花粉症が通年化!? 春以外にも症状を感じている人の割合は
2025年1月29日(水)9時50分 マイナビニュース
酢酸菌ライフは1月28日、「花粉症に関する意識調査」の結果を発表した。調査は2025年1月8日〜17日、全国の15歳〜69歳男女1,174名を対象にインターネットで行われた。
○今年の花粉は昨年以上に"早くて・多い"
日本気象協会が発表する花粉飛散予測第3報によると、2025年の飛び始めの時期はほぼ例年並みで、2月上旬には九州から関東の一部でスギ花粉が飛び始める見通しであることがわかった。また、飛散量は広い範囲で例年より多く、四国・近畿は例年の2倍以上になりそうだという。さらに、東京都によると、都内12か所で行うスギ花粉の観測において、大田区で、1月8日から2日連続で基準を上回る花粉が観測されたため、「1月8日から花粉が飛び始めた」と発表した。これは、40年前に統計を取り始めて以来、最も早く、去年に比べて1か月あまり早くなっている。
耳鼻咽喉科医の石井正則氏によると、花粉に敏感な人はすでに症状を感じ、受診し始めているという。2月に入ると本格飛散となるため、今のうちからできる限り症状を軽くするために、「初期療法」を行っておくことが重要だという。
○花粉症持ちの約8割に、症状の長期化
今回の調査では、花粉症持ちの約8割(79.0%)が春以外の季節にも症状を感じており、症状が重いほど長期化の割合が高まることが判明した。また、花粉症症状が出る時期について質問したところ、春と秋にピークを迎えながらも、症状が1年中続く「通年化」の傾向が強まっていることがわかる。
近年、花粉症の症状が春だけでなく秋や冬にも広がり、長期化・通年化する傾向が顕著となっている。主な原因としては、秋に飛散する花粉の増加や、日本の気候が亜熱帯化する中でのクーラー使用期間の長期化が挙げられる。クーラーによる乾燥や換気不足は、家の中でのダニやカビの増加を招き、アレルギー症状を悪化させる要因にもなり得る。特に40代は症状が長期化するピークの年代となることから、若い人ほど早めの対策が重要と言えそうだ。一方で、50代以降になると症状が軽減するケースも見られることから、加齢とともに免疫応答が変化していくことが考えられる。
石井氏によると、花粉症の対策は、季節ごとの対応に加えて、通年を意識したケアが重要だという。原因への理解を深め、日常生活に適切な予防策を取り入れることが、長期的な症状緩和のカギとなる。
○半数が「症状が出てから対策」
今やシーズン限定の対策だけでは不十分となり、1年を通した総合的なケアが求められる時代に突入している。
花粉症に悩む人に対策開始時期を尋ねたところ、通年で対策を行っている人は全体の約10%程度ということが分かった。一方で、「症状が出てから対策を始める」と回答した人が約半数(49.8%)を占めている。症状が長期化しているにもかかわらず、対策の現状は、予防よりも目先の症状への対処に偏っていることが明らかに。さらに、軽症や中等症の人では、飛散前からの対策割合が低く、症状が比較的軽い人ほど計画的な対策を後回しにしている傾向が見受けられた。
加えて、重症者は「飛散の1〜2週間ほど前から」「飛散の1か月ほど前から」と回答する割合が他の層よりも高く、早めの準備を心がけている様子が伺える。しかし、「1年中対策を行っている」という割合は全症状層で低い結果となった。
また、具体的な対策方法について尋ねたところ、半数以上を超える回答は「マスクや花粉用メガネをする」(58.0%)、「目薬や点鼻薬をする」(54.0%)、「医師からの処方薬もしくは市販薬を服用する」(50.8%)の3つという結果に。他の回答を見ても、外的対策が中心で、身体の内側を改善する対策は後回しにされがちであることが伺える。
花粉症対策は外的なものが主である一方で、「花粉症症状は食習慣で改善すると思うか」という設問では、50代を筆頭に半数以上の花粉症持ちが食習慣による症状改善を前向きに捉えていることがわかった。ただし、60代は他年代に比べると比較的意向が落ち着いており、加齢に伴って免疫症状が軽くなるケースもあることが影響しているかもしれない。
石井氏によると、花粉症の症状が長期化し、通年化が進む現在、大切なのは(1)花粉を体に入れない外的対策と、(2)普段の食事で免疫バランスを整える内的対策を組み合わせることだという。症状が軽い人でも、日常的な内的ケアを継続することで、花粉症シーズン前から体を整えることができる。たとえば、免疫機能を安定させるには、日々の食生活で多様な菌を摂ることが重要となる。これは重症化の予防にも役立つため、軽症の方ほど早期から取り組むことが望ましいという。花粉症の予防・改善には"日々の積み重ね"がカギ。1年を通して内的ケアを意識し、体質改善に取り組むことが推奨される。