自称“おもしろ毒舌系”夫の「容姿いじり」にキレた義姉、モラハラを許してはいけない理由を熱く語る

2024年2月4日(日)22時5分 All About

かなり毒舌で妻の容姿に関して心無い発言をよくする夫。それを夫は、毒舌で周囲をおもしろがらせている……と勘違いしているから質が悪い。本当はみんな、イヤな思いをしているに違いないのに。

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この年末年始は、数年ぶりの帰省となった人たちも多かっただろう。普段からテレビ電話などで顔を見て話していたとしても、実際に会うと以前と印象が変わっていることもある。

お調子者の夫が実家でやらかした

「4年ぶりに夫の実家に帰省しました。久しぶりに義両親や義姉一家と対面、正直言って義両親も老けたなあとちょっと心が痛みましたが、年をとるのはお互いさま。元気でいてくれてよかったと思っていたんです」
アキさん(42歳)は、結婚して12年になる2歳下の夫、10歳の娘と3人で出かけた。義両親は大きくなった孫の姿に感激し、「とにかくまずはゆっくりして」と大歓迎だったという。
「もともと義両親はいい人たちだし、夫の姉も明るくておもしろい。私はまったく悪い印象はもっていないんです。なのに世間話の花が咲いたころ、夫が妙なことを言いだした。だいたい、彼は『嫁姑は絶対に仲が悪いに決まっている』と思い込んでいるんですよ。
何かの話から、芸能人の誰それが老けたねみたいな展開があったとき、夫は『昔はアキも、自分が美人だとおふくろに自慢したことがあったよね。でも今はこんなふうになっちゃって。美人が年とると悲惨だってわかったみたい』と言いだした。
私は自分が美人だなんて義母に言ったこともないし、そういう自覚もない。何を言ってるんだろうと夫の顔を見ていました」
すると義母は、知らん顔をして別の話題にすり替えた。しばらくすると夫はまた、「アキだって昔は痩せてたよね」と言い始める。妻をおとしめることで何がしたいのかまったくわからなかったアキさんだが、そこへ飛び出してきたのが義姉だ。

自分は「おもしろい毒舌系」という思い込み

「あんたね、さっきから聞いてればアキさんの容姿ばかりいじって何が楽しいの? 自分だって昔はもっと髪がふさふさしてたよねとか、そんなに腹が出てなかったよねって言われたらどう思う? ふざけんなっていうの」
姉に一喝された夫は、「そんな急に怒らなくても」とオロオロし始めた。
「すると義母まで、『年をとるのはみんな一緒。妻の悪口を身内とはいえ人に言うのは見苦しい。アキさん、もっと怒りなさい』って。
ふだんから夫は自分が毒舌系で、みんながおもしろがっていると思ってる。でも本当はみんなイヤな思いをしているんですよ。ただ、場が荒れないように大人の対応をしているだけ。そこでバシッと言ってくれた義姉と義母には、思わず『ありがとうございます』とお礼を言ってしまいました」
その後も、義姉と義母は夫に対していちゃもんつけ放題だった。

義姉は自分の離婚を告白した

その夜、夫は塞ぎ込んで夕飯のときにはほとんど口を開かなかった。いつものおちゃらけた雰囲気は封印したようだ。だがアキさんは、それはそれで少しかわいそうな気がしていた。
「さっきはごめん。言い過ぎたかもしれない」
子どもたちが寝静まったあと、口火を切ったのは義姉だ。
「『あなたたちには言ってなかったけど、私、離婚したの』と義姉が急に告白したんです。義兄は仕事の関係で来られないと言っていたけど、どうやらそれは嘘で離婚したために不在だった。義姉は両親宅からすぐ近くに住んでいたんですが、今は子どもと一緒に両親宅に越してきたそうです。その離婚の原因というのが義兄のモラハラだった。
義兄は結構な頻度で浮気をする人で、相手ができるたび『きみも昔は細かったよね』『どうしてこうなっちゃったのかな』とお腹をつままれたりしていた。挙句『女は若いほうがいいよなあ』としみじみ言われたことがあって、もう精神的に耐えられないと離婚したんだそう。
義姉は『あんたの物の言い方で、別れた夫を思い出してイライラした。そういう態度を続けていると、あんたもそのうちアキさんに離婚を言い渡されるわよ。妻だから何を言ってもいいというわけじゃない。妻だからこそ気を遣ってあげなさい』と義姉は夫に説教していました」

ハッとさせられた義母の言葉

義母も隣で頷いていた。アキさんはさらに内心で義姉と義母にガッツポーズを贈ったという。
「そのあと女3人になったとき、義母と義姉に『あの子は昔から調子に乗っていろいろ言うけど、人を傷つけることもあると思う。そういうときは遠慮なく怒ったほうがいい』と忠告されました。
人を傷つける毒舌はよくないですもんねと言ったら、『あなた自身も傷ついていいわけじゃないのよ。自分は我慢できるけど他人にはダメという問題ではない。あなたも夫に大事にされる権利があるんだから。それに父親におとしめられている母親を見たら、子どもが傷つくの』と義姉に言われました。その言葉にはハッとさせられた」
ああいうお父さんだからしょうがないねと、アキさん自身、ときどき娘に言っていたのを反省した。冗談は冗談として受け止めながらも、人を傷つけている言葉ならきちんと指摘しないと、それは娘のためにもならないのだと。
「夫も少しは反省したみたいです。それ以来、容姿に関する言葉は言わなくなりました。私が言い間違いをしたとき、ツッコんでくるくらいのことはいいんですよ。そのツッコミがおもしろいなら。
ただ容姿や年齢などへのツッコミはやはりこちらも不愉快ですからね。それについては正直に『はい、今のはレッドカード』と言うことにしました。娘も『ママがはっきり言うようになっていいと思う』と言ってくれています」
娘はやはり怒らない母に、モヤモヤしたものを感じていたようだ。黙っていればいさかいが回避できると思うのは「単なる逃げだ」とアキさんはいたく反省している。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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