「宇宙船の金属片」が落下していた…?1983年に起きた“ヨーロッパのロズウェル事件”

2024年1月4日(木)12時0分 tocana

 空から大量の金属片が降ってきた——。1983年に起きた“ヨーロッパのロズウェル事件”に新たな展開が見えている。


■畑一面にばら撒かれた金属片


 さかのぼること40年前、1983年1月23日の英紙「サンデー・エクスプレス」に掲載された奇妙な記事は、ウェールズの静かな村、スランイラルで空から大量の金属片が降ってきたことを報じた。いったい何が起きたのか。


「空から奇妙な破片が降ってきた。生まれたばかりの子羊の世話をするために畑をとぼとぼと歩いていた農夫、ユーウェル・エヴァンスは驚くべき光景を目にした。数百枚のハニカム状の金属箔が、サッカー場3つほどの面積に散らばっていた。片面が緑色、もう片面が灰色に塗られた巨大なねじれた合金板もいたるところに横たわっていた。そして近くの雑木林では木の枝が刈り取られていた」(新聞記事より)


 異様な光景に驚いたエヴァンス氏が警察に電話すると、警察官に続いてイギリス空軍の兵士と士官がやってきて辺りをくまなく調べ、金属片をすべて回収して持ち去っていった。


 金属片の中にはアンテナのようなものや、シリアル番号のようなものが刻まれた大きな金属塊もあったという。空中で爆発した航空機の残骸なのだろうか。


 当日、周囲の上空を飛行した航空機は記録されておらず、空軍のレーダーには何も捕捉されてはいなかった。


 航空機でないとすれば気象観測気球なのか。あるいは落下してきた人工衛星なのか。警察によればそれはどちらもありそうにないという。


 警察と空軍が現地を調査したのはエヴァンス氏の通報後の数日間であったが、続く24日から31日にかけてイギリスのUFO研究家ゲイリー・ロウ氏と「ウェールズ独立UFO研究家連盟(The Wales Federation of Independent Ufologists)」のチームが墜落現場を調査した。


 ロウ氏らは畑に隣接する森林地帯から合計6つの金属片と金属箔を回収した。現場の状況から、何らかの飛行物体が木々のてっぺんにぶつかって機体の一部が破壊されて砕け散り、幅約8メートルの範囲に破片が飛散し、その後飛び去っていったことが推察された。


 謎の6つの金属片は回収直後に「ブリティッシュ・エアロスペース」社の担当者によって分析され、ジュラルミンとアルミニウムの合金であることが報告されている。


 ロウ氏らが現場の再調査を計画していた矢先、エヴァンス氏から、金属片が見つかった森は伐採され、土壌も全て入れ替えられたうえに、立ち入り禁止区域になったという連絡が届いたのだった。当局による明らかな隠蔽工作で幕引きが図られたのだった。


■「これらの金属片はUFOのものである」


 イギリスの映像作家で考古学者のマーク・オリー氏が2023年10月に出版した著書『Europe’s Roswell: 40 Years Since Impact』(ヨーロッパのロズウェル:衝撃から40年)では、関係者による詳細な説明、現在入手可能な墜落破片の画像、情報源からの最新情報、未公開のアーカイブ文書などが紹介されており、40年以上経った現在においてもこの物的証拠がも謎のままであることが指摘されている。


 同著では2023年になってオーストラリアとアメリカの研究室で行われたスランイラルの謎の金属片の分析の結果の詳細が記述されている。


 オーストラリアの研究室はサンプルはアルミニウム発泡体であると結論付け、一方、アメリカの研究室はサンプルが他の珍しい元素と合金化されたランタン/ランチウムであることを示した。知られている限り、これらの物質は 1970年代末にはこのような形で存在しておらず、1980年代初頭にスランイラルの上空を「飛び回っていた」はずはないのである。


 ハニカム構造の謎の金属片はアメリカのロズウェル事件の墜落現場「デブリ・フィールド」からも回収されており、両方の事件の関連性がさらに強まったのだが、いずれにしてもこの種の金属が1983年にも、ましてや1947年には存在していなかった。


 2008年の時点でゲイリー氏は次のように結論づけている。


「現場には行方不明の航空機もパイロットもおらず、それに関連する機械的なものは発見されず、この材料の製造にリベットなどは一切ありませんでした。この奇妙な物体は、その夜その農場の上を飛んで、この物質すべてを爆発させ、4つの畑をそれで覆い、その後、邪魔されずに再び飛び去ったようです! それは非常に注目に値します」(ゲイリー氏)


 そしてこれらの金属片はUFOのものであると断言している。


「これはUFO、つまり未確認飛行物体の破片であると結論付けることしかできず、それが私が喜んでいる理由です」(ゲイリー氏)


 40年を経て再び注目を浴びている“ヨーロッパのロズウェル事件”が今後どのような動きを見せるのか予断を許さない。



参考:「Howandwhys」ほか

tocana

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