まさかのタピオカ使用そば! なのに感動…【家そば放浪記】第199束:CHABARA日本百貨店しょくひんかんで買った、自然芋そば『蕎麦八』税込410円(1人前205円)

2024年1月16日(火)22時0分 ロケットニュース24

タピオカブームとは何だったのだろうか。今にして思うと、西部開拓時代のゴールドラッシュ(タピオカラッシュ)みたいな印象がある。しかしタピオカに罪はない。

私は昔からタピオカココナッツミルクが大好きで。今から30年も前、中学の時の家庭科の課題(夏休みの宿題?)で、エビチリとタピオカを作ったのを今でもハッキリと覚えている。

そんなタピオカ好きな私の前に、ふたたびタピオカが現れた。それも、ミルクティーでもなければココナッツミルクでもなく、姿を「干し蕎麦」に変えて現れたのだ。

製造者「株式会社 自然芋そば」の干し蕎麦は、過去にも2回とりあげている。『越後伝統へぎそば 自慢ののどごし』と、『へぎそば 箱入り』だ。

どちらも「へぎそば」。つなぎに「布海苔(ふのり)」を使っているのがへぎそばの特徴であり、今回も「海藻ふのりつなぎ」と書いてあるので、「株式会社 自然芋そば」の得意技で勝負してきた感があるのだが、今までと大きく違うのは、

そば粉80%配合(つまり八割そば)と大きく表示していること。

そして、

「タピオカ使用」をうたっていること……である。

名前からして「蕎麦八(そばはち)」、つまり八割を強調。そして、これまで推してきた「へぎそば」の名前を捨てた覚悟。

なんとなくだが、私はこのパッケージから「株式会社 自然芋そば」の “本気” を感じ取った。

これは “くるぞ……” と私は思った。ただならぬ覚悟。そして自信。今までの「株式会社 自然芋そば」とは一味違う雰囲気をマンマンに感じる。

見せてもらおうではないか。

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> 布海苔タピオカ八割蕎麦とやらを! <
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デカい鍋にたっぷりの湯を沸かし……

約4分半〜5分程度ゆでて……

はい完成。

して、そのお味は──

これはおもしろい! 久々に「ぬおおおおおっ!」となった。

タピオカというストレートパンチが来ると思ってガードしてたら、なんとまさかの(いつもの)「海藻」という大振りフックが飛んできた!

しかも超強烈な海藻感。裏パケには「蕎麦の豊かな香り」と書いてあるけど……いや、香り、海藻やろ! それほどの海藻感なのだが……これが不思議とウマイのだ。

海藻感がウマイのではなく、“蕎麦全体のバランス” 的にうまいのだ。マリアージュしているというか。物語を、つむいでいる。

まず、口当たりが最高。語彙力の乏しい表現で申し訳ないのだが、「口の中で組み上がった立体を壊す感」があるというか。それがまことに気持ち良い……。

絶妙なカタさと感触が、この蕎麦にはある。唯一無二の食感。口当たりという概念でいう人当たりは、サンドウィッチマンなみの好感度。

それでいて、さすが八割、蕎麦の味もしっかりする。“海藻み” が強いけど、しっかりと、そのすぐ後ろに蕎麦がついてきている。

これをグレイシー柔術のグレイシートレインに例えるならば、先頭が海藻、そして、そのすぐあと(リングに立つ選手)が「蕎麦」という布陣。おそらくその後ろはタピオカだ。

そして八割のグレイシー(蕎麦)は、布海苔とタピオカのヌルヌルに乗じて、ドゥリュンと喉に流れていく──。

布海苔、八割(蕎麦)、そしてタピオカ。個性バラバラな三者が奇跡的に融合し、見事なハーモニーを奏でる、ジ・アルフィー(桜井、坂崎、高見沢)のような蕎麦である。

海藻みが強いと言う面からいうと、万人受けはしないかもしれない。

だが、ものすごくチャレンジングかつクリエイティブな作品であると私は思った。

それはまるで、1980年代、『モトラ』や『ロードフォックス』あたりのチャレンジングすぎる原付バイクを次々と世に放ったホンダのような攻めの姿勢。

このくらいの思い切りがあって良し。食べていて とても晴れやかな気持ちになったし、なぜだか “ヤル気” まで出てくる不思議な蕎麦だった。

生き様ならぬ、蕎麦様(そばざま)みたいなものまで感じるほどに。

執筆:干し蕎麦評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24

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