「少量みそセット」で“みそ作り”に挑戦! おいしさの秘訣は「素手でやること」

2024年1月31日(水)12時57分 マイナビニュース

1月20日に迎えた今年の大寒。二十四節気で最も寒いとされるこの時期は雑菌が繁殖しにくく、大寒に仕込み作業が行われた酒・醤油・みそなどは、発酵がゆっくり進むことで味に深みが出る「寒仕込み」として、昔から珍重されてきたそうだ。
というわけで今回は、首都圏を中心に約160万世帯へ宅配サービスなどを展開している生活協同組合・パルシステムの「少量みそセット」を使い、みそ作りに挑戦した。
○■ポイントはカビ予防
手作り体験や親子の食育などを通じ、利用者へ和食の価値、食や発酵への理解を促しているパルシステム。20年ほど前からみそを手作りできる大容量サイズのセットを展開してきたが、2022年1月より保管スペースの狭い家庭や単身世帯でも手作りみそを楽しみやすい「少量みそセット」を販売する。
セット内容は、大豆200g・乾燥米こうじ200g・食塩90g。およそ800gのみそを仕込めるセットとなっており、材料はいずれも使い切りの量なので、計量の手間などもなく誰でも簡単にみそを手作りできる。
準備する道具は大豆を茹でる際に使用する直径20cm前後の鍋やザル、材料を混ぜるためのボウル、煮上がった大豆をつぶすための厚手のポリ袋(耐熱のもの)とめん棒。加えて容器の除菌用のアルコールやふきん、1L以上の保存容器、ふり塩、ラップ、紙袋などを用意すれば完璧だ。
みそ作りは準備段階として前日に大豆を洗い、3〜4倍の水にひと晩(約12時間、夏場は冷蔵室へ)浸すところから始まる。大豆は吸水すると2倍以上の大きさになる。
作業に入る前に手洗いをし、除菌用アルコールを含ませたふきんなどで、保存容器の内側、ざる・ボウル・マッシャーなどの道具類をきれいに拭き取り、除菌していく。今回はキッチンペーパーとホワイトリカーを使った。
器具などをなるべく除菌して使うのは発酵・熟成の段階でカビが発生するのを予防するため。実際にカビが発生しても適宜その部分だけ取り除けば、問題なく熟成は進んでいくそうだが、後々の手間になることは確かなので、なるべく雑菌は入らないように気をつけよう。
○■大豆を煮て、つぶして、混ぜる!
続いては大豆を弱火で3〜5時間ひたすら煮る工程だ。鍋に水けをきった大豆と新しい水(大豆の2倍の量)を入れて火にかける。
白っぽい泡状のアクをとり、湯を足しながら、親指と小指で豆の粒をつぶせるくらいのやわらかさになるまで煮えたらOK。火にかける時間は、豆の乾燥具合などのコンディションや水に浸した時間などで変わり、新豆のほうが早く煮えやすい傾向にあるそうだ。
ここまでの工程に半日以上というそれなりの時間ががかっているわけだが、みそ作りのレシピ自体は実にシンプル。茹でた大豆をつぶし、材料と混ぜ合わせるというのが基本的な作業になる。大豆が煮上がったら熱いうちにざるにあげて煮汁をきるが、このとき「種水用」として150ml程度の煮汁を捨てずに取りおきしておく。
次にこうじ・塩を合わせて「塩切りこうじ」を作っていく。両手で下からすくい上げながら、すり合わせるようにしてよく混ぜよう。空気によく触れさせることでこうじ菌の働きが活発になるそうだ。ちなみに人の手に存在する常在菌の関係などで、作る人や環境によって仕上がりが変わることも手作りみその醍醐味。なので、みそ作りは素手で行うのが基本的にはおすすめとのことだ。
30℃ほどにさました「種水」(90ml)を、この「塩切りこうじ」に入れてさらに混ぜ、そのまま10分ほどおいてなじませる。種水が熱すぎるとこうじ菌が死んでしまうので、体温以下の温度になるよう注意しよう。
また、大豆は熱が冷めるとつぶれにくくなるので、なるべく熱いうちに厚手のポリ袋に大豆を入れ、めん棒や手などでペースト状につぶす。熱いのでポリ袋の上にふきんなどを敷き、その上からつぶすのもおすすめ。ボウルとマッシャーを使ってもOK。
ペースト状にした大豆が人肌くらいにさめたら、先ほどの「塩切りこうじ」とよく混ぜ合わせる。もし、かたすぎる場合は取りおいた種水を大さじ1杯ずつ入れて、粘土くらいのかたさに調整。より発酵を促すための「種みそ」を入れる場合は、この工程で60gほどを混ぜ合わせよう。
手作りのみそ作りは、しっかりと混ぜ合わせることが一番のポイントだ。
○■「みそフェス2024」も2月25日まで開催中
最後はこうして混ぜ合わせたものを4〜6等分し、だんご状の「みそ玉」にして保存容器に詰める。みそ玉をつくると空気を抜きやすくなり、雑菌の繁殖防止になるそうだ。みそ玉は少しやわらかめに握るようにしてつくるのがコツだという。
みそ玉を容器に1〜2個ずつ詰めて上から手のひらや甲で押してしっかりと空気を抜くというとことを繰り返し、最後は表面を平らにする。今回はジップロックを保存容器として使用したので、ジップロックの入り口の部分など容器の内側と縁をアルコールでもう一度よく除菌し、表面にふり塩(小さじ1程度・分量外)をする。
琺瑯やガラス製の容器を使う場合は表面が空気にふれないよう、みそを覆うようにしてラップなどを貼り付けて蓋をする。保存容器が透明の場合は紙袋や新聞紙で覆った上で、冷暗所で6カ月(夏場は2〜4カ月)ほど熟成させれば完成だ。
「少量みそセット」のリーフレットには子どもと一緒に楽しめる観察日記などもついているので、みそが完成までの色や香り、味・食感といった変化を体感してみるのも良さそうだ。
最もカビやすい時期は1〜3カ月後だが、カビの部分だけスプーンなどで取り除けば問題ない。味見時なども除菌したスプーンで行い、終わったら表面を平らにして、アルコールで容器の中のまわりを拭き、ふり塩やラップによる方法で再度保存しよう。
パルシステムでは例年「みそフェス」と名付け、手作りみそならではの体験やワクワクを投稿するキャンペーンを開催している。「みそフェス2024」では2月25日まで手作りみその写真や動画の投稿を募集中。投稿者の中から10名に野田琺瑯の持ち手付ストッカー角型とLeye 計量みそマドラーをプレゼントするという。
伊藤綾 いとうりょう 1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催 @tsuitachiii この著者の記事一覧はこちら

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