カラアゲニストが選ぶ! 2020年最高の「からあげ」10選

2021年1月2日(土)10時50分 食楽web


食楽web

 鶏のからあげが空前のブームです。現在は2008年頃の第一次ブームに続く、からあげの第二次ブームとされており、コロナ禍のなかでも専門店がどんどん登場し、テイクアウトやデリバリーで大人気を博しています。

『食楽web』でも、日本唐揚協会認定カラアゲニストとして日夜「から活=からあげ食べ歩き活動」に励む松本壮平氏が、からあげの記事を書いていますが、2020年にご紹介したからあげの名店の中から、松本氏が特にオススメというからあげのお店を10軒、厳選してご紹介します!

 松本氏によれば、近年のからあげは昔に比べて1個あたりのサイズが大きくなっており、衣もどんどん薄くなっているそうです。

「サイズが大きいと、肉の断面が減るので、そのぶん旨みを逃さずに済むんです。衣が薄くなっているのも、余計な油を吸わせず、肉そのものの味わいを生かしてヘルシーに食べてもらうための工夫ではないかと思っています」(松本氏)

 食べるシーンやお好みに合わせて、バリエーション豊かなからあげを楽しんでみてください。

朝〆若鶏のジューシーなムネ肉からあげ|『鳥樹』(旗の台)


唐揚げ(740円・税抜)を冷や酒とともに

 東急大井町線・旗の台駅の東口から徒歩1分圏内の『鳥樹』。ここのからあげ、使用する部位はムネ肉のみです。

 注文すると、骨がついた部分を豪快に切り分け、酒、しょうゆ、おろしショウガで味付けした大ぶりなからあげが4個も登場! 衣はサックリ。口の中でポロポロと崩れて肉と一緒になります。そして「ホントにムネ肉?」と思ってしまうほどにジューシーでフワッとした歯ざわり。


新鮮さにこだわり、オーダーが入ってから切り分けます。使用するのはムネ肉の骨付きの部分

 そこにサクサクした衣がランダムに混じり合ってきて、サク! フワ! という食感が、肉汁と一緒にこれまたランダムに迫ってきます。キリッと冷えた日本酒とも相性抜群。ついつい飲み過ぎてしまいました。食べ終えたら出してもらえる鶏ガラのスープがまた滋味深く、最高です。

●SHOP INFO

店名:鳥樹 東口店

住:東京都品川区旗の台2-9-22
TEL:03-3787-7218
営:17:00〜24:00
休:火曜

ウマすぎるラーメン屋の絶品ざんぎ|『麺匠 八雲 本店』(堀切菖蒲園)


ざんぎ(3個380円)。持ち帰りもできます

 堀切菖蒲園駅から徒歩3分ほどの『麺匠 八雲(やぐも) 本店』。店主はバイトAKBの元メンバー・梅澤愛優香さん。幼いころからラーメンが大好きだったという梅澤さん、アイドル活動のかたわら、麺やスープ、タレなどを研究して試作を繰り返し、このお店をオープンさせました。お店の看板メニューは、味噌ラーメンと、北海道生まれのからあげとして有名な「ざんぎ」です。

 こちらのざんぎ、ジャリッとした衣の歯ざわりがたまりません。驚いたのは肉がツルンとしていて、衣がなければうっかり飲み込んでしまいそうなほどスムーズなこと。噛もうとすると滑って歯と歯の間からツルリと逃げていくような感覚です。肉汁たっぷり、旨みも十分。しばらく口の中で転がしていたくなります。


北海道味噌と信州味噌を合わせた味噌ラーメン(800円)は絶品!

 ショウガとニンニクの風味がやや強めですが、ガツン!と迫ってくるアグレッシブさではありません。むしろ優しく、そして爽やかに口からのどを満たしてくれる味わい。こだわりの味噌ラーメンと一緒に味わってみてください。

●SHOP INFO

店名:麺匠 八雲 本店

住:東京都葛飾区堀切3-4-13
TEL:03-6657-6880
営:11:00〜15:00、17:00〜22:00
 ※スープがなくなり次第終了
休:月曜(祝日の場合は営業)

衝撃の味付け“なし”のからあげ「ゼロ」|『からあげライダー』(船堀)


味付けしないからあげ「ゼロ」(100g230円)

『からあげ専科 からあげライダー』は、テイクアウト専門店。お弁当のほか、単品からあげは「ゼロ」「1号(にんにく醤油)」「2号(甘辛ダレ)」「3号(塩・わさび付き)」「4号(ダシ生姜)」の5種類があります。このうち「ゼロ」は、なんと味付けなし。これは衝撃的でした。

 衣は片栗粉のみ。白く美しいルックスです。ジャリッとした歯ざわりを感じる適度な厚さの衣で、すぐに肉の旨みが口の中に広がっていきます。味付けしていない分、鶏肉の味をしっかり感じられ、これはこれでアリ! 鶏天やチキンカツのような味をイメージしましたが、まったく異なります。衣の食感と、口の中にほんのり漂う肉の旨みがいい!


