熱いお湯を空中で撒くと→一瞬で「雲」に 北海道東部で撮影された魔法みたいな映像に反響
2022年1月11日(火)18時56分 Jタウンネット
最近、日本列島各地で連日のように寒い日が続いている。積雪があったとか、雪かきに一苦労した、今朝は氷点下だったなどと嘆いている皆様、ちょっと待っていただきたい。
2022年1月10日、次のような動画付きのツイートが投稿され、いま話題となっている。
弟子屈くらいの気温になると、お湯が一瞬で雲になるんです。 pic.twitter.com/0ix6RyLKwm
— ファルコンまつばら@ゴルフクラブの製造・販売が本業です。キャンプ場は趣味です。 (@FalconMatsubara) January 10, 2022
弟子屈は「てしかが」と読み、北海道の東部に位置する。数種類の泉質の温泉を有する町で、とくに川湯温泉では強酸性の硫黄泉が湧き、その良質の温泉は「北の草津」とも呼ばれるほど。ほかにも、摩周温泉(弟子屈温泉)、コタン温泉、和琴温泉など、多種の温泉がある。
冬季の冷え込みは厳しく、空気中の水分が凍ってキラキラひかる「ダイヤモンドダスト現象」が見られることでも知られる。摩周湖や屈斜路湖のある観光地としても、人気が高い。
動画を投稿したのは、その弟子屈町でゴルフクラブの製造・販売を行い、趣味でキャンプ場の運営もしている「ファルコンまつばら」(@FalconMatsubara)さん。
約30秒の映像を見ていると、雪道の上を、鍋で湯気が立っているお湯を運び、突然、鍋の中のお湯を空中にぶちまけるのだ。すると、「弟子屈くらいの気温になると、お湯が一瞬で雲になるんです」というコメントの通り、澄み切った青空をバックに白い雲が出現するのだ。
このツイートには、6万8000件を超える「いいね」が付けられ、こんな声が寄せられている。
「でんじろうさんに教えなきゃっ 私的に今年一番の感動です」
「魔法使いみたいです」
「子供にやってあげたら一生尊敬されそう」
「雲職人、実在したとは」
「この雲の中入ってみたい」
「ファルコンまつばら」さんは、この動画について、さまざまなツイートを投稿している。その中から、いくつか紹介してみよう。
水よりもお湯のほうが短時間で凍る!?
投稿者「ファルコンまつばら」さんは、別ツイートで次のように解説している。
「くも【雲】 大気中の水蒸気が冷却、凝結し、微細な水滴や氷片の大集団となって空中に浮游しているもの。 なので、人工的に作られた雲で間違いないっす。 そして、お湯でやっているのはムペンバ効果によって、微細な氷片をを作りやすくするため。 (水でやってもイマイチ上手くいかなかったし)」
「ムペンバ効果」って、何? そう思った人も多いだろう。
現代語辞典「imidas(イミダス)」で引いてみると、「ある一定の条件下では、水よりもお湯のほうが短時間で凍るとする説」らしい。科の実験中にこの現象に気づいたタンザニアの高校生の名に由来する名称で、科学的には未解明だという。
また、ファルコンまつばらさんはこう続けている。
「実際の雲は水蒸気が冷却・凝結したものですが、これは水(お湯)を細かな粒にするために投げてます。低温、かつ投げるスピードによる冷却も相まって、水蒸気にはならないうちに凍りつきます。そうして微細な氷片を人工的に作り出し、その氷片に光が乱反射する事で白い雲となります」
ちなみに、撮影当時の気温は、マイナス17〜18度(家庭用冷凍庫程度)、ということだ。