パリッコのおつまみ革命 第39回 【知ってる裏技ぜんぶ駆使】‟家ナポリタン“を美味しく作るには「惣菜」を生まれ変わらせるのが最適だった! 「ナポリタン:リボーン」

2024年1月31日(水)11時5分 マイナビニュース

「ナポリタン」を自宅で美味しく作るためのレシピって、この世にかなり存在していますよね。雑誌、WEBでも「自宅で喫茶店の味!」なんてタイトルのついた記事をよく目にし、ナポリタンって本当に、日本人に大人気のソウルフードのひとつなんだな〜と思わされます。
当然、ナポリタンを美味しく作るためのコツというのもたくさんあって、代表的なのが「麺と絡める前に、ケチャップをぐつぐつとよく炒めておく」というもの。このおかげで、酸味が適度に飛び、まろやかな味わいになるそうです。
他にも「野菜を炒めるときに少量の砂糖を加えるとシャキッとした仕上がりになる」「隠し味にウスターソースを加えると旨味とスパイス感がアップ」「麺のゆで時間を規定よりも長めにする」「具材と麺を炒め合わせるとき、少量の水を加えて油と乳化させることにより、麺がもちもちになる」などなど、いろいろとあるのですが、最近僕が知ってとても驚いたものがありました。
それは、「前日に麺をゆで、1日冷蔵庫で寝かせておく」というもの。なるほど、大量に作る必要のある、お店の「ゆでおき麺」を再現するわけですね。ただ、無類のナポリタン好きならまだしも、僕のように「好物のひとつ」くらいの人間にとって、「明日のお昼にナポリタン食べたいから、今日麺をゆでておこ〜!」って、ちょっと日常生活のなかのハードルとしては高くないですか?
そこで思いついたんです! ならば、スーパーなどで驚くほど安く売られているお惣菜のナポリタンを買ってきて、いったん洗って「具材入りの茹でおき麺」状態にしてしまう。で、それを再度ナポリタンとして調理する。しかも、知ってる裏技も全部使って。名づけて「ナポリタン:リボーン」作戦。どうだ!?
○作戦開始
さっそく買ってきました。
ちなみにこちらは、「ビッグ・エー」というスーパーで198円でした。安い! しかも、たまに運がいいと半額になっていたりします。
さっと水洗いしただけでこんなにもまっさらな姿になってしまうものなのかと若干驚きつつ、さぁ、リボーンさせていきましょう。
具材は、面倒ならば足さなくてもいいんですが、心と冷蔵庫の在庫に余裕があれば、足したほうがそりゃあおつまみ力は高まります。今回は定番の、玉ねぎ、ピーマン、ソーセージあたりを加えて作っていきましょう。ちなみに、ピーマンはヘタもワタも火を通せば食べられるし美味しいので、捨てないの推奨。
野菜におおよそ火が通ったら、それらを片側に寄せ、たっぷりのケチャップを投入。ヘラなどで混ぜつつ、グツグツするくらいまでよく炒めます。
そうしたらここに、さっき作った無垢のナポリタンと、水少々を投入!
炒め合わせながら、隠し味のウスターソース少々もここで加えましょう。
全体がよく混ざり、熱々になればそれで完成。で、いいんですが、せっかくのおつまみレシピの連載ということで、さらにここからひと手間加え、おつまみ力をぐーんとアップさせちゃいましょう!
つまりですね、ナポリタンににんにく&バター風味を追加し、さらに全体を、ちょっと焦げ目がつくくらいまでよ〜く焼いて、「ロメスパ」に代表される「焼きスパゲティ」風に仕上げてしまおうというわけなんです。あ、にんにくは、今回は面倒なので市販の刻みにんにくを使っていますが、生のを刻んだものでも、チューブでも、もちろん可。
仕上げにお好みで、粉チーズやタバスコをかけて、はい完成!
これ、食べてみて本気でびっくりしたんですが、僕がこれまで自分で作ってきたナポリタンのなかで、飛び抜けていちばん美味しかったです……。
まぁ、今までは一度も「コツ」などを意識せずに漫然と作っていたということもありますが、やっぱり感動したのが、麺。
お店っぽいゆで風の、やわやわでもちもちな麺に、ほんのりと酸っぱくて甘いケチャップ味が絡む、ザ・ナポリタンらしさ。加えて、香ばしいにんにくバター風味までついている。
ナポリタン:リボーン作戦、大成功だったな……。みなさん、スーパーのお惣菜売り場で半額になったナポリタンなんかを見つけたら、翌日はラッキーナポリタンチャンスですよ!
○【材料】
・市販のナポリタン
・お好みの具材:好きなだけ
・砂糖:少々
・ケチャップ:ナポリタンの量に合わせ、たっぷりと麺に絡むくらい
・ウスターソース:少々
・刻みにんにく:にんにく2、3個ぶん
・バター:ひとかけ
【作りかた】
1.市販のナポリタンを買ってきてざるにあけ、水洗いする。
2.フライパンにたっぷりの油をひいて中火にかけ、野菜などの具材を加える場合は、砂糖少々をふりかけて炒める。
3.具材に火が通ったら片側に寄せ、空いたスペースにケチャップを加えてよく炒める。
3.洗ったナポリタン、水少々、ウスターソース少々を加えて炒め合わせる。
4.全体に火が通ったら、刻みにんにく、バターを加え、具材や麺に焦げ目がつくくらいまで、たまに上下を返しながら、さらによく焼く。
5.お好みで粉チーズやタバスコをかける。
パリッコ ぱりっこ 1978年東京生まれ。酒場ライター、漫画家/イラストレーター、DJ/トラックメイカー、他。酒好きが高じ、2000年代後半より酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。 この著者の記事一覧はこちら

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