こちらはダシ生姜の「4号」(100g250円)。生姜と魚介系ダシの風味がいい!

 このゼロ、ガッツリ味付けしたものより、子どもにも安心して食べさせられる優しさが受け、近隣の主婦層に大人気だそう。もちろん、各家庭で醤油やソース、マヨなど、好みの味をプラスして楽しめるのも嬉しいポイントです。

●SHOP INFO

店名:からあげ専科 からあげライダー

住:東京都江戸川区松江3-7-11
TEL:03-5661-2577
営:11:30〜20:00
休:不定休

フタが閉まらない超デカ盛りからあげ弁当|『キッチン BUS STOP』(埼玉・三郷市)


2020年6月にオープンしたばかりなのにすでに大人気

 埼玉県三郷市にある『キッチン BUS STOP』のからあげ弁当は、からあげの量によってマイクロバス盛り(S)、小型バス盛り(M)、中型バス盛り(L)、大型バス盛り(LL)とあります。このうち、大型バス盛りをいただきましたが、これがフタが閉まらないほどドーンと山盛りのからあげ! これはもう大型バスではなく2階建てバスという感じです。

 そのからあげ、ガリザク系の衣に包まれた肉はやわらかく、弾力ある歯ざわり。ザクッ! フワッ! という2段階で食感のギャップがとにかく秀逸です。衣が奥歯の上ですり潰され、すぐに肉と一体化する、絶妙なバランス。


「唐揚げ弁当・大型バス盛り」(1040円・税抜)。フタはのっかっているだけ!?

 また、皮の部分がせんべいのようにカリッカリに揚がっていて、これまた美味。味付けには中国のミックススパイス・五香粉のほか、中華だしも使用しているそうで、ちょっとエスニックな風味も感じられ、ごはんも進みます。お弁当にぴったりのからあげです。

 ちなみに店名やお弁当のネーミングの由来は、お店のすぐ前にある東武バスセントラル・岩野木橋バス停です。つくばエクスプレス・三郷中央駅から乗車して10数分、下車すれば目の前がお店という嬉しいロケーションです。店内には鉄道模型の展示もあるので、からあげができ上がるまでの時間も楽しめますよ。

●SHOP INFO

店名:キッチン BUS STOP

住:埼玉県三郷市幸房506-3
TEL:048-950-8898
営:10:00〜16:00
  土・日・祝10:00〜17:00
休:月曜
https://twitter.com/kitchen_busstop

2段仕込み醤油にこだわる「醤油からあげ」|『元祖からあげ本舗だるま』(市川)


名物の醤油からあげ(120g260円)。写真は500g

 カラアゲニストとして、さまざまなからあげを食べている筆者ですが、近年、気づくことは、からあげ1個あたりのサイズが大きくなっていること。かつてはゴルフボールサイズのものが主流で、1個40gほどでしたが、最近は50g前後のからあげを出すお店が増えている印象です。

 テイクアウト専門の『元祖からあげ本舗だるま・市川店』のからあげも、1個が60gほどでかなりの大きさ。こちらの「醤油からあげ」は特製の醤油ダレにひと晩漬け込み、揚げる直前にひとつひとつていねいに衣をつけています。


こちらは旨塩からあげ弁当(写真はからあげ5個)650円。塩の美味しさを存分に感じられるからあげです

 実に深みのある味わいで、醤油の風味も香りもいい。コクもあります。肉の旨みを阻害せず、のどの奥まで風味がふんわり漂う感じ。旨みと醤油の風味がまじり合い、舌にはり付いて離れません。後をひく、クセになりそうな味です。衣はやや厚めですが、サックリとした歯ざわり。油の切れもよく、爽快な食感に仕上がっています。

 衣と肉とのコンビネーションが見事で、やわらかく、肉汁たっぷりの肉にうまくなじむ絶妙な味わいです。

●SHOP INFO

店名:元祖からあげ本舗だるま 市川店

住:千葉県市川市国府台5-26-10
TEL:047-712-0030
営:10:30〜21:00
休:年中無休

+200円で最大100個まで食べられるからあげ定食|『神宮前食堂サンハウス』(原宿)


1個40gほどのからあげが15個。甘酢がきいた南蛮ダレがかかっています。ごはん、味噌汁、サラダ付き。個数制限があると食べ放題ではないような気もしますが、100個食べられる人はまずいないはずなので、事実上の食べ放題

 ランチのからあげ食べ放題には、大きく2つのタイプがあります。ひとつは無制限におかわり自由なタイプ。もうひとつはオーダー時に好きな個数を伝えるタイプ。こちらは後者タイプのお店です。

「からあげ定食」(580円)は、200円をプラスすると、からあげを最大100個まで好きな個数をオーダーできます。SNSでも「太っ腹すぎる」と話題になっているほどです。こちらのからあげには甘酢のきいた南蛮ダレがかけられており、タルタルソースもそえられています。


肉汁がじんわり出てきます。ここに南蛮ダレをからめるとウマさ倍増!

 まずはそのままガブリ。サックリと軽やか食感の衣に、南蛮ダレがよく合います。肉もやわらかくて肉汁もたっぷり。やや濃いめの味付けで、衣のサックリ感は南蛮ダレに負けていません。肉汁とともに口に広がる肉の旨みに味覚がメロメロになりそう。これはイケる!タルタルソースをつけるとこってり感も加わってウマさ倍増です。


食べ残しはNG。無理せず食べられる個数をオーダーしましょう

 肉汁がしみ出す断面を、お皿の下にたまった南蛮ダレにつけて食べると、これまた複雑で深みのある味わい。ごはんによく合う、ランチにもってこいのからあげです。

●SHOP INFO

店名:神宮前食堂 サンハウス 原宿

住:東京都渋谷区神宮前3-26-11 ホノラリー原宿ビル3F
TEL:03-6721-0412
営:月〜土・祝前日11:30〜15:00(LOは料理14:30、ドリンク14:30)
  17:00〜翌0:00(LOは料理22:45、ドリンク23:15)
  日・祝日:11:30〜15:00(LOは料理14:30、ドリンク14:30)
  17:00〜23:30(LOは料理22:15 ドリンク22:15)
休:無休
https://sunhouse-harajuku.owst.jp/

からあげの聖地・中津仕込みの至極のからあげ|『ぶんごや』(大宮)


手羽先。170℃の油で丁寧に揚げていきます

『あげ処ぶんごや』といえば、からあげの聖地・大分県中津市にある名店。カラアゲニストならば誰もが知る有名店です。そして埼玉の大宮にも、『あげ処ぶんごや』があるんです。

 こちらでぜひ味わっておきたいのは手羽元、手羽先、せせり、砂肝。


左が手羽元、右が手羽先(共に100g280円)。いずれも大ぶりで肉厚

 手羽元と手羽先は骨付きですが、いずれも大ぶりで肉厚。カリカリに仕上がった衣を歯が突破すると、フワッとやわらかい肉が肉汁と一緒に歯を飲み込みます。軽く触れただけで、肉が骨からホロホロとはがれていくのが心地いい。しょうゆダレの濃厚な風味が、飲み込んだあとものどの奥から離れません。


左がせせり(100g300円)、右が砂ずり(100g270円)

 せせりは鶏の首。やさしい弾力のある食感で、噛めば噛むほどに旨みが絞り出されてきます。砂ずりはいわゆる砂肝。「コリフワ」な食感でお酒のアテにしたい味わい。一瞬、歯が弾力に負けそうになりますが、すぐにフワッとした食感に包まれます。

 テイクアウトがメインのお店ですが、夜はバーにもなり、お酒と一緒にからあげを楽しむことができます。

●SHOP INFO

店名:あげ処ぶんごや 大宮店

住:埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-246
TEL:048-643-2001
営:11:00〜14:00、16:00〜20:00
休:年中無休

ピンクのタルタルソースが絶品の「唐あげ南蛮」|『平成オペラ座』(東銀座)


唐あげ南蛮定食(1000円・税込)。どっさり盛られたタルタルソースにビックリ

 東京は東銀座。歌舞伎座近くにある『平成オペラ座』。こちらのランチタイムに味わえる「唐あげ南蛮定食」は、どっさり盛られたピンク色のタルタルソースに驚かされます。しば漬け、らっきょうを細かく刻んだものが入っており、シャキシャキした食感が絶妙のタルタルソース。カツオで出汁をとっているそうで、和風な味わいも感じられ、なめらかな舌ざわりでクリーミー。

 肉はフンワリとやわらかく、肉汁もたっぷり。タルタルソースと混じり合うと、とろけるような食感になります。数種類の酢をブレンドしている甘酢はかなり美味。酸味は抑えめで、かすかに香ばしさまであります。衣の食感もしっかり残っており、肉には旨みがしっかり閉じ込められていて、タルタルソースや甘酢とケンカすることもなし。


ピンクのタルタルソース。これがなめらかな舌ざわりで美味しい

 なめらかクリーミーなタルタルソース、香ばしい甘酢、そして肉の旨み。口の中でのこのトリプルパンチは最強の組み合わせかもしれません。

●SHOP INFO

店名:平成オペラ座

住:東京都中央区銀座4-13-3 ACN東銀座ビル 1F
TEL:03-3248-8077
営:ランチ11:30〜14:00(13:00LO ※なくなり次第終了)
  ディナー17:30〜25:00(24:00LO)
休:定休日なし

寿司職人歴30年の店主が揚げる極上ムネ肉からあげ|『一番唐揚げ』(池袋)


旨塩からあげ。定食は790円。1個60gほどもあろうかというジャンボサイズ

 JR池袋駅近くにある『一番唐揚げ』は寿司職人歴30年のご主人が揚げるからあげを味わえるお店です。こちらでぜひ味わってほしいのが、ムネ肉のからあげが堪能できる「旨塩唐揚げ定食」です。

 1個60gはあろうかという大きなからあげは色も白く、店内の照明に照らされてキラキラ輝いているよう。グルテンフリーの片栗粉を使用しているそうで、薄めのフワッとした食感の衣が、すぐに肉と一体になります。


肉汁がたっぷり出てくる嬉しいムネ肉からあげです

 とにかく肉がやわらかく、一瞬「モモ肉?」と思ってしまったほど。ほっくりとしたやさしい食感で肉汁もたっぷり。あっさりめの味付けなので肉の旨みがグイグイ迫ってきます。漬けダレに数日間、揚げる直前までしっかり漬け込んでいるとのこと。それでこんなにやわらかく仕上がるんですね。

 ほかにモモ肉のからあげや、カレー味のからあげ、チキン南蛮や油淋鶏もあり、メニューのバラエティーも豊富です。

●SHOP INFO

店名:一番唐揚げ

住:東京都豊島区東池袋3-11-9 三島ビル 1F
TEL:03-6709-2939
営:11:30〜15:00、16:30〜24:00(23:45LO)
休:不定休

毎日手仕込みで揚げる至極のからあげ|とりサブロー(竹の塚)


にんにく醤油から揚げと甘ダレから揚げ(各5個600円)。にんにく醤油から揚げは紙袋での提供

 都内に数店舗を構える『とりサブロー』は〈から揚げ・から弁 揚げたて専門店〉というキャッチフレーズのお店で、毎日手仕込みでとんでもない手間暇をかけてからあげを作っています。

「にんにく醤油から揚げ」は1個がとにかく大きい。5個も食べるとお腹いっぱいになりそうです。ガリザク系の衣は片栗粉のみを使用。味付けに使うニンニクやショウガはいずれも生で、毎日お店ですりおろしているとのこと。


1度目の揚げのあとは余熱で火を通し、2度揚げしてカラッとした食感に

 肉は特製の漬けダレに最低2時間は漬け込み、さらにそこから醤油ダレにも漬け込むという手のかけようです。揚げる直前に衣を付け、ていねいに2度揚げしています。味付けはしっかりとしていて、ごはんにも合いそうです。

 このほか、「甘ダレから揚げ」も最高です。かけられたタレは甘さも酸味もひかえめのあっさり味。その分、肉の美味しさを堪能できます。こちらはごはんのおかずだけでなく、お酒のアテにもいけそうな味わい。丁寧で手間ひまを惜しまない揚げたてのからあげを、とことん堪能できますよ。

●SHOP INFO

店名:とりサブロー 竹の塚3丁目店

住:東京都足立区竹の塚3-20-13
TEL:03-5686-1820
営:10:30〜21:00
休:無休

●著者プロフィール

松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。

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