女子高生14人が悪霊に憑依される事件が発生? エクソシストの儀式で回復…

2023年1月29日(日)7時0分 tocana

 2014年11月、フィリピンのとある女子校で、一度に14人もの生徒が悪魔に取り憑かれるという事件が起こった。倒れた生徒たちは病院ではなく、なんと教会に搬送され、悪魔祓いを受けて落ち着きを取り戻したという。カトリック教徒が国民の9割を占めるフィリピンでは、神父は生活に密接に関わる”第二の親”とも言える存在。よって、このような事件が起こった場合に教会を頼るのはそれほど珍しいことではないという。近年こうした集団パニックが頻発しており、世界的にエクソシストの需要が高まっているようだ。


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※こちらの記事は2014年12月5日の記事を再掲しています。


 2014年11月21日、フィリピン・セブ島にある女子校の校内で「14人もの女子生徒が悪魔に取り憑かれる」という事件が起きた。生徒の1人が「小さな子どもの幽霊を目撃した」と発言したことがきっかけで、ほかにも霊を見たと言って卒倒する生徒が続出したのである。


 学校側はすぐさま、倒れた女子生徒14人を病院に…ではなく教会に搬送し、神父に悪魔祓いを要請した。悪魔祓いの儀式によって、女子生徒たちは落ち着きを取り戻したと言われるが、フィリピンではこうした女子生徒の集団パニックがたびたび起こっている。


国民の90%カトリック教徒!
フィリピンで神父の地位は高い

 日本のご近所でもあるフィリピンであるが、宗教家の地位はずいぶん違う。日本人の多くは仏教徒だが、檀家が僧侶に会うのは葬式の時か、法事の時くらいのものだ。これは寺の僧侶や神社の神主たちにやる気がないのではなく、その昔徳川家康が布教を禁止し、檀家の管理に徹させたからで、江戸時代200余年のうちに日本の宗教家たちは、布教のノウハウを失ったのである(徳川幕府は、布教を禁止したかわりに、一般庶民に対して改宗も禁止したので、寺は檀家を逃す心配がなくなり、堕落したといわれる)。


 一方、フィリピンでは教会の神父は生活に密着した存在だ。神父は結婚式や葬式はもちろんのこと、生まれた時にはクリスチャンネームを与えたり(ただ、フィリピンでは親がクリスチャンネームを考えることも珍しくない)、神父の行う“洗礼の儀式”は大変重要なものである。そしてさらに、神父は毎週日曜日にはミサを開いて、説教を行っている。


 そんなわけで、カトリック教徒のフィリピン人たちにとって、教会は極めて日常的なモノであり、教えを説く神父は“第二の親”とも言える存在なのである。したがって集団で幽霊を見て卒倒する事件が発生した場合、学校の責任者が病院ではなく教会に連れて行くのは、それほど非常識な判断ではないのだ。


エクソシストはカトリック公認の資格?
現役エクソシストも実在する!

 今回パニックに陥った女子高生たちを救った神父は、報道によればこれまでも数多くの悪魔祓いをしてきたとあるので、おそらく公認のエクソシストだと思われる。


 エクソシストというのは、悪魔祓いの儀式“エクソシスム”を行う人のことで、エクソシスムはカトリック教会ではその黎明期から行われてきた。しかし古代のエクソシスムは、カトリックを世界に布教するなかで、異教徒の神や悪魔を調伏させ、カトリックの教義の中に取り込む手段のひとつだった。


 その頃はエクソシストと呼ばれる階級(祓魔師と訳される)も存在したが、現在は資格のような位置づけになっており、階級的には司教や司祭がエクソシスムを行う。2014年現在、カトリックが公認しているエクソシストは200人とも300人とも言われている。


 そんなエクソシストの集まりである「国際エクソシスト教会」が、2014年7月にバチカンのローマ法王庁から正式に認められ、公認エクソシストが積極的にエクソシスムを始めているわけだ。これは昔のように布教の一環としてエクソシスムが行われるのではなく、近年になって冒頭で紹介したような、集団パニックや悪魔に取り憑かれたという事件が増えているからである。



悪魔祓いの儀式には医者の同行が必要?
意外に科学的な現代のエクソシスム

 バチカンがエクソシスト教会を公認し、その活動を後押ししているのは、1990年代頃から悪魔に憑かれたという事例が急増しているからで、実際に世界各地でエクソシスムの儀式は行われている。ただ大昔と違って、悪魔に取り憑かれたと訴える人に対して、すぐに悪魔祓いの儀式を始めるわけではない。


 まず最初に精神医の診察を受けさせ、精神病を患っているかどうか調べるのである(そして大半の人は、精神病であると診断されるらしい)。検査の結果、医学上健康であると診断されたにもかかわらず、憑依現象が確認された場合、いよいよエクソシストが登場し、悪魔祓いの儀式を始めるわけだが、現代ではその儀式にも医者が立ち会うことになっているのである。


エクソシストになるのはどうすればいい?
バチカンでは「エクソシスト養成講座」が開講中!

 さて、それでは悪魔と戦うエクソシストになるにはどうしたらいいのだろう? カトリックの公認エクソシストとしてエクソシスムを行うには、バチカンにあるローマの教皇庁立レジーナ・アポストロールム大学で開講している「エクソシスト養成講座」を受講していなければならない。


 この講座は2000年代初頭から開講されており、4か月のコースだそうだ。もちろん誰でも受けられるわけではない。まず大前提として、カトリックの神学校に学ぶ学生以上(司教や司祭)であることが必要である。そして本人の強い熱意と司教や司祭から推薦があって、はじめて受講できるのだ。


 それ以前に神学校に入学する資格も年齢制限(22〜40歳)や最終学歴(高卒以上)があるほか、カトリックの洗礼を受けて3年以上経過していることなどの厳しい条件があり、公認エクソシストへの道はそう簡単ではなさそうだ。


※基本的にプロテスタントにはエクソシストと呼ばれる階級や資格をもった者はいない。ただ悪魔祓いの儀式をしていないかといえば、そいうわけでもなく、カトリックで言う「神父(司教)」や「司祭」にあたる、「牧師」や「監督」と呼ばれる人たちが「悪霊追い出し」という儀式で悪魔祓いを行っている。

tocana

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