっています。シャンパンのように泡立ちがきめ細かく、後味はキレがいいのですが、お米のふくよかな甘みや香りも感じます。このバランスの良さは世界で評価されているというのも納得です!

ドライな味わいの「出羽桜 AWA SAKE」は食中酒におすすめ

 続いて紹介したいのが、山形県の出羽桜酒造が出している「出羽桜 AWA SAKE」です。こちらも八鹿スパークリング Nijiと同様、瓶内二次発酵となっています。


「出羽桜 AWA SAKE」を手掛ける出羽桜酒造は1892年創業

 これまでスパークリング日本酒といえば、にごっているものが主流でしたが、awa酒協会の商品開発基準として、透明であることが条件となっています。たしかに出羽桜 AWA SAKEもきれいな透明ですし、これだけでも新時代の日本酒という感じがしますね。

 出羽桜では1993年からスパークリング日本酒に取り組んでおり、20005年には瓶内二次発酵で作られた「吟醸にごり とび六」を発売。その後、炭酸ガスを吹き込んだ透明なスパークリング日本酒「咲」を発売し、2019年にようやく「瓶内二次発酵」と「透明」という2つの要素を併せ持つ「出羽桜 AWA SAKE」が誕生しました。

 出羽桜 AWA SAKEの味わいは、華やかさですっきり。口に含んだときにはお米の甘さを感じるのですが、飲み終えると甘さはだいぶ薄らぐ印象です。こってりした肉料理に合わせるのがおすすめとのことなので、まさに食中酒向きなお酒だといえるでしょう。

手土産にしたくなる「真澄 スパークリング Origarami」

 長野県で創業350周年を迎える宮坂醸造が手掛ける「真澄 スパークリング Origarami」は、「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2019」のスパークリングSAKE部門にて金賞を受賞。限定販売の貴重な日本酒で、2018年に発売されたばかりだそうです。


「真澄 スパークリング Origarami」は、アルコール度が10度と日本酒のなかでは低アルコールとなっている

「おりがらみ」とは、うっすら濁っているお酒のこと。もろみを絞った状態のお酒は、お米や酵母などの固形物が浮遊しています。この浮遊物を「おり」と呼び、本来はタンクに入れて放置することで、おりを沈殿させて、上の澄んだ部分だけを使うのですが、おりがらみはおりを混ぜた状態なのです。

 真澄 スパークリング Origaramiはおり抜きをせずに瓶内発酵しているので、薄く濁っている感じがします。炭酸は弱めでクリーミーな味わいが印象的。全体的にドライな味わいで、その見た目からこれまでイメージしていた発泡日本酒に近いのかと思いきや、個性を感じる仕上がりだといえるでしょう。また、「数量限定」というプレミア感があるので、お酒が好きな人への手土産にしても喜ばれそうな1本です。

純米酒で仕込んだ「七賢 スパークリング日本酒 空ノ彩」

 山梨県の山梨銘醸が出す「七賢 スパークリング日本酒 空ノ彩(そらのいろどり)」は、七賢の代表純米酒「風林美山」で仕込み、瓶内二次発酵させた1本です。この蔵は近年スパークリング日本酒の製造に注力しており、複数のスパークリング日本酒を揃えています。


「七賢 スパークリング日本酒 空ノ彩」は、仕込み水の代わりに「風林美山」を使用するので、「貴醸酒」に近い

 飲んでみて驚いたのが、その複雑な味わいです。お米というよりもバナナのような甘みを感じ、それでいて酸味も感じるという、これまでに飲んだことのないような味わいなのです。飲みごたえを求める人にはぴったりなお酒でしょう。

 スパークリング日本酒はまだまだこれから成長するジャンルのひとつ。年始のホームパーティーは、スパークリング日本酒で乾杯してみましょう!

●DATA

日本の酒情報館

https://www.japansake.or.jp/sake/know/data/

●著者プロフィール

今西絢美

編集プロダクション「ゴーズ」所属。デジタル製品やアプリなどIT関係の記事を執筆するかたわら、“おいしいものナビゲーター”として食にまつわる記事も執筆中。旅先でその土地ならではのローカルフードを探すのが好きで、フードツーリズムマイスターの資格も持つ。

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