1児のパパ、国山ハセンさんが「絶対パパは定期的にやるべき」と断言する育児タスクとは?

2022年1月10日(月)7時0分 マイナビ子育て

TBSアナウンサー時代、第一子誕生後に3週間の育休を取得した国山ハセンさん。育休で得た学びを尊重する一方で、復職後に仕事にフルコミットしたことで、家庭内で摩擦が起こってしまったそう。そんなときに気づいたのは、「自分で意思決定することの大切さ」だったと言います。

✅1児のパパ 国山ハセンさん、育休明けに妻と衝突「仕事にフルコミットしてしまったことを今でも後悔」 インタビュー前編はこちら

パートナーのルールやルーティンを理解し、順応する

ーー前編では、復職後、仕事にフルコミットしたことで家庭内で衝突が起きてしまったことをうかがいました。そうした状況を、どうやって解消しましたか?

国山 最終的には、それが転職に踏み切るきっかけだったことはゼロではないのですが、その前に意識したのは、家のルールやスケジュールについてとことん話し合うことでした。どんな家族も、一緒に住むとだんだんとルールめいたものができるものだと思います。主に子どもといる時間が長い妻のルールやルーティンが中心になると、僕はそのルールを100%理解できていないので、「違うよ」と指摘されます。でもそのルールは、僕からすると、「それ、わからないよ」となるから、夫婦喧嘩に発展していく……という展開がほとんどで。

ーーすごくわかります……!

国山 そこで僕が意識したのは、相手のルールやルーティンをちゃんと理解することと、そこに順応するようにしました。

ーー昭和のドラマや映画などで、「妻の言うことをハイハイ聞いてりゃいいんだよ」なんてセリフがあると思いますが、国山さんのやり方はそういった表面的なものではないとわかります。

国山 そうしないと上手く回らなかったですし、やっぱり育休時に芽生えた、いい意味での夫婦間のライバル意識がプラスに働いたんだと思います。タイムリーなことに、ちょうど先日の土日、妻に外出してもらいワンオペ育児をやったんです。土曜は僕の母に来てもらったので日曜だけ僕ひとりで。転職してからは初めてのことでした。朝から翌日の朝の対応まで、丸1日ですね。

ーーいかがでしたか?

国山 とはいえ、離乳食は用意してもらい、レンジで温めるだけの状態だったのですが。これはパパは、絶対に定期的にやるべきだと思いました。自分の未熟さも再確認できますしね。「YouTube見せすぎかな」「このタイミングで散歩に行こうかな」など、子どもとの当たり前の日常を、パパひとりで回すことは意義があります。そばにスマホやPCがあると仕事モードになってしまうと思いますが、それらを忘れて育児に集中することが大事だなと。

寝かしつけが苦ではないのは、育休中の「当たり前」だったから

ーー子どもに見せるYouTubeやスマホも、育児に欠かせないお助けツールである一方、加減が難しいです。

国山 そうなんですよね、僕も気をつけています。「手が離せなくてどうしても子どもを見ていられないとき、限られた時間だけ」という夫婦間のルールを作っています。そういうふうにしないと、子どもは集中して見入ってしまうので。

その2日間は、妻にとってとても開放感を感じることができたようでよかったです。そのほかにも、妻は昨年、友達と3泊4日の旅行に行っていて、そのときも母に助けてもらいながら子どもと過ごしました。

ーーお子さんが今よりも小さいころですね。

国山 1歳未満のときです。

ーーどの工程がいちばん手こずりましたか?

国山 しいていうなら食事でしょうか。寝かしつけはあまり苦じゃないんですよね。それは育休を経験したおかげだと思います。寝かしつけや夜泣き対応、夜中にミルクを作る、などが突然降りかかると手こずると思いますが、あのときの3週間で「当たり前のこと」としてやっていたから、特別大変なことではありませんでした。

ーー男性育休の意義、そのお言葉で実感しました。

国山 ただ、やっぱり「家事と育児の両立」みたいなことはできていないです。部屋はぐちゃぐちゃですし、苦手でもありますから。そこは妻に「お願いします」状態です。

家庭内での試練が、転職の後押しに

ーー日々ありがたく思う一方で、「いつも『これをこうしておいて』と言っているのにやってくれない」と不満に思うことは、正直あります(笑)。さきほどおっしゃった”ルール”の一貫ですよね。

国山 そう! 「我ながら褒められると思うことをしたのに、なんでこんなに怒られるんだろう……」と思うことはあります(笑)。妻も、精神的にも体力的にも疲弊してくるとイライラしてしまうんだろうな、というのはわかるんですけどね。

すごく細かいことなんですが、「浴槽のお湯をちゃんと抜いていなかったでしょ?」とか、「濡れたタオルは洗濯機に入れないで。少し干してから入れてといつも言っているのに、また濡れたまま洗濯機に入れていたよね」とか指摘されることがあって。そういう些細なことを、朝イチで言われたりすると……。いったん寝起きのオレンジジュースを飲まないとちょっと立ち直れない(笑)。

ーー(笑)赤ちゃんと一緒に暮らすのは、本当に大変ですよね。

国山 本当にそう思います。と同時に幸せなことなので、大変さを乗り越えて夫婦の絆が強くなるんだ、ということを信じて生きています(笑)。

ーー冒頭でお話してくださった、「衝突の解消が、転職のきっかけのひとつだった」という話を改めて詳しくお伺いしたいです。

国山 僕は今の会社で、自分でスケジュールを決められる環境に身を置いていまして。仕事はすごく忙しい一方で、9時に出勤して遅くても18時には帰宅する、という調整が自分でできるんです。仕事中は集中してやれば効率よく働けますし、リモートワークも導入できていますしね。

一方で、TBS時代は決められた時間にテレビに出なければならない業務でしたし、リモートワークもあったんですが出社してリモートしていたんですよ。

ーー出社してリモート……? どういうことですか?

国山 出社して会議室でPCを開いて、リモート会議に参加するんです。途中から「これは何をしているんだろう……」と思い(笑)、最終的には「これは出社しなくていいだろう」と意思決定したんですけど。何事も自分で意思決定しないと状況は変わらないなと思いました。

華々しいキャリアを上回る、「自分で意思決定」できることの健全さ

ーー転職にあたり、”看板報道番組のキャスター”という大きなキャリアと決別することについては、葛藤はありませんでしたか?

国山 葛藤はゼロではないですが、自分にとって健全でポジティブでいるには、「自分で意思決定できるか否か」が最優先で、そこに魅力を感じて、今の会社に転職しました。その結果、家庭が上手く回り、仕事のパフォーマンスも上がったと感じています。今が一番、家庭も仕事もベストな状態だと感じています。

ーーそれと比例して、家でのイライラは減りましたか?

国山 はい。もちろん些細な言い争いはありますが、圧倒的に穏やかになりました。余裕があるからこそ、一緒に朝食を食べたり、朝の散歩に行けたりして、それができるだけでまったく違います。

ーーもし2人目のお子さんが生まれて、今の会社で育休を取得しようとした場合、スムーズにいけそうですか?

国山 そうですね。創業3年目というまだスタートしたばかりの会社だからこそ、自分の意志をスムーズに伝えられる環境なんです。今まさに、同僚で育休中の女性がいます! その同僚は妊娠中に転職したと聞きました。

ーー妊娠中に! なかなか珍しいパターンのように思います。

国山 彼女は、「産後すぐに復帰したい」と宣言するほど仕事が大好きなタイプのようで、長期でも短期でも、自分の意志で育休が取りやすい雰囲気だと思います。

ーー国山さんご自身は現在、PIVOT社の映像プロデューサーですが、どのようなコンテンツを手掛けていらっしゃいますか?

国山 PIVOTはビジネス映像メディアで、主にキャリア系のコンテンツを配信しています。僕が関わっているのは、ゲストを招いての対談やインタビュー形式のコンテンツで、先日はEXITのりんたろー。さんとともに、長期投資家の奥野一成さんから資産運用について大真面目に学ぶコンテンツを配信しました。今回お話したような悩みや葛藤にも気づきや発見が潜んでいるように、ユーザーの方の後押しになるような言葉を引き出していきたいですね。見てくださる方が、一歩踏み出せるような番組作りがしたいと思っています。

拝啓、復職前の自分へ 〜今の自分から復職前の自分へのメッセージ〜

「復職前の自分に手紙を書くなら、何を伝えたい?」ーーそんな問いに対し、国山さんが筆を走らせたのは、思わず胸躍るような、未来への予感でした。

一つ一つの学びが、必ずこの先に活きてきます。何も不安に思う必要はない。家族の時間を楽しんで!「育休」もっと長く取得しても良かったかも(笑)。そのくらい素敵な経験だよ。ENJOY!国山ハセン

【information】国山さんが企画立案・ディレクション、そしてMCも!

「日本をPIVOT(方向転換などの意)する」をテーマに、ビジネスパーソンの学びとなる経済やビジネスの映像コンテンツを毎日配信しているメディア「PIVOT」に、国山さんの新番組も配信中。

<次世代ビジネストーク番組 30s>国山さんが各業界のキーパーソンに迫る「30代キャリア特化型」の新番組。

<MONEY SKILL SET>

株・不動産・保険など資産運用のために知っておきたいマネースキルセットを、各界プロフェッショナルから学ぶビジネストークバラエティ。

国山ハセンさん/PIVOT プロデューサー

2013年、TBSに入社。『news23』『Nスタ』『アッコにおまかせ』などを担当し2022年12月に退社すると、株式会社PIVOTに参画。プロデュース業のほかMC、番組・コンテンツづくりに注力。公式YouTubehttps://www.youtube.com/@pivot8935Web版https://pivotmedia.co.jp/

(取材・文:有山千春、撮影:松野葉子/マイナビ子育て編集部)

